読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ヴィクトリア朝ロンドンで知らぬ人はいない心霊マニア、その名も“幽霊男爵”エリオット。今夜も死者のベルに誘われて墓地に足を踏み入れるのだが、そこにいたのは10年前にエリオットが恋した女性で……。幽霊男爵のもとにもクリスマスはやってくる。過去という名の亡霊を連れて——。若き日のエリオットと助手コニーに迫る、ゴシック・ミステリー待望の第2弾!!
僕は、あのひとの、奥さんを殺しました!!(裏表紙より)
エリオットと初恋の君の幽霊の謎を追う「初恋の君は棺桶のベルを鳴らす」。
精神科医とその弟と出会ったエリオット。弟は魔法殺人の犯人だという「最新式魔法による殺人」。
行方不明だという従姉妹アレクサンドラの消息を訪ねたエリオットたちが見たのは、異国の地で神と呼ばれたものたちの存在の証で。「方舟の切符は売り切れ」。
思い悩んでいる様子のエリオットに何かしたいと、コニーは周りの者たちからヒントをもらい、クリスマス怪談を仕入れるが。「魔女の家にもクリスマスは来る」。
今回も19世紀イギリスらしい、オカルトや怪奇や科学が入り混じるミステリー。栗原さんは混沌とした時代を活き活きと書くのがお上手だなあ。ちょっと物悲しさを感じられるところも含めて大好きだ。
コニーが主人公となる「魔女の家にもクリスマスは来る」がほろっとしたなあ。エリオットのために何かしたいと思ってくれたんだよな。クリスマスは家族が集まるものなので、この日一緒に過ごした人たちはきっとエリオットにとって大事な人たちばかり。そう思うと、物悲しさもちょっと和らいだ。
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