読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく——全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。解説/柴田元幸
おおおおお、面白かったー! 面白かった。面白かった……。
ネタバレになっている可能性もあるので、以下注意。
キャシーたちがいったいどういう子どもたちなのかというのは最初から大体分かるように書かれていて、その匂わせるところから、さらっと当然の事実へと移行する書き方がすごい。主人公の視点から見える、寄宿学校の生活、人間関係、子どもが大人へと抱く感情の諸々が、特殊な設定を踏まえているのにごく当然のもの、ありふれたものなのに、感傷に満ちていて、最後に「やっぱりあなたたちは特別で、普通の人間ではなかった」と否定されたときの! どうしようもない痛み!
解説にも書かれていましたが、一人称なのに感情に走るところが見られず、きっとずっと何度も、テープを繰り返すように繰り返されてきた物語なのだろう、淡々とした語りが続く。その乾いているのにもの悲しい感じが、もうすごく好き。
映画も見ようと思いました。
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