読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは。解説・吉田伸子(裏表紙より)
死期が近かったり、いじめ被害者だったり、親に問題があったりなどといった問題を抱えた子どもたちが集い、全員一致で集団自殺を決行する。しかし「十三人目」の存在と、その十三人目に危害を加えた何者かがいるのではないかということから、議論が始まる。
それぞれ何かを抱えているのは明らかで、どのようにしてそれを告白していくかという心理ゲームの側面がありつつも、なんといっても人間描写が、テンプレートに見えるのにまったく違うのがすごい。事情をすべて語っているわけではないのに、最低限の情報で人となりを掴ませてくる。
集いの真相は予想通りでしたが、アンリの事情が予想外だった。なんというか、本質的にはマイと変わらないような……? 苦しんだ果てにたどり着いた答えがそれだとしても、知識や思考の偏りが、アンリもまた子どもなんだと思わせて。
締めの描写は、お見事ととしか言いようがない。面白かった。
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