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ギデオンの恋人 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 舞台は聖暦二十世紀初頭のアンゲリア王国。裕福な生まれのメリッサ・クリマイヤーは、初めて訪れたサーカスで、無口な網渡りの青年リンドウと、人間の言葉を話す不思議なライオン、ギデオンに出会う。
 ある時、メリッサはリンドウがまったく歳をとらないことに気がつく。それは、かれがギデオンと交わしているという魔法の契約のせいだった——。
 切なくて思わず涙する、珠玉のラブストーリー!(裏表紙より)

最近なるべく感情を表に出さないように、本心を隠すような日々を送っているので、疲れているなあと思っていたんですが、この本を読んでいたら何かのスイッチが入ってしまったらしく、ラスト周辺で 大  号  泣  。「ひいいいん。ひぐっ、うぐっ」と涙でページが見えなくなるほど大泣きしました。
現実世界を思わせる異世界で、裕福な家に生まれたメリッサは、サーカスの青年リンドウと不思議なライオンであるギデオンと出会う。しかしとあることをきっかけに記憶を失ってしまったメリッサは、自分でも理由が分からない心の飢えを感じて、看護婦となって戦場へ。お話は大きくはないのに、すごく読み応えがあるというか、綺麗にこの一冊にすべてが詰まっていて、すごく満たされました。
魔法を信じる心。よろこびというもの。それらが物語に結びつくとここまでどーんと胸に響くのかと、またページをめくって目をうるうるさせている状態です。あり得ないものを純粋に信じ続ける心や、それが許されること。そして続いていくことというシチュエーションに弱いんだろうなあ。
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