読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
いよいよ始まった〈戦国学園祭〉。泉水子たち執行部は黒子の衣装で裏方に回る。一番の見せ場である八王子城攻めに見立てた合戦ゲーム中、高柳たちが仕掛けた罠に自分がはまってしまったことに気づいた泉水子は、怒りが抑えられなくなる。それは、もう誰にも止めることは出来ない事態となって……。
ついに動き出した泉水子の運命、それは人類のどんな未来へ繋がっているのか!?(カバー折り返しより)
アニメの最後の部分に当たる、戦国学園祭の当日と終わり。真響、真夏、真澄の三つ子の関係性がより複雑であることが読み取れる原作。アニメでは結構唐突に思えた真響から深行への申し出も、前の巻からの流れを含めるとより自然で、やっぱりアニメは話数が足りなかった(でもうまくまとめたなあ……)という気がします。この五巻の重要なシーンは、アニメだからこそ響く声や音楽や美術背景などがあって、私はアニメの最終話がものすごい好きなのだ。ぼろぼろの綺麗な涙を流す女の子はいいものです。
深行がやっと頑ななところを解いて、「必要だって言えよ」ときた! しかし自発的なんじゃなく、真響の泉水子が深行の迷惑になるから付き合えないと言っていたと聞いたからだとするなら、本当に荻原作品のヒーローからとことん外れた現代っ子だなあと苦笑しました。最初からしっかりしていて器用なせいなのかな。ぼーっとしていたり若干不器用だったりする男の子に、主人公の女の子が手を引いてやるのが荻原作品には多い気がするので、だから正反対な二人は最初は噛み合ってくれなかったのか。
姫神がしばらく静かになっている分、泉水子の迷いや行動が物語の重要な部分にダイレクトに響いてしまい、ラストでは明確な未来の一手がさされたところで、幕。これで全六巻は、ちょっと短かったという気がしますが、最終巻を楽しみに読んでいきたいと思います。
荻原作品で出てくる「一生」とか「永遠」の言葉の重さって、すごいなと思う。荻原さんの書く一生ないは一生ないし、永遠に分からないことは分からない。
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