読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「過去を視る」力を持つ帝国の史官・ヤエト。病弱な彼は、赴任先の北嶺で地味な隠居生活を送ることを夢見ていた。しかし、政治に疎い北嶺の民に悩まされ、さらには北嶺に太守として来た勝ち気な皇女に振り回され休まる間もない。だが、北嶺を知るにつれ、ヤエトはこの地に帝国の秘密が眠ることに気づいていく…。歴史の光陰が織りなす壮大なるファンタジーロマンの扉がいま開かれる——。(上巻裏表紙より)
おっもしろかったー……。もっとこの世界を、すごく深く知りたくなった。話が進むに連れて明らかになる余談(と言ってもきちんと本編には大事だけれど)に、この世界がとても深くて広いことを気付かされて、すごく、いいなあ……と思いました。
帝国の辺境でのほのぼの物語かと思いきや、ヤエトの苦労性のせいですごく大変な物語。ヤエトが少しずつ手繰り寄せ始めている秘密が、ものすごく大変なことを呼び寄せて(そしてそのせいで色々問題が引き寄せられているのではと思う)、非常にどきどき。ヤエトも皇女もルーギンも皇妹も、すごくいいなあ。ヤエトの不思議な力が感じられる度に、すごくどきどきしてページを繰る手が早くなってしまうのは何故だろう。
なんだかんだで一生懸命になるヤエトが、上巻はすごくかわいいなあと思っていたけれど、下巻になって「帰る」という目標を見つけた彼はすごくかっこよくて、皇女が見たらきっと笑ってくれるような気がしました。ただ単に脱出する、北嶺に危機を知らせにいくっていうことじゃなかったと思う。
会話がすごく好き! 冗談を交えたり、食い違うのも面白くて。特にヤエトと皇女の会話は好きだなあ。
皇女、伝説、過去視、竜、帝国、陰謀、政争などなど、盛りだくさんですごく楽しかった。上下巻で結構分厚いはずなのに、あっという間に読んでしまった。面白かった!
PR
この記事にコメントする