読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつましく暮らしていました。姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。そして、不思議な能力をもっていました。人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。その力は、難しい事件を解決したこともありましたが……。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。(裏表紙より)
美人だが病弱な姉、鈴音は人や物の記憶を見ることができる不思議な力を持っていた。昭和30年代の事件などの裏で、鈴音と和歌子はその力を使って事件の謎を解いていた。鈴音が若くして亡くなっていることもそうですが、やがてくる時代の波の気配を感じて、ほんの少し悲しい感じもする連作短編集です。
テレビやら冷蔵庫やらミシンの話がすごく時代感を表しているなあ。一方で赤線の話やら凄惨な殺人事件の話もあるわけですが……。
語り口が懐かしくて切ないような気持ちにさせるシリーズ。続きも読もう。
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