読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
穏やかな食卓を囲む二人に潜む秘密。盗まれたエクレアが導く驚きの結末。最後の砦のような居酒屋に集う人々の孤独。減量に奮闘する女性が巡り会った恋。美食の上で繰り広げられる女同士の舌戦。幼なじみと再会して作る菓子の味。駄菓子を食べ合う瑞々しい初恋とそれを眺める大人達の切ない祈り……。7人の作家がこしらえた、色とりどりの食べものがたりに舌鼓を打つ絶品アンソロジー。(裏表紙より)
妻帯者の男性と交際していることを惰性と感じている尚子は、彼の故郷の黒豆を茹でている「くろい豆」千早茜。
低予算のドラマの撮影中に「きえもの」の料理が消えた謎を解く「消えもの」遠藤彩見。
偶然立ち寄った居酒屋の客と店の人間のひとときの混じり合い「居酒屋むじな」田中兆子。
芸能界入りしたものの一花咲かせることができないまま、ダイエット企画に挑むことになった女性の「サクラ」神田茜。
テニス部に所属していたメンバー四人が揃ってマウントを取り合う「アドバンテージ フォー」深沢潮。
親しかったかつての幼なじみと大人になって予想外の再会を果たす二人は、胸の中に後悔と悲しみを抱えていた「ほねのおかし」柚木麻子。
他愛のない駄菓子にある懐かしい思いと記憶が混ざる「フレッシュガム」町田そのこ。
それぞれ雰囲気も色合いも異なるアンソロジー……なんですがよく新潮文庫nexで出したな? というちょっと薄暗いトーンの話も混ざっていて、何度も背表紙を確かめてしまった。
個人的には謎解き要素のある「消えもの」と、ラストに向かって体重が軽くなるように話も明るく軽やかになっていく「サクラ」、読みながら苦笑してしまうマウンティング合戦の「アドバンテージ フォー」が面白かったです。
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