読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
夢売りは請う。
「私は、夜明けを所望します」
夜の王は答えた。
「ならば、見せて貰おう」
夢売りが取り出したのは夢の結晶。
その中心が淡い緑の光を放ち——
「これは結晶化した女の『夢のような人生』」
地方領主の娘として平凡に生きるはずだったアイナの物語。(裏表紙より)
面白いと噂になっていた、『夢の上』シリーズをようやく読みました。
噂に違わぬ面白さ! ほんっと多崎さんの話素敵だなあ! 独特な世界観なのに読みやすいし、何よりお話がすっごくいい。登場人物の明るさと取っ付きやすさに、緻密な物語が隠されている構成が好きすぎてたまらない。
時空晶と呼ばれる結晶体が存在する世界。彩輝晶は、人の夢が形になったもの。叶わなかった夢の形。夢売りと呼ばれる者が、夜の王にその夢をきかせる。夢の持ち主たちが、その人生を語り始める。叶わなかった夢とともに。やがてそれは、サマーア神聖教国と、王と、影にまつわる出来事に結びついていく。
死影と呼ばれる魔の者と、それに取り付かれた者たちを邪教として迫害してきた歴史をもつサマーア。光神王は無能、騎士団もまた、人を守らない。外の世界では太陽が輝くというのに、サマーアの空は時空晶に覆われている……つまり、影が曖昧。だからこそ、影使いたちは、太陽の輝く外つ国に居場所を見いだせるんでしょうね。
翠輝晶は、領主の一族に生まれた少女アイナが、請われて嫁ぎ、夫と共に影使いとしての人生をまっとうする物語。
蒼輝晶は、有能で器用だからこそ、退屈を抱えたと騎士アーディンの、一途な思いの物語。
アイナの物語もすっごくとっても素敵でしたが、アーディンがやばい! いいよなー器用でなんでもできるのに、一番大切なもの、望んでいるものをどうしても手に入れることができない人って! のらくらして、女遊びも派手で、と言われているのに、ひたむきなところがある男の人っていいです。
面白かった! 続き続き!
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