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業多姫〈3之帖〉恋染月 (富士見ミステリー文庫)
「騒げば命がないと思え」
 首もとに突きつけられた短剣。
 鳴は言葉を失った。向けられた切っ先よりも冷ややかな、颯音の瞳に愕然としながら——。
 身に宿る力が恐れられない戸谷ノ庄で、しばしの安息の日々を送る鳴と颯音。だが、異能集団「狐」を裏切った颯音に対し、組織から刺客が放たれる。二人で生きると誓った言葉を真実にするため戦いに赴く颯音を、鳴は送り出す。
 信じているから。
 共に生きると約束したから。
 しかし、戦いを終えた颯音は、鳴に関する記憶の全てを失っていた——。
 時は五百年の昔、戦乱の世。なくしてしまった大切な想いを取り戻すための戦いが、始まった。(カバー折り返しより)

ここまで読んで、常々二人には安穏な日々が訪れないように思えていたのだけれど、最後の選択を見て、一所に落ち着けない宿命があるのだなあとひしひしと感じた。二人がそれを打ち壊せる日はくるんだろうか。
いつも交代で語られる物語なのですが、今回は鳴の視点での話が多かったせいか、颯音の思い悩むところが少なかったためかもですが、颯音が非常にかっこよく見えたのでした……。鳴も懸命な戦う少女だったし。一方で幼女に妬くのは恋する乙女の宿命だ……! と妙な電波を受信してました。嫉妬する一生懸命な女の子かわいいです。
戸谷ノ庄での物語が一段落し、次なる舞台へ向かう模様。続きも読もう。
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