読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ふとした日常の風景から、万華鏡のごとく様々に立ち現れる思いがある。慎ましい小さな花に見る、堅実で美しい暮らし。静かな真夜中に、五感が開かれていく感覚。古い本が教えてくれる、人と人との理想的なつながり。赤ちゃんを見つめていると蘇る、生まれたての頃の気分……。世界をより新鮮に感じ、日々をより深く生きるための「羅針盤」を探す、清澄な言葉で紡がれた28のエッセイ。(裏表紙より)
2010年の単行本の文庫化。元々は雑誌「ミセス」の連載。
十年以上前で梨木さんが言っていること、いま、まったくその通りという感じで、なんだかなあ……という気持ちになる。読んでいて、この本の世界の静謐さに対して、自分自身や世界の荒々しさ、どうしようもない状態に「わー!!」と叫び出したくなってしまった。こんな場所で生きていたいわけじゃない、でも、小さな花のようになんとかしていくしかないのかな……。
「五感の閉じ方・開き方」にあった、平松洋子さんの『夜中にジャムを煮る』が引用されていて、ああやっぱりあれ印象的だったよなあと嬉しくなってしまった。すごく心地よく作るし、食べるし、その空間を描く文章なんですよね。
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