読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「君が隠しているものをすべて、見せてごらん」母を事故で失い、ジュエリーショップを引き継いだ水本愁一の前に一人の男が現れる。それは、以前、母の葬儀の場にいあわせ、愁一に冷ややかな視線を向けてきた男だった。遠山紘貴と名乗るその男は、ある指輪を探してほしいと愁一に依頼する。——はたしてこれは偶然の出会いなのか。だが、愁一の本能が告げていた。この男は危険だ、と。やがて愁一は遠山の手によって自分の裡に潜んでいた欲望を知ることになり!?(裏表紙より)
色恋の面で派手だった母親とそっくりな容貌を持つ愁一が、ロシア人の血を引く美形の遠山と出会い、というBL。文体が重厚な印象で面白かったです。表現が耽美というか、使ってくる単語が凝ってて面白いなあと思って読みました。
母親に対する愁一のコンプレックス、トラウマを描いていて、「母と同じ血が流れている」という設定が、私は男女問わずとてもおいしくいただけるので、この話はとてもエロチックでした。すれ違いや勘違いはこういう話にはお約束だなあと思ったりもするけれど。
アンティークジュエリーについて描いてあるのがいいなと思います。本当に、BL小説は職業が面白いなあ。
主人公周りの登場人物は結構固められているわりに、最後おちなかったのがちょっと残念でした。おばあさまとか、いいキャラだと思うんですけど!
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