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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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いっちばん
捕まえられない掏摸の話を日限の親分から聞いた若だんな。一方で妖たちは若だんなを喜ばそうと三手に別れて街へ品物を探しに行く「いっちばん」。品比べをすることになった長崎屋と二店の物語「いっぷく」。若だんなを攫った天狗と狐の小競り合い「天狗の使い魔」。菓子作りの修行に出た栄吉は、後から入ってきたにも関わらず菓子作りの上手い八助に思い悩む「餡子は甘いか」。雛屋のお雛が現れるもその塗り壁化粧がなくて人々は目を剥き、その上婚約者のいるお雛に惚れる人物が現れて……「ひなのちよがみ」。

段々文章が幼い感じになってきている気がするんだけど、気のせいかな。
若だんなが相変わらず大事にされてるけど、今回は結構がんばった感じだと。かわいい話は表題作「いっちばん」。若だんなが愛されてる。なんとなく好きなのは栄吉が思い悩む「餡子は甘いか」。栄吉が苦しむのは切なかった。小気味よかったのは「いっぷく」。意外なラストでおおっと思った。
そしてそろそろ若だんなの恋愛面の話をー! 「ちんぷんかん」収録の「はるがいくよ」も良かったけどー!
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流れ星が消えないうちに (新潮文庫 は 43-1)
奈緒子は加地君が好きだった。加地君と付き合っていた。しかし突然の事故が二人を引き離し、一年後、奈緒子は巧君と付き合っていた。巧君は加地君の友達だった。半年が経って、二人の間では、加地君のことは決して口にしないようになっていた。それでも、二人で星を見るとき、ようやくその時が来る。

なんか、思った話と違った。思ったより感情的にならずに、淡々と日々を越えていく感じだった。
巧が、加地君と奈緒子の関係が好きだったんだろうなーというのが滲んでいた。奈緒子はとても好きだったんだろうというのが泣くシーンで爆発していた。それでも、何故か親身には来ないというか。その辺り不思議な空気感だった。
何にも解決しないように見えて、これから解決していくんだろうという、日々を少しずつ越えていく感じ。私としては恋愛小説というにはときめきポイントが少なくて少々薄い気がした。なので、この小説は、「生きる」日常を書いたものなんだろうと思う。忘れない思い出を持った人のための物語だ。
ちんぷんかん
若だんながあの世に行ってしまう!?「鬼と小鬼」。表題作「ちんぷんかん」は広徳寺にやって来た親子は縁談をまとめてほしいと秋英に頼みにくるが、実は親子は妖怪で。「鬼と小鬼」「ちんぷんかん」「男ぶり」「今昔」「はるがいくよ」の5編。

若だんな自身の切なさが染み入る「鬼と小鬼」。若だんなの純粋さというか綺麗さがよく分かる一編。
「男ぶり」はおかっつぁんとおとっつぁんの馴れ初め。
「今昔」は妖たちがわくわくする様が「つくもがみ貸します」のつくもがみたちと重なった。妖怪ってやっぱり悪戯好き。
「はるがいくよ」は切なかった。小紅とのこと、何より兄やたちの若だんなへの静かな思い。そして若だんなが抱く答え。いつか決めるときが書かれるんだろうか。
うそうそ
若旦那、旅に出る。
若旦那の喋り方は可愛い。というか若旦那そのものが可愛いという話をした。
若旦那の思いとお比女の思いが同調するというのが今回の話だったけれど、そういえば妖が見える人と何かというのはなかった。若旦那は見えることを厭っていないんだな。当然か。
人の業の深さよ……という話だった。そのうち、若旦那に、人間止めますかの問いが発せられそうな気がする。
つくもがみ貸します

江戸時代もののミステリーと義姉弟の一方通行ラブ。ときどきふっと出てくる一方通行と、語り口調にときめける。
清次がかっこいい。スマート。なのにお紅のことになると恋する青年。お紅はしっかりしているように見えるけれど、もうちょっと早く気づけーと思った。つくもがみたちも一癖あって、清次とお紅との攻防が楽しい。
喋り方や書き方が、優しく語られているようで畠中作品はすごく好き。「〜だよ」「〜かい?」とか。
ラストの「ああ、良い日だよ」がじんわりくる。
ページをめくれば (奇想コレクション)
五〇年代アメリカを代表する女性SF作家の短編十一作。子どもと日常的な非日常などを書いた作品を多く収録してある。《ピープル》シリーズ第十三作「忘れられないこと」は、ある女教師が一人の転入生で出会った事で不思議な体験をする。

原文は英語で、訳者がいるはずなのに、テーマや雰囲気など読んだ後のどこか薄ら寒い感じ、影のようなものを見た気がする。喋り方に特に現れていたように思います。
「先生、知ってる?」はすごく好きな作品。「先生、知ってる?」の一言は何かきらきらしたものが隠されているようで可愛いのに、その裏では現実がある、という差が読んでいてすごくいいと思った。
表題作「ページをめくれば」は感動的だった。ページをめくれば誰もが幸福になる。幸福になれると教えは、じいんと響いた。

「もう一度、希望と可能性と純粋の喜びにあふれた輝かしい魔法の朝を、胸をときめかせて迎えることができるとしたら、なにをさしだす? エボー先生はその方法を教えてくれた。わたしたちに約束と希望を与えてくれた。だれだって最後には幸福に暮らせると教えてくれた。だってそう書いてあるから。わたしたちはゆっくりとページをめくりつづければいいの。どうしてそうしないの?」
 「ページをめくれば」より


人生を物語に例えることはあるけれど、こうしてページをめくるという形で表現したこの一編、すごく感動した。
すごーく好きな作品だった。読めば読むほど染みる感じがする作品がたくさんある。
アン・ビショップ「紅玉の戦士」「翠玉の魔女」「灰色の女王」インヴィジブル・リングシリーズ
紅玉の戦士翠玉の魔女灰色の女王
光界(テリール)をほぼ全てを掌握する皇血族(ブラッド)。その多くは霊力を持つ宝玉を帯び、女王の階級を頂点に階級付けがされている。宝玉の色が濃いほど、その霊力は強い。
紅玉を持つ戦士ジャレッドは奴隷として制御の環を付け奴隷市に出された。彼を買ったのは冷酷無慈悲な〈灰色の女王〉グリゼル。グリゼルの治める領国デナ・ネヘルまでの旅路は、女王と奴隷たちで十三人。しかしそこへ〈灰色の女王〉を狙う大祭女ドロテアの魔の手が伸びた。

主人公のジャレッドが早速○○奴隷という凄まじい身分なわけで。男は女に仕えるものとなっているが、ジャレッドは主人殺しという忌むべき悪に手を染めてしまっています。でもあんまり気に病んでいない様子なのが気になった。ジャレッドたち奴隷が付けるという制御の環は、私としては孫悟空の金冠と同じだなという認識。はめてる場所がすごいけど。
取りあえず一巻ラスト周辺の「あんた、○○だな。(中略)○○なんだろう!」と叫ぶジャレッドに吹いた。そんなに怯えるか。
二巻では大掛かりなバトルが勃発するものの、表現が難しいんだろうなあと思った。
三巻は取りあえず最終巻なんだけど、長い戦いのひとときがようやく終わっただけという感じ。すごく駆け足で、ドロテア周辺が書かれていない。
それでだな!(いきなりテンションアップ)デイモンがエロいんだ! っていうかデイモン・サディ反則! いつ生まれるか分からない人を待ってるなんて! なにその健気さ。エロ魔人のくせに!(えがお) 長寿の彼の待つ時間を思うとときめきが止まらない。
おまけのこ (新潮文庫)
一人が寂しくて泣きますか? あの人に、あなたの素顔を見せられますか? 心優しき若だんなと妖たちが思案を巡らす、ちょっと訳ありの難事件。「しゃばけ」シリーズ第4弾は、ますます味わい深く登場です。鼻つまみ者の哀しみが胸に迫る「こわい」、滑稽なまでの厚化粧をやめられない微妙な娘心を描く「畳紙」、鳴家の冒険が愛らしい表題作など全5編。じっくりしみじみ、お楽しみ下さい!(裏表紙より)

しゃばけシリーズの第四巻。短編集。
「こわい」の悲しさよりも若だんなと栄吉の男伊達の話の方がときめいた。はっきりと言える栄吉も、誰かの為にと考えられる若だんなも素敵である。
「動く影」では子供がきゃいきゃいしているのが可愛かった。
一番好きなのは「ありんすこく」かな。まだ全然疎い若旦那。そういえばあんまり人とも接しないんだよな。でも心の動きが読める若旦那は男伊達があるよ! と思った。
若旦那がもし様々な事に接するようになったら、どうしてこんなに一生懸命なんだろうと考えたりするんだろうか。恋模様とかあったらいいなと思う。そうすればときめき成分が大量だ。
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Author:月子
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