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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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私の居場所はどこにあるの?―少女マンガが映す心のかたち
少女マンガに見る、女性たちの変遷。少女マンガの読者がどのように変化してきたか。
自分たちを肯定するヒーローが、理解すべき他人へ変化したとか、同性愛、特に男性同士、女性同士について述べて女性性への否定を見たり、少女マンガにおける家族の描き方が変わってきた、とか。社会における女性の在り方を、少女マンガから見たり、青年マンガから見たりと、とても幅広く論じていて、これはとても面白い読み物だった。著者が同人誌についても若干述べてあるところがいい。
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まんがキッチン
まんがをイメージしたお菓子を作り、まんがとフードの関係をエッセイとして書き下ろした一冊。
「ハチミツとクローバー」「のだめカンタービレ」「笑う大天使」「D班レポート」「はみだしっ子」「西荻夫婦」「くちびるから散弾銃」「いちご物語」「グーグーだって猫である」「天然コケッコー」「時をかける少女」「Landreaall」「エマ」「Under the Rose」「ベルサイユのばら」「放浪息子」「アラベスク」「舞姫 テレプシコーラ」「アナスタシアとおとなり」「Papa told me」「マルメロジャムをひとすくい」「おいしい恋グスリ」「西洋骨董洋菓子店」「百鬼夜行抄」「棒がいっぽん」「蟲師」「リトランテ・パラディーゾ」「コダマの谷」「トーマの心臓」「バルバラ異界」「Rさん」からイメージしたお菓子とそのレシピ、そして作中のフードについて論じている。更に、羽海野チカ、くらもちふさこ、よしながふみ、萩尾望都、それぞれの対談を集録。

本そのものも可愛いし、興味深いことがたくさんあって、すごく素敵な本だ。個人的に、入江亜季さんの「コダマの谷」を取り上げているところがポイント高いです。
少女漫画の中で、フードがどのようにして扱われているか。フードは何を示しているか、を語られているのですが、確かにその通りだ! と頷く。特に対談では、福田さんが、漫画家さんに、この作品ではこういう風にフードが使われていますね、というようなことを問われていて、まさに、フードと少女漫画の一冊! という感じでした。羽海野さんとの対談では、ちょっとだけジブリとフードについても語られていて面白かった。
侯爵と薔薇の花嫁 (角川ルビー文庫)
留学先の教授の紹介で、英国で最も美しいと名高い古城「薔薇の城」で住み込みバイトを始めた夕貴。高貴な美貌を持つ城主の侯爵・レヴィンは、大学で見かけて以来夕貴の密かな憧れの人だ。けれど、実際のレヴィンは複数の恋人を持つ遊び人だった。からかい混じりに自分を口説いてくるレヴィンに戸惑っていたある夜、話し相手にと招かれた彼の私室で、突然雷鳴が鳴り響く。驚いて思わず抱きついた夕貴を、レヴィンは意地悪く「誘うなら抱いてやろうか」と押し倒して…!?(裏表紙より)

ハーレさんでまだお目にかかったことのない無理矢理系だったよびっくりしたー。無理矢理でも、多少は「憧れ」という気持ちがあったのでまあそこまで無理矢理というわけではないのかもしれない。ここまで恋愛だけを書くジャンルもすごいよなーと何故か今日はしみじみ思う。
英国に留学している建築学科の大学生・夕貴と、侯爵・レヴィンのお話。最初に書いたように、びっくりなところから関係が始まる。夕貴にちょっかいをかけてくる貴族がいたり、身分や地位に固執するレヴィンの身内がいたりと、二人の関係は段々と深まっていく。
夕貴がかわいいです。レヴィンも男前です。ラスト周辺、決め手を打ったレヴィンが「ビジネスで手の内を明かすやつがあるか」と言った瞬間、「あーそうかーそうだよねー別に語らんでもいいよねー」とつい納得してしまったのが我ながらおかしかった。
パーティーガール (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
顔・髪型・服装すべてが地味でさえない図書館司書デイジー。34歳の誕生日の朝、彼女は心に誓う——負け犬から脱して結婚するのだ! ゲイの美容コンサルタントを得てクールな女に変身したはいいが、夜遊びデビュー早々、デートレイプ・ドラッグを捜査中の警察署長ラッソと鉢合わせ。マッチョで強引、理想とはかけ離れた彼に反発しつつ急接近するデイジー。が、ひょんなことから殺人事件に巻きこまれ……ロマンティック・サスペンスの女王が贈る抱腹絶倒の痛快作!(裏表紙より)

これは一応ハーレクイン系のロマンス小説と位置づけていいのかな(詳しくないのでなんとも)。だとしたらハーレクイン二冊目です。ロマンスの中に殺人事件が絡むお話。面白かった。
地味で冴えない34歳(!)のヒロインが大変身。このヒロイン、デイジーの言動が、どこか的が外れていておかしい。小さな街ということもあるけれど、●●●ー●をスピーカーおばさんのお店で買うとかな! 遊んでると思われたくて、という理由に噴いた。なんだかちょっとおかしくてかわいいぞ。しかもその買い物が後々までネタとして扱われて、噴いてしまった。
ヒーローのジャックはマッチョで強引な警察署長。バツイチ。真面目で初心なデイジーをからかうのを楽しみにしている。二人のやり取りが、どっちもいい年して子どもか! というレベルで面白い。喧嘩ップルかわいい。
ロマンティック・サスペンスと銘打っているけれど、デイジーが積極的に事件解決に乗り出すわけじゃなかったのがちょっと残念。地に足着いた女性なんだけど、もうちょっと活躍してくれても! おかしな言動だけじゃなく! と思う。
でも面白かった。
月虹のラーナ (コバルト文庫)
道化師のアルヴァンジェナ、売り子のジュデル、軍人のファーロン。不思議な遊園地で出会った三人は、人間のいなくなった世界で、「眠り」を探して旅に出た。彼らが唯一の手掛かりとするのは、古い言い伝え。遥か西にある〈眼〉は虹の生まれる場所で、同時にそこで「眠り」を司っているというのだが…。ノベル大賞を受賞した表題作に、書き下ろしの連作中篇を加えた、抒情ファンタジー。(カバー折り返しより)

「月虹のラーナ」「輝上の楽園」「貝の柩 海の底に」の中編三本を収録。表題作が一番SFファンタジーっぽくて、後の二編は不思議なファンタジーでした。
「月虹のラーナ」は、道化師と少女と軍人が旅をするというお話で、大人向けの童話のような印象でした。暗い世界を、止まった時間を、三人が延々と歩いているという光景が、ふわっと広がってくる。
「輝上の楽園」は、人物設定が神話世界のようで素敵だ。暁の公子、宵闇の姫、移り気で恋多き空族。ここでのファーロンがすごくひどい人でちょっとびっくりしました。
一番好きなのは「貝の柩 海の底に」で、これは人魚たちの物語。人魚世界を描いているのが、すごくときめいてしまいました。嵐の海で、沈みかけた船に歌いかけて男たちをさらう人魚たちの、妖艶で美しいこと。その後男性たちがどうなるかというのもさらっと書いていますが、そのさらっと加減がまた妖しくて好きだ。アンハッピーとあとがきにありましたが、一概にアンハッピーというわけでもなくて、ちょっといい話で終わっているところも好きな理由です。
若様組まいる (100周年書き下ろし)
江戸から明治に入って二十年。時が時ならば若様と呼ばれていたはずの長瀬たちは、これからの暮らしのため、巡査となるべく、教習所で訓練を受けることを決意する。その学舎では、長瀬たち若様組、薩摩組、静岡組、平民組と様々な派閥が生まれていた。果たして若様たちは無事に巡査となることができるのか。

面白かった! 『アイスクリン強し』の前日譚で、真次郎から離れて若様組が巡査になるまでのお話。明治の警察学校を舞台にした学園もの、という表現でいいのかな。
時代が変わり、人の身分が代わり、士族と平民など派閥が教習所にも生まれている。それぞれの身の上から巡査を目指す青年たち。若様組の個性も光っているけれど、教習所の同窓たちや、教師陣まで個性的で面白い。特に無能な所長や、理解のある教師、嫌味で贔屓があるくせに底知れないナンバー2の存在が楽しい。派閥を越えて訓練生たちが結束するところもすごくよかった。最後の大乱闘はすごく楽しかったし、学園ものとしてすごく楽しかったと思う。
個人的に沙羅ちゃんが好きなので、もっと出て! と思ったんですが、若様組もすごく楽しくて、続きがあれば読みたいなあと思いました。
マゼンタ色の黄昏―マリア外伝 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 いままで読みたくても読めなった、雑誌「Amie」に掲載された、幻の『マリア外伝』が大幅にボリュームアップして、ついに登場です。マリアよりも艶やかで狂おしい、エルザ、フランツ、ユリアの恋物語——。
 そしてもうひとつ、スペシャル企画として池上沙京先生のコミック版『マリア』も収録。豪華絢爛たるドイツ王朝絵巻……。ため息の出るような流麗なイラストを、存分にお楽しみください!! ロマンの世界へ、ようこそ!(カバー折り返しより)

『マリア』から遡って、そのマリアの親世代に当たる三人の恋物語。ハプスブルク家の娘としてハルバーシュタット公と政略結婚したエルザ。しかし公は六十歳の老人。しかしハルバーシュタットには宰相の若く美しく明晰な息子フランツがいた。かつて宰相家に仕え、エルザに仕えることになったユリアは、フランツの思いを胸に秘めている。ハプスブルクの女として、横暴に振る舞う夫に従順な妻であるエルザは、フランツへの思いを秘め、フランツもまたエルザに。
という三角関係と政略と歴史を感じるロマンスでした。『マリア』を知っていなくとも読めますが、やっぱり『マリア』も一緒に読んだ方が絶対に面白い。というのは、『マリア』では今ひとつ冷たいのかどうなのかよく分からなかった宰相(フランツ)の人となりが分かるからです。外伝を読むと、『マリア』の主役であるフリードリヒが、宰相と分かり合えたのではないか、と思っているところに深みが出てすごくいい! ほかに好きだったのはマリアがいる数少ないシーンで、エルザがマリアを愛おしんでいるところが一番胸に迫りました。
少女まんがの系譜
少女まんがの前史から始まり、わたなべまさこに始まった少女のためのストーリーまんがから、昭和の終わりまでの少女まんがの歴史を見る一冊。
その年に発表された、話題になった、作家の略歴と作品について軽く触れられています。また2004年までの年表もあり、2000年代は評価が難しいと思うので軽い感じではありますが、その年の話題作のようなものの連載年月号が書かれています。里中満智子、一条ゆかり、内田善美、くらもちふさこについてはエッセイのようなものがあります。
恩田陸『土曜日は灰色の馬』で少女マンガについて触れられていたのを読んでいたこともあって、そこから更に詳細な情報を得たという感じでした。
筆者の二上さんが、結構思いつくままに書いていらっしゃるような感じで、ある漫画家について触れる文章があったかと思うと、その後にその作家のデビューの年の話をされていたりと、結構あちこち飛びます。
けれども、興味深い一冊でした。年表がすごく便利そう。
チップス先生さようなら (新潮文庫)
霧深い夕暮れ、炉端に坐って回想にふけるチップス先生の胸に、ブルックフィールド中学での六十余年の楽しい思い出が去来する。腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な生活、美しく聡明だった亡き妻、大戦当時の緊張した日々……。愛情に満ち、しゃれの名人でもある英国人気質の老教師と厳格な反面ユーモアに満ちた英国の代表的なパブリック・スクールの生活を描いて絶讃された名作。(裏表紙より)

ものすごく好きでした。以前から名前だけは知っていて、外国のこういう話は合わないかもなあと尻込みしていたのですが、読めて、すごく、幸せだった。
長い間教師生活をし、引退後も学校の側で暮らして、生徒たちの訪問を受け入れていたチップス先生。多くの日々と多くの生徒を学校から見送り、そして時代にかれらを亡くし、今は炉端でその思い出にふけっている。一人でいるわけではなくて、チップス先生を知った現役学生が訪れることもあれば、チップス先生自身の中にはたくさんの生徒たちの思い出が残っている。それは、先生がかれらの名前を今でも口に出来るところで現れているように思います。
ラストがものすごく、定番なんだろうけれど、ぎゅっと胸を鷲掴みにされて、こうして愛された存在があるというのはものすごく嬉しくて泣けました。
美女と野獣 (角川文庫)
父の旅のみやげに一輪のバラの花を頼んだため、心優しいベルは、見るも恐ろしい野獣の住む城へ行かなければなりませんでした。さて、野獣は彼女に何を求めたでしょうか……。
詩人ジャン・コクトオが絶賛し、映画化したこの美しい幻想的な物語は、二百年も前に書かれながら今日も人々の心を捉えます。他に「三つの願い」等珠玉の十四篇収録。(裏表紙より)

古典的な児童文学(?)を読みたいなと思って手に取りました。読み聞かせるような穏やかな文体がとても心地よかったです。教訓的なお話ばかりなので、読む時が合わなければ鬱陶しいと思うかもしれないけれど……。
基本的には教訓とロマンスが多く、王様とお姫様、貴族の娘、仙女が登場する話です。心掛けを立派に、誰が見てなくとも神様が見ている、という西洋的な考えがよく現れた話ばかりだと思っていたら、解説を読むと話の元の元にあたる部分には民話があるよう。
「美女と野獣」以外は知らない話ばかりでしたが、面白かったです。
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Author:月子
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