読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

小中学生が覗く社会の闇!
メール依存、ネットいじめ、学校裏サイト、児童売春。
親や教師はどう対処したらよいか。(帯より)
2008年5月の本なので、ケータイ、PHSが論じられているだけで、スマホは影も形もない。進化ってあっという間だなあ……と思う。
プロフ、裏サイト、モバゲーなど、当時かなり話題に上ったものについて、大人向けに説明している一冊だったかなあ、と思います。インターネットのコンテンツのことなんて想像もつかない親たちに、子どもがどんな風にツールを利用しているのか、という。ギャル文字なんて懐かしいものにも触れられていましたが、未だに使っている子はいるのかなあ……。
スマホが普及した後の、こういう本を探して読んでみようかな。
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脳科学についての本なんですが、結局どういう本なのかと尋ねられると、ざっくりまとめるのが難しい……。昨今の脳科学ブームによる、脳科学への信仰みたいなものについてのぼやきとか、どんなことを実験しているのかとか、仮想空間についてとか、脳のはたらきがどんなものに関わっていくのかという話かな。
メディアが流す「これでなんでも説明がつく」という脳科学=ファンタジーみたいな図式になってる、というのになるほどなあと納得がいきました。私は文系脳なので、脳とかこころとか言われると、すごく万能で超兵器に転用されるみたいなイメージに繋がっていくので、サルの実験を通して、脳のはたらきを見つつ、社会性とはというものを観察していくのはとても興味深くて面白かった。目の動きで上下の立ち位置が表せるらしいと。なるほど……。

アラフォー、負け犬、女子力皆無。趣味は読書で仕事も読書。増え続ける体脂肪と減り続ける貯金に怯え、ひきこもりに拍車がかかる。そんな“だらしな書評家”が、日常の悩みや疑問を、クスリになる本の紹介と共にスッキリ解決! 共感&驚愕たっぷり、迷える女子人生の小さなバイブルになる、痛快エッセイ。〈文庫オリジナル〉(裏表紙より)
「FRaU」2002年3月12日号から2004年7月13日号に連載されていたものを加筆修正したもの。読んでびっくりしました。全然、古くない……。時事ネタはありますが、本の紹介も話題も、読みやすいしするっと入ってきてびっくりしました。
一回に、テーマに沿った三冊の本を紹介するエッセイ。日常の謎小説、青春小説、デブのためのデブ小説など、持ってくるテーマが身近かつ面白い! 紹介される本も、今も手に取りやすい話題の作家さんで(今、そういう書き手さんになっている方ばかりだというのが、すごい)、ああ、これ読んでみたい! と強く思いました。

軍が強大な力を誇るウェスハバート王国。史上初の女性医師を目指すケイトは、最難関の王立大学に入ろうと猛勉強中。だが突如、先の大戦で「英雄」と名高いイーノット少佐率いる部隊に、身柄を押さえられてしまう。彼らに、親友イライザが軍内部の機密を記した“棺の手帳”と共に行方不明だと知らされ、最後の目撃者ケイトは、大嫌いな軍人達と手を組むことに…!?
読者審査員の圧倒的支持獲得! 第10回小説大賞、読者賞受賞作!!(裏表紙より)
大戦後、軍が権力を持つウェスハバート王国で、ケイトは、失踪した親友イライザと彼女が持ち去ったという『棺の手帳』のために、狙われることになってしまった。ケイトを保護したのは先の大戦で英雄と名高いイーノット少佐と彼の率いる士官たち。イライザを探すため、ケイトは嫌悪する軍人たちと行動を共にする。
軍人さんたちが最初の方でたくさん出てくるので、アットホーム(?)な仲良しが見られるかと思ったら、後半は登場する人の数が少なくなって、ちょっと話の色が変わったような気がしたのが印象的でした。
しかし、ケイトは巻き込まれ型の正統派ヒロインだなあ。そこはじっとしていなさいよ! というところで動いてしまうという笑 正義感が強いというか、少女小説のヒロインらしいというか……。
少佐の台詞が甘ーい! でもこの人が軍人として有能なのかどうかが分からなかったので、もっと男前なところを見せてください! 軍人さんはもうちょっとストイックでもいいと思うのですよ!(私の好みです)

この店で、あなたの帰りを待っています。
小さな路地に隠れるようにある防具屋「シャイニーテラス」。店の女主人ソラは、訪れる客と必ずある約束をかわす。それは、生きて帰り、旅の出来事を彼女に語るというもの。ソラは旅人たちの帰りを待つことで世界を旅し、戻らぬ幼なじみを捜していた。
ある日、自由を求め貴族の身分を捨てた青年アルが店を訪れる。この出会いがソラの時間を動かすことになり——。
不思議な防具屋を舞台にした、心洗われるファンタジー。
第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作。(裏表紙より)
新米傭兵のアルフォンス、防具屋の女主人ソラ、その店のお客たちの連作短編。一人が次へ次へと繋がっていく話は、やっぱり面白いなあ!
ソラがだんだんとほどけていく感じがいい。冷たい人ではないけれど、ちょっと達観した様子なのが寂しくて。だからアルフォンスとのやりとりでちょっとずつ普通の人になっていくのが、なんだかかわいい。
私は、不器用な女騎士マリアベルがすきです。好きです! なんだソラとのやりとり! 女の子かわいい! ってなりました。
ちょっと文体や文章が独特で、呼吸の置き方に読み始めは戸惑いましたが、優しいファンタジーでした。

読者を謎解きに導く巧みなプロット。犯罪にいたる人間心理への緻密な洞察。一九世紀前半ごろ誕生した探偵小説は、文学に共通する「人間を描く」というテーマに鋭く迫る試みでもある。ディケンズ、コリンズ、ドイル、チェスタトン、クリスティーなどの、代表的な英国ミステリー作品を取り上げ、探偵小説の系譜、作品の魅力などを読み解く。(カバー折り返しより)
ミステリーとは、から始まり、謎、探偵小説、という表現を経て、英国古典探偵小説の変遷を辿っていく。
自分がこれほど探偵小説を読んでいないとは……! という悔しい気持ちでこれを読んでいましたが、いやそれでも、この本面白い。小説って、結局は人間を書くということになると思うのですが、探偵小説の醍醐味ってその人間学なのだな、と再認識しました。
やっぱり知っている作品について書かれているとのめり込んで読んでしまうもので、シャーロック・ホームズについては面白く読みました。

木内鈴鹿、二十五歳、OL。
無邪気な少女だった頃は、「いつか王子様が——」なんて夢見ていたけれど、大人になったいま、そんなのはお話の中のことだけだって理解している。
ほどほどの自分に合う、ほどほどの人と結婚して、ほどほどに幸せな人生を歩むと思っていたのだけれど……
誰もが憧れるイケメン上司から突然のプロポーズ!
いったい何がどーしちゃったの!?
しっかり者のOLとイケメン上司の、ほのぼの&まったりラブストーリー。(カバー折り返しより)
おっもしろかったー! 友人からのオススメだったのを二年越しくらいにようやく読んだんですが、ノリが軽くてすごく楽しかった! 読みながら、何故かドラマの「ホタルノヒカリ」が頭をよぎったんですが、多分ヒロインの脳内突っ込み「隊長!」のせいだ。
中編の連作。プロポーズと一夜だけの話が冒頭にあるんですが、これだけでも、会社での立場とかどういう環境かとか、話の裏もしっかり分かってすごいなあと思いました。オフィスもので、しっかり書いてあるものは面白い! ヒロインが実はしっかり人脈持ってたりするお約束的なところもしっかり踏んでて、いいなあ。
ただ、ノリがだめな人はだめかなーと思います。一人称なので、ヒロインが脳内ツッコミが激しいのと(「隊長! これが墓穴というものですか!?」みたいな感じのやら、はううう!? みたいな奇声が多い)、言動がちょっと子どもっぽいのと。読んでると、実はしっかり社会の荒波にもまれ、かつすれてないところが分かってくると思うんですが、でもしらけてしまう人は合わないと思います。
私は、すっごくすっごく楽しく読みました! 二巻も読もう!

舞台は遠く深海に広がる「海底国」。竜王の側室を務めていた秋茜は、その座を退き「火の一族」の次期当主・雷史のもとへ嫁ぐことになる。しかし自分よりも年上の妻を疎ましく思う夫とは、顔も合わさぬすれ違いの日々。ある晩、ふらりと立ち寄った夜闇の花畑でふたりは初めて言葉を交わし……
絵巻のような海底世界で繰り広げられる恋愛ファンタジー。(カバー折り返しより)
内容紹介から、てっきりヒロイン視点かと思ったら、ヒーロー視点でびっくりしました。いやしかし、政略結婚を男側から読むのって面白いなあ。
年上で、しかも元側室の女性を娶った、火の一族の若き跡継ぎ、雷史の、傍若無人で自分勝手な態度から、どんどんヒロインを振り向かせたい、笑わせたいと願うようになる、切なさがね! しかし冒頭の態度が子どもっぽい上に、他の女性との関係も描かれてしまっているので、しょっぱなは評価が低くなってしまうのだった。ヒロインはヒロインで、幸せなのか何を考えているのか分からない感じが、もうもどかしい!
最後はなんだかんだで幸せそうで何よりでした。

電車に揺られている私の膝の上には、楽譜が入ったキャンバストート。懐かしい旋律を奏でる彼の指が、私にたくさんのことを教えてくれる。雨の日に出逢った先生のもとへ通うのは、週に一度の金曜日。哀しく甘い、二人だけのレッスン。(帯より)
傷ついた女子大生、苑子は、誰も自分を知らないところへ行きたいとふらりと途中下車した駅の街で、懐かしい曲を奏でるピアノの音を聞く。誘われるように近付いたその家で、弾き手であった聡と出会い、不思議なことにピアノのレッスンを約束する。
雨の気配と、寂しさ、ほの暗さ。恋というよりも愛に近い、どろついた感情。雰囲気に満ちていて、すごくいい恋愛小説でした。こういう一人称、すごくいいなあ。読みやすいし、すごく綺麗。
アルファポリスさんのエタニティはライトですが、エタニティじゃない発行物は雰囲気あってセンスいいなあ。