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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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女伯爵マティルダ カノッサの愛しい人 (講談社X文庫)
 トスカーナの伯爵家に生まれ、何不自由なく暮らしていたマティルダ。しかし父の死を契機に運命は変わり始める。度重なる身内の不幸、襲いかかる苛酷な現実。絶望にうちひしがれそうになるとき、彼女を救ってくれたのは、いつも修道士イルデブランドだった。
 幼き日の初恋は、やがて揺るがぬ想いに深化する。「カノッサの屈辱」という歴史的大事件に秘められた真実の愛を描く、ヒストリカルロマンの新たな傑作。(裏表紙より)

ヒストリカルロマンを読むなら榛名しおりさんだよなあ、と思いながら読む。「カノッサの屈辱」に関係する、ひとりの女伯マティルダの幼少期からその日の出来事までを、少女の過酷な運命と恋に絡めて描いた一冊です。
必ずしも恵まれた人生であったわけではないけれども、マティルダは自分にとって誰がいちばん大切かを揺らぐことなく持ち続けられたことで戦えるのだなあと感じました。否応無しに領主になり、しかも本人はその重責を当然のことと受け止めている印象なのが、寂しくもあり眩くもあり。
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JKハルは異世界で娼婦になった
どこにでもいる普通の女子高生・小山ハルは、ある日交通事故に遭い――気づいたときには異世界に転移していた。チート能力も授けられず、男しか冒険者にはなれない状況で、ハルは生活のために酒場兼娼館『夜想の青猫亭』で働くことを決意する。だが男尊&女卑がはびこる異世界では理不尽なことも嫌なこともたくさんあって……。同じく現代から転移した同級生・千葉セイジ、娼館で働くルペやシクラソ、一途にハルに思いを寄せるスモーブとの出会いを経て、異世界に溶け込みはじめたハルを待ち受けていた過酷な運命とは……。
ウェブ上に掲載され、絶賛を受けた異色の異世界転生小説が待望の書籍化。(裏表紙より)

すっごい力を持った作品で、一気読みしてしまった。すごかった。面白かった……。
異世界の風俗嬢になった女子高生ハル。一方同時転移した根暗な男子高生千葉は、チート能力を使ってお金を稼いでいる。春を売るシビアさと異世界の男尊女卑の価値観が混じり合うと、えぐいのにおかしく、おかしいけれど涙が出るような……。よくこの作品を書いてくれた! という気もするし、よく世に出たな……とも思う。
異世界転移ものとしても決めてくれるところは決めてくれて、この先がどうなるのか続きが気になるなあ……と思うけれど続きが出ると蛇足感が出そうだ。
卑猥な単語がびゅんびゅん飛び交うので、18歳以上の方におすすめします。
ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)
——ボクは、絶対に生きのびる。
透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、『アフター』。
セイラー服を着た14歳の少女アキは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。
ある日、オウムガエルのキーちゃん船長を携えたアキは、航行中に恐るべき『白い嵐』に遭遇、船を失って浮島に取り残されてしまう。
そこは、見渡す限り青い海が広がる孤立無援の島だった……。
アキとキーちゃん船長の、『生きるための戦い』が始まる。(裏表紙より)

文明のほとんどが滅び、人が住む場所は海の上となった。『アフター、すべての国境(ボーダー)は水平線(ホライズン)になった』という一文がすべてを現していてめちゃくちゃ好きです。世界が滅びて、人もほとんど出てこないけれど、少女の青春物語が描けているのはすごいなあ……!
最初は生きるか死ぬかのサバイバル、その次は少女たちの青春、そうして戦い。海洋ロマンがたっぷり詰まった作品だなあと思いました。最後がちょっとばたばたと畳みすぎかなあという気がしたんですが、これからも旅は続く感じが最後まで広々と感じられて楽しかった。
サラの柔らかな香車 (集英社文庫)
プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ——。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。第24回小説すばる新人賞受賞作。(裏表紙より)

プロ棋士を諦めてパチプロで生活している瀬尾は、金髪碧眼の少女に出会う。ふとしたことから彼女に将棋の指し方を教えた瀬尾だったが、サラはやがて「未来の将棋」を指す才能を開花させる。なんとなく少年少女の話かと思ったら、やさぐれた男が素晴らしい才能を持つ少女とともに将棋界に挑むような話でした。このサラというのも言葉の発達が遅く共感覚の世界で生きている特殊な女の子。サラの気持ちが読み解けないので不思議な読み心地でした。、「才能ってなんだ?」と問いかけられた、年齢も立場も違う三人の女性たちが、将棋という盤面に描かれる世界に挑む話だったのかな。
スクールカーストの正体: キレイゴト抜きのいじめ対応 (小学館新書)
「子どもたちに、今、何が起きているのか」を、これ1冊で俯瞰できる、血の通った「現場」のスクールカースト論。
現役中学校教師である著者は、「スクールカーストの決定要因は、コミュニケーション能力だ」とその本質を喝破、「LINEはずし等の現代型いじめ」や「キレて暴れ出す子どもたち」等、リアルなエピソードの背景にあるものを読み解いていきます。
機能する「いじめ対応」とはどうあるべきかを提案する最終章は、教育関係者ならずとも、必読です。今後、本書を抜きにして「いじめ対応」は語れません。(カバー折り返しより)

教師の視点から見るスクールカーストと、それに起因するいじめ、その対応。なるほどできる先生ってそういうところを見てそういう風に対応するのね、と思いました。
スクールカーストを形成する子どもたちのタイプを、自己主張力・共感力・同調力の高低から八つに分類しているのがすごくわかりやすかった。ああ私このタイプの子どもだったなあ、と。
子どもたちだけでなく教師のカーストについても割かれてあり、教師の評価は相対性なんだなあということもわかりました。
月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! (コバルト文庫)
十七歳の貴志子は、親子ほどに歳が違う恋人の有実から、彼の娘の晃子を預かってほしいと頼まれた。晃子は十五歳。気が進まなかった貴志子だが…? 表題作『月の輝く夜に』のほか、同じく文庫未収録作品『少女小説家を殺せ!』『クララ白書番外編 お姉さまたちの日々』を収録。そして文庫・単行本で134万部を記録した不朽の名作『ざ・ちぇんじ!』上下巻を併せた、氷室冴子ファン必読の一冊!(裏表紙より)

「月の輝く夜に」「ざ・ちぇんじ!」「少女小説家を殺せ!」「クララ白書番外編」を収録。合本なので653ページと少女小説ではなかなかお目にかかれないレベルで分厚いです。
「ざ・ちぇんじ!」はとりかへばや物語を下敷きにしたもので、久しぶりに読みましたがめちゃくちゃ面白かったです。コミックス版も読みたくなってしまった。
冒頭に収録されている「月の輝く夜に」は打って変わって静かな作品で、文章の美しさや物悲しい雰囲気などを堪能しました。愛と憎しみと侘しさを感じて、「ざ・ちぇんじ!」のカラーを想像して読み始めるとおや? と思ったんですが、めちゃくちゃ綺麗でした。
『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』を読んだからか、「少女小説家を殺せ!」も「クララ白書」も別の視点から読めた気がしました。
そして生活はつづく (文春文庫)
携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。巻末に俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。(裏表紙より)

『働く男』よりもこっちのエッセイ集の方が好きだなあと読み終わって思いました。だいたいがお腹痛いとうんこときんたまの話でじわじわくる。
というかお母さんのようこさんが面白くてお腹つるかと思った。楽しい人だなあ。いたずらを仕掛けられた子どもの側としてはたまったものじゃないかもしれませんが、学校に行くたびに落ち込んでいく息子のために(でも恐らくはその場の思いつきだろう)いたずらを仕掛けるお母さん楽しい。
ハルさん (創元推理文庫)
(瑠璃子さん……今日はね、ふうちゃんの結婚式なんだよ。まさか、この僕が「花嫁の父」になるなんて……)結婚式の日、ハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った五つの謎を。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった——児童文学の気鋭が、頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴った快作!(裏表紙より)

娘のふうちゃん(風里)が結婚するその日、父親であるハルさんが、幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生のときに起こった五つの謎とお話を回想する。児童文学を書かれる方ならではの優しい語り口で、特に幼いふうちゃんの言動が子どもらしくてかわいい! 父親のハルさんは人形作家で、親としては頼りないところからスタート。少しずつ成長していくのがわかっていいなあ。
そんなハルさんが「どうしよう!」となったとき、語りかけてきてくれるのは亡くなった奥さんの瑠璃子さん。ずっとふうちゃんを見守ってくれていたんだなあというのが最後のシーンでわかって、ハルさんの回想も相まって胸がいっぱいになりました。
スピリット・リング (創元推理文庫)
魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃のフィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ“死霊の指輪”に囚われようとしていた! 黒魔術から父を守るために、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。(裏表紙より)

ルネサンス時代の少女と少年の、指輪と霊をめぐるファンタジー。
女の子ゆえに魔術の道に進めないながらも、才能を発揮するフィアメッタは炎の性質を持つ。憧れの近衛隊長ウーリの弟トゥールはスイスで鉱夫をやっており、地精(コボルト)を見ることができる。モンテフォーリア領を奪おうとしているロジモ公フィランテと書記官ウィテルリは、霊を捉えて指輪に閉じ込める死霊の指輪を作ろうとしていた。そんな彼らから、父親の霊、兄の霊、モンテフォーリアを救出する。
序盤で語られているウーリの像うんぬんが、最後にこう生きてくるとは!
どちらかというとトゥールがメインのお話だったように思うので、フィアメッタがこれでもかと活躍してほしかったなあと思いました。でも最後は楽しそうでよかった。
ネバー×エンド×ロール―巡る未来の記憶 (メディアワークス文庫)
初夏の北海道から始まる青春タイムトラベル物語
 この街は壁に囲まれている。札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は厚く高い壁の中にすっぽり収まっていた。
 そんな街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抱いている。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀な脱出作戦を計画するが……ある夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて——!?
 一人の少女が巡る三つの暦。壁に秘められたナゾを紐解く、青春のロスタイムストーリー。(裏表紙より)

壁に囲まれた街、札幌。壁を越えて外の世界へ行くために飛行機を作った駆、勇夢、夏月の三人だったが、そこへ空から少女こよみが落ちてくる。彼女は高いところから落ちると過去へ飛ぶことができる能力者だという。
過去へ駆けることができるのはこよみだけで、他の三人は未来に向かって進んでいく。大人になった彼らは街を囲む壁と、やがて街を飲み込むほど巨大な塔の秘密を知るようになる。青春ものかと思いきや終末世界もの。四人だけの話というのがちょっと残念なくらい、奥行きのある話だと思うんですが、いやあ落下する少女っていいなあ。
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Author:月子
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