忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16
スクールカーストの正体: キレイゴト抜きのいじめ対応 (小学館新書)
「子どもたちに、今、何が起きているのか」を、これ1冊で俯瞰できる、血の通った「現場」のスクールカースト論。
現役中学校教師である著者は、「スクールカーストの決定要因は、コミュニケーション能力だ」とその本質を喝破、「LINEはずし等の現代型いじめ」や「キレて暴れ出す子どもたち」等、リアルなエピソードの背景にあるものを読み解いていきます。
機能する「いじめ対応」とはどうあるべきかを提案する最終章は、教育関係者ならずとも、必読です。今後、本書を抜きにして「いじめ対応」は語れません。(カバー折り返しより)

教師の視点から見るスクールカーストと、それに起因するいじめ、その対応。なるほどできる先生ってそういうところを見てそういう風に対応するのね、と思いました。
スクールカーストを形成する子どもたちのタイプを、自己主張力・共感力・同調力の高低から八つに分類しているのがすごくわかりやすかった。ああ私このタイプの子どもだったなあ、と。
子どもたちだけでなく教師のカーストについても割かれてあり、教師の評価は相対性なんだなあということもわかりました。
PR
月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ! (コバルト文庫)
十七歳の貴志子は、親子ほどに歳が違う恋人の有実から、彼の娘の晃子を預かってほしいと頼まれた。晃子は十五歳。気が進まなかった貴志子だが…? 表題作『月の輝く夜に』のほか、同じく文庫未収録作品『少女小説家を殺せ!』『クララ白書番外編 お姉さまたちの日々』を収録。そして文庫・単行本で134万部を記録した不朽の名作『ざ・ちぇんじ!』上下巻を併せた、氷室冴子ファン必読の一冊!(裏表紙より)

「月の輝く夜に」「ざ・ちぇんじ!」「少女小説家を殺せ!」「クララ白書番外編」を収録。合本なので653ページと少女小説ではなかなかお目にかかれないレベルで分厚いです。
「ざ・ちぇんじ!」はとりかへばや物語を下敷きにしたもので、久しぶりに読みましたがめちゃくちゃ面白かったです。コミックス版も読みたくなってしまった。
冒頭に収録されている「月の輝く夜に」は打って変わって静かな作品で、文章の美しさや物悲しい雰囲気などを堪能しました。愛と憎しみと侘しさを感じて、「ざ・ちぇんじ!」のカラーを想像して読み始めるとおや? と思ったんですが、めちゃくちゃ綺麗でした。
『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』を読んだからか、「少女小説家を殺せ!」も「クララ白書」も別の視点から読めた気がしました。
そして生活はつづく (文春文庫)
携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。巻末に俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。(裏表紙より)

『働く男』よりもこっちのエッセイ集の方が好きだなあと読み終わって思いました。だいたいがお腹痛いとうんこときんたまの話でじわじわくる。
というかお母さんのようこさんが面白くてお腹つるかと思った。楽しい人だなあ。いたずらを仕掛けられた子どもの側としてはたまったものじゃないかもしれませんが、学校に行くたびに落ち込んでいく息子のために(でも恐らくはその場の思いつきだろう)いたずらを仕掛けるお母さん楽しい。
ハルさん (創元推理文庫)
(瑠璃子さん……今日はね、ふうちゃんの結婚式なんだよ。まさか、この僕が「花嫁の父」になるなんて……)結婚式の日、ハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った五つの謎を。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった——児童文学の気鋭が、頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴った快作!(裏表紙より)

娘のふうちゃん(風里)が結婚するその日、父親であるハルさんが、幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生のときに起こった五つの謎とお話を回想する。児童文学を書かれる方ならではの優しい語り口で、特に幼いふうちゃんの言動が子どもらしくてかわいい! 父親のハルさんは人形作家で、親としては頼りないところからスタート。少しずつ成長していくのがわかっていいなあ。
そんなハルさんが「どうしよう!」となったとき、語りかけてきてくれるのは亡くなった奥さんの瑠璃子さん。ずっとふうちゃんを見守ってくれていたんだなあというのが最後のシーンでわかって、ハルさんの回想も相まって胸がいっぱいになりました。
スピリット・リング (創元推理文庫)
魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃のフィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ“死霊の指輪”に囚われようとしていた! 黒魔術から父を守るために、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。(裏表紙より)

ルネサンス時代の少女と少年の、指輪と霊をめぐるファンタジー。
女の子ゆえに魔術の道に進めないながらも、才能を発揮するフィアメッタは炎の性質を持つ。憧れの近衛隊長ウーリの弟トゥールはスイスで鉱夫をやっており、地精(コボルト)を見ることができる。モンテフォーリア領を奪おうとしているロジモ公フィランテと書記官ウィテルリは、霊を捉えて指輪に閉じ込める死霊の指輪を作ろうとしていた。そんな彼らから、父親の霊、兄の霊、モンテフォーリアを救出する。
序盤で語られているウーリの像うんぬんが、最後にこう生きてくるとは!
どちらかというとトゥールがメインのお話だったように思うので、フィアメッタがこれでもかと活躍してほしかったなあと思いました。でも最後は楽しそうでよかった。
ネバー×エンド×ロール―巡る未来の記憶 (メディアワークス文庫)
初夏の北海道から始まる青春タイムトラベル物語
 この街は壁に囲まれている。札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は厚く高い壁の中にすっぽり収まっていた。
 そんな街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抱いている。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀な脱出作戦を計画するが……ある夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて——!?
 一人の少女が巡る三つの暦。壁に秘められたナゾを紐解く、青春のロスタイムストーリー。(裏表紙より)

壁に囲まれた街、札幌。壁を越えて外の世界へ行くために飛行機を作った駆、勇夢、夏月の三人だったが、そこへ空から少女こよみが落ちてくる。彼女は高いところから落ちると過去へ飛ぶことができる能力者だという。
過去へ駆けることができるのはこよみだけで、他の三人は未来に向かって進んでいく。大人になった彼らは街を囲む壁と、やがて街を飲み込むほど巨大な塔の秘密を知るようになる。青春ものかと思いきや終末世界もの。四人だけの話というのがちょっと残念なくらい、奥行きのある話だと思うんですが、いやあ落下する少女っていいなあ。
【2015年・第13回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】女王はかえらない (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる——。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(裏表紙より)

ルルル文庫の「横柄巫女と宰相閣下」シリーズなどで知られる鮎川はぎのさんの別名義の作品。解説で知ったんですけれども、高瀬ゆのかさんも別名義なんですね。
降田天さん名義の本作は、小学三年・四年生のある教室での女子の争い(スクール・カースト)から端を発した、夏祭りのある事件をめぐる話。第一部子どもたち、第二部教師、第三部真相の三部構成です。
第一部のマキとエリカの争いが描かれる一方、小競り合いにきっかけになる行動を起こしているのは誰か、語り手の真意はなど、いろいろと仕掛けている感じだなあということがわかるのですが、第二部、第三部と読んでそこまでしてしまったか! と嫌な気持ちになったのはすごかった。なんらかの方法でマキの口封じをしたんだろうとは思ったんですが、そこで「クラス」という生き物が動くのか……ため息してしまったわ……。
そして大人になっても本当に幸せにはなれない人たちがいる。描かれてはいなけれども、四年一組の人たちは絶対どこかに欠陥を抱えて生きているんだろうな……。
ゼンダ城の虜 (創元推理文庫 F ホ 4-1 Sogen Classics)
戴冠式を目前に控えたルリタニア王国にただよう陰謀と邪恋の暗雲。王位の簒奪を狙う王弟ミヒャエル大公とヘンツオ伯爵。風雲急を告げる王国の渦中に、偶然とび込んだ国王に瓜二つの英国の快男子ラッセンディルの数奇な三カ月の大冒険。〈剣と恋〉〈義侠と騎士道〉の華ひらく絢爛たる世紀末の宮廷大絵巻。正編と併せて、続編『ヘンツオ伯爵』を収録する。(標題紙より)

ルリタリアの国王戴冠式の前日、ラッセンディルは同じ名前で血のつながりのあるルドルフ国王と交流を持つ。だが酒に薬が混ぜられており国王は昏倒。ラッセンディルは周囲と協力して国王の身代わりを務めるが、その後国王が王弟に囚われて再び入れ替わることができなくなってしまう。という国王を救出して入れ替わりを終了する「ゼンダ城の虜」
その「ゼンダ城の虜」において王妃フラビアと密かに恋仲になっていたラッセンディルだが、二人のやりとりを証明する女王の手紙を、王弟ミヒャエルの側近であったルパート・ヘンツオに奪われてしまう。その手紙を取り戻すために、身代わり劇に加担したフリッツとサプトは奔走し、ラッセンディルもやってくるが……という「ヘンツオ伯爵」。
評判的には「ゼンダ城の虜」の方が有名で評価も高いようなのですが、私としては「ヘンツオ伯爵」までも含めて好きです。悲喜劇として面白いなあと思いました。「ヘンツオ伯爵」でまさか国王がああなるとは……。そして最後にもまたばったんと裏返って、「おおー……」しか声が出なかった。いろいろと予定調和なところがこういう作品は面白いと思っているので、最後まで興味深く読みました。
子羊寮の夢見る狼と苺姫 (一迅社文庫アイリス)
「俺とキスしない?」
赤い頭巾がトレードマークの少女、アチカ。彼女が幼なじみから押し付けられたのは、寮生の願いを叶えないといけないという不思議な『子羊寮』の世話係だった。
けれど、たった一人の寮生・オズマリアは、顔はいいのに出会い頭にキスを求めてくる変態男! なんとか寮母をやめたいアチカは、彼に嫌われようとするけれど、オズマリアには不思議な秘密があって…?(裏表紙より)

僧兵として、聖教府から重要人物認定されている人物たちが集う子羊寮の寮母になったアチカ。現在の寮生はただひとり、片目が赤いオズマリア。その彼に出会い頭に「キスしない?」と言われたアチカだったがもちろん受け入れられるはずがなく。
「心を満たされる」ことがキーワードになっていて、心が満たされた瞬間、オズマリアには死が訪れるということが明らかになると、逃げ回っていたアチカが彼を満たしてはいけないと心配して距離を置いたりなどするのがかわいい。過保護すぎる兄と義弟(というのか幼馴染というのか)もいて、義弟のルキアンが入寮したのにはおおっと思いました。意外と火薔薇持ちが多いのかもしれないなあと思うと、世界観が面白いなあと思ったり。
ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。(裏表紙より)

「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の四つの短編が収録されています。画家のギスギスした話かと思っていたんですが、どれも画家本人ではなく別の人物の視点から描いたもので、柔らかい光を感じるものもあれば、影が残る話も、寂しいような気がすることもありました。
表題作の「ジヴェルニーの食卓」が一番好きかなあ。食卓が象徴するもの、家族、平穏といったものがじわじわと感じられて。絵画や彫刻など芸術作品を愛することはもちろん、語り手であるブランシュはモネその人と彼のつくる空間を愛しているのが伝わってくる。そして料理をする自分はその一部であることを感じているのではないかなあ、とか。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]