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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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和桜国のレディ ~淑女は一日にしてならず~ (ビーズログ文庫)
桜の化身とされる女王が治める和桜国。“いろは”はその日が女王の観桜会と知らず、桜の枝を切ろうと騒ぎを起こして捕らえられてしまう。罪を償う代わりに「女王に謁見できるようなレディ」となるよう告げられたいろはは、宮廷魔術師である強面の男・紫乃宮圭人の邸で淑女教育を受けることに。まずは読み書きからいろはのレディへの一歩が始ま…る!?(裏表紙より)

和風ファンタジー風味マイフェアレディ。大正時代を思わせる和風世界に、孤児の少女が伯爵によって育て上げられ、恋を成就させるお話。
全体的にふわふわと優しく、児童向け小説のよう。大正時代、孤児の少女がレディへ、将来有望の少年と女装男子、お店を持ち、女王陛下に認められ、恋を成就させ……少女が夢見る要素がふんだんに詰まっています。なのでひたすらヒロインが幸せになるお話になっており、若干かわいそうなままの人が……。
少女漫画を小説に起こした印象のままの登場人物がいるのですが、この真希子さん、好きだなあ笑 この人が活躍するところを見たかった。
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薔薇の泥棒と宝石の王女 (角川ビーンズ文庫)
今は昔、難攻不落の王城から、ひとりの少女が盗み出された。——やがて時は流れ。「宝石の王女を手に入れる者は、世界を制する」。その言葉以外、すべての記憶を失ったアレックスという青年がいた。身元引受人として彼を迎えに来たのは、天才・美女・乱暴と三拍子そろったジーンクレア博士。何者かによって消されたらしいアレックスの記憶はやがて、世界を巻きこむ陰謀に絡んでいき……? 愛が加速する、華麗なる冒険小説!!(裏表紙より)

こういう軽妙なSFみのある現代ものって本当に見なくなったよなあ。
何者かによって記憶が消された〈逃がし屋〉の優男、アレックス。天才的頭脳を持つ女博士ジーンクレア。アレックスの記憶や、ジーンの研究を巡り、様々な人間が彼らを狙ってくる。果たして消された記憶に何があったのか。
完全に人間の少女の姿をしている管理コンピューターの人形(パペット)ローダンテや、オネエ言葉で喋る自操船など、結構近未来的な世界観なんですが上手にマイルドになっていて、上記あらすじにある、ひとりの少女が盗み出されたことと「宝石の王女」なる言葉からは想像できないストーリーになっていて、不思議な読み心地の作品でした。
宝石姫は微笑まない。 (一迅社文庫アイリス)
ルディーン王国の王族は、石の声を聞き石の花を咲かせることができる——。前国王の血を引くファーラは、追っ手の目を逃れ寒村で身分を隠し暮らしていた。そんなある日、彼女の前に2人の傭兵が現れる。隣国の王子である許婚の元に彼女を送り届ける密命を受けた彼らと、ファーラは旅立つことになるが…。無口な大剣使い・ダリオンとクセのある性格の剣士・セルツァ。孤高の姫君と2人の傭兵が織りなす宝石ラブファンタジー開幕!(裏表紙より)

久しぶりにこういう正統派な恋愛ファンタジーを読んだ気がする、と思ったんですが、2010年の作品なんですね。流行は変わるものだなあ。
王家の生き残りであるファーラは愚鈍な娘として潜伏していたが、ある日二人の傭兵が迎えに来る。ファーラは石の声を聞き、その石が見た過去の光景を見ることができ、さらには鉱物を成長させることのできる「宝石姫」。しかも自分を守ってくれた騎士の薫陶を受けて剣の腕を磨き、強く美しい女性となった。
……そんな完璧な王女であるセラティファーラが、無骨な傭兵ダリオンと、国に送り届けられるまでに恋に落ち、一人の女性となる物語。いやあ、やっぱり身分差の恋っていいなあ。互いに誇り高いからこそ選べない、選んではいけないっていう葛藤が好きだ。
当て馬的になるかと思ったもう一人の傭兵セルツァは、最初から最後まで本当にいい人でした。彼も幸せになってほしいなあ。
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
夫と別れ、離婚を話し合っていた著者は、出会い系サイト「X」で出会った人に本を薦めるのはどうだろうかと考えた。30分間会って話し、相手にぴったりな本を探してお勧めする中で見えてきた自分の気持ちとは……。

すごく面白かった! エッセイなんだけど小説みたいな構成だったなあ。すごくリアルで、身近で、この感覚知ってるという気持ちになった。
出会い系サイトだからまあそういう、ヤリ目とか変な人の闇みたいなものに遭遇しつつも、この人と仲良くなれるかもと思って実際にやり取りが続いたり、新しい世界の扉が開けていく感じがすごくいい。出会いの母数が増えると世界がちょっとずつ広がるんだよなあ、わかる。
出会い系サイトから始まって、出会いが別の形で繋がって、イベントをやってみたりなどして、と普段の自分の世界にないことが次々と展開されていったのがすごく素敵だし羨ましい。ささやかでも変化を楽しめるっていいことだ。大きな問題に区切りをつけるには、そうしたところで力をもらうといいのかもしれないなと思った。
むかしのおしゃれ事典―名作でひもとく古きよき日本のよそおい
文学作品に登場する数々の服飾。いまでは伝わりにくくなったそれをイラストでざっくり解説。
民族衣装の本はよく読むのですが、明治辺りから昭和にかけての服装についてはあまり調べたことがなかったので面白く読みました。和装の章と洋装の章があり、着物の項もあれば生地の項、インバネスや帽子など小物の項もあり、楽しかった。できれば写真ででも見たいなあ。
ねらわれた女学校 セーラー服と黙示録 (角川文庫)
閉じ込められた! 島津今日子がひとり目覚めると、そこは永遠にループする「無限階段」でできた異世界だった。同時に、同級生のみづきと茉莉衣もまた、無限階段にとらえられていて……3人がそれぞれの探偵術と個性から導き出した、3種類の脱出方法とは? 表題作を含む、全寮制探偵養成学校「聖アリスガワ女学校」で起きた4つの悪魔的事件。ミッション・スクールとカトリック教会を舞台に、少女探偵の活躍を描く珠玉の短編集。(裏表紙より)

本編を読むことなく読んでしまいましたが、キャラクターの個性が強い少女探偵三人組のお話でした。絶海の孤島、ミッションスクール、ヴァチカンなど一つ一つの要素が強いのによくここまで合わせて煮込んだなあ。
盗まれたと思われるロザリオの行方を追う「きえたロザリオ」。吸血鬼をどうやってこの島から脱出させるか考える「とらわれた吸血鬼」。禁断の儀式を実行したとして捕まった三人の無実を証明する「あらわれた悪魔」。そして内容紹介にある「ねらわれた女学校」。四つの短編が収録されており、表題作は多分本編である『セーラー服と黙示録』と絡んでいる模様。学校の目的と敵対組織と、モリアーティを連想させる教授とやらはいったいなんなんだ。
キャラクターも濃いですが文章も個性が強く、面白く読みました。こういう振り切ったキャラ設定、嫌いじゃないぜ。
キャバ嬢の社会学 (星海社新書)
一流大学に通う筆者は、女らしさを売りにするキャバ嬢たちを“そうするしかない人たち”と哀れみ、自分とは違うと決めつけていた。しかし、ある時知人に「彼女たちもあなたも変わらない、違うと思っているなら、それはキャバ嬢を差別しているだけだ」と指摘され、愕然とする。真相を確かめるべく潜入したキャバクラは、想像以上の“魔窟”だった。女の矜持を刺激するランキング、“全て自己責任”のセクハラ対策、“素人性を売りにするお水”という矛盾。予想通りのくだらなさを感じつつ筆者は、徐々に夜の世界に“ハマる”想定外の自分に気づく……。キャバクラとは、病みとは、女とはなにか。86年生まれの俊英が送る、“武器としての社会学”!(カバー折り返しより)

自らの女性性を売り物にはできない、少々こじらせた著者が、女性性を売りにする現場であるキャバクラで自ら働き、感じたこと、知り得たことをまとめた一冊。
著者のこじらせ問題に決着がついたとは思えなかったのですが、キャバクラというシステムを内側から見てみるとこういうお店の虚しさと魅力がわかるような気がします。性別を売り物にするってすごく簡単なことで、根深いものがあるなあと思わせる。完全に、こういう社会であるということから生まれ、続いているものなので、こういうものは永遠になくならないんだろうし、形を変えて私や子どもたちに襲いかかるのかな、と想像する。価値観って難しいなあ……。
ファミコンに育てられた男
小学校入学を三日後に控えたその日、母が亡くなった。父親は新しい恋人の元へ身を寄せ、残された自分は父親から与えられる食費を手に、ゲームを買い漁った。親の束縛がない日々でやり込んだゲームの数々に「育てられた」のだと思う。著者の過去を交えてファミコンソフトを語る一冊。

冒頭からだいぶと重い少年時代を過ごした、ということが書かれているんですが、随所に闇が。しかし父親に見捨てられたっていうのは心の傷以外にはならないよなあ。収集癖が思い出に固執しているんだろうっていう自己分析も、すごく胸が痛い。
プレイした思い出とともにファミコンソフトを語る一冊で、「スペランカー」「高橋名人の冒険島」「マニアックマンション」など有名どころも押さえつつ、あんまりよく知らないなっていうソフトも挙げているのかな? あまり詳しくないのですが、私はこのタイトル聞いたことないなって作品もありました。
フジタさんの経歴が、芸人をやって、辞めた後タクシードライバーなどをやって、また芸人として活動中だそうで。ファミコン芸人として活躍っていうところになんとなく時代を感じるなあ。こういうのを一芸に秀でるっていうのかな。
拝啓陛下、2度目の王妃はお断り! (角川ビーンズ文庫)
強引な政略結婚で若き国王の第二妃についた侯爵令嬢・アリシア。だが国王夫妻は突然崩御し、王弟の美少年・ジュリアンが即位した。荒れた国が元に戻るまで、という約束でアリシアは城に留まる。だが、持ち前の実力で国を建て直したジュリアンは恋心を隠し、一度妃の座をおりたアリシアに求婚し……!?
「閉経陛下。そう簡単には、落とされませんよ?」恋をしない堅物令嬢、あざと可愛い腹黒陛下の"求婚"なんて、お断り!?(裏表紙yろい)

年上ヒロインと年下ヒーローの、ほのぼのラブコメディ。とても上品で可愛らしいラブコメでほっこりしました。
内容紹介がちょっと誤解を招きかねない印象を受けたので補足を加えたいんですが、まずアリシアの最初の結婚は実家による強制的なもので彼女自身の意思は反映されていません。それから王弟ジュリアンの元に留まったのは女官としてであり、実家に身売りされる形で嫁入りしながら自分を可愛がってくれた国王夫妻に返せなかった恩をジュリアンを支えることで返したい、という名目です。
頭のいいヒロインとヒーローなので、当初はどちらもすごーく仕事人間で笑 それが恋を知って、互いに少しずつ好意を告げるようになると、やりがいのある仕事をこなして楽しかった日々が、こう、新しく、ぱーっと鮮やかに輝いていく様が描かれているようでとてもほのぼのしました。実に可愛らしい。
有能で、上品で、軽やかで、仕事ができるアリシアの好感度がめちゃめちゃ高いです。
また彼女の護衛騎士であるレイバンが、もうめちゃくちゃいい人で! 若干ヒーローを食っている感があるんですが笑 彼にもいい奥さんを迎えてもらって、家族ぐるみでアリシアとジュリアンを支えていってほしいなあと思いました。
とても爽やかで可愛いお話でした。強い女の子は素敵!
王家の裁縫師レリン 春呼ぶ出逢いと糸の花 (角川ビーンズ文庫)
フランチェスカ王国を統べる女王の服を仕立てる者は国最高位“王宮裁縫師”の称号を与えられる——幼い頃に両親と生き別れるも天才的な刺繍の腕を持つレリン。女学校に通う中、全校生徒が“王子様”と憧れる騎士フォルスと出逢い、彼の支えで王宮裁縫師に挑むことに。そんな時、王女編入の噂が流れ事件が…!? 「あなたには、夢がありますか」少女は縫い裁つ力で運命を切り開く。第15回小説大賞、優秀賞&読者賞W受賞作!!(裏表紙より)

児童文学のような可愛らしいお話。不幸な境遇の女の子が自らの持つ才能で運命を切り開く、可愛らしくもドラマチックで、とても少女小説という感じの作品だったように思います。
学校に王女様が編入してきて友達になるとか、平民ながらも貴族も参加する審査会に挑むとか、胸糞悪すぎる養父母をヒーローたちがぎゃふんと言わせるとか、王道も王道で楽しい。フェドーレ一家がものすごいひどい人たちで、しかも毒を盛ったこともあるとかやばすぎる養母だったのでフォルスたちが踏み込んできたときは「きたきたきたぁああ!」って叫んでしまいました笑 ざまあみろ!笑
レリンは「王家の裁縫師」への大きな一歩を踏み出したので、これからルディアたちとともに歩んでいくのかな。彼女たちの未来を応援したくなる素敵なファンタジーでした。
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Author:月子
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