読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「その時は――魔女〈ティナーシャ〉を殺すさ」
契約のもと、一年という限られた時間を共に過ごすオスカーとティナーシャ。だが突如二人の前に、ティナーシャのかつての婚約者・ラナクが姿を現す。古き魔法大国の血を継ぐ彼は、新たに国を興すと大陸全土への侵攻を企てて……。その時、オスカーとティナーシャの選んだ道とは――大陸の完全支配をもくろむ巨大魔法と王剣の剣士の、熾烈なる戦争の火蓋が切られる。(裏表紙より)
ティナーシャが過去と決別する第二巻。中盤からはボーナストラック的に、オスカーとティナーシャの平和だけど平穏じゃない日常を描く話が詰まっていて、とってもとってもにこにこして読みました。
トゥルダール関連の話はかなり重くて、ティナーシャがどれだけの苛まれたのか、そしてオスカーが現れたことでちょっとばかり気持ちが安らいだのかを想像するとたまらない。ラナクと戦う彼女は凄まじくかっこよくてぞくぞくしました。ああー好きー。もう民はいないのに縛られたままのその魂たちのために王たらんとするヒロイン大好きー!!!!!
そして短い話の数々。これで付き合ってないんだよな。いやもういっそ早く結婚しろよ!!!? お互いに好き合ってるんじゃんばかばかばかー! 早くしないと絶対に取り返しのつかないことになるよ私知ってる私ならそうするもん!!!!!
なんとなく読むのが怖い気がして、ずっと積んだままだったのですが見事にはまっています。最終巻までちょっと温存しておかないと、心臓がもたない気がする。
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「俺の望みはお前を妻にして、子を産んでもらうことだ」
「受け付けられません!」
永い時を生き、絶大な力で災厄を呼ぶ異端——魔女。強国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、世界最強と名高い魔女・ティナーシャのもとを訪れる。“魔女の塔”の試練を乗り越えて契約者となったオスカーだが、彼が望んだのはティナーシャを妻として迎えることで……。(裏表紙より)
2021年の読み始め。少女の姿をした美しい魔女と、魔法を無効化する剣を使う呪われた王子。二人の出会いから始まる物語。
まだまだ始まりという感じですが、それにしても事件が起こること! やばそうな気配がだんだん濃くなってきて、この先どうなるんだろうとどきどきそわそわ。
ティナーシャの面倒見の良さと魔女としての顔も好きなんですが、そんな彼女を着飾らせようとしたり簡単に困らせてしまうオスカーの自由さがすごく好き。早くほだされちまえよティナーシャ! という気持ちです。
でもこの第1巻からちらちらしている男、多分昔の男ですよね……しゅらばのよかん。
土鍋でつややかに炊きあがったご飯のありがたみ、かき混ぜる両手が決め手の韓国料理の味わい。夜のしじまに、甘やかに漂う出来たてのジャムの香り……。つくるよろこびと食べるよろこび、どちらも大切にできる場所。それが台所。そこでは、いつだって新しい発見と笑顔が満ちている。食材と調理道具への愛情を細やかに描き、私たちの日々の暮らしを潤す、台所をめぐる17のエッセイ。(裏表紙より)
旅行記か、短編を読んでいるようなエッセイ集。食べることがいろいろな情景に繋がっていて、読んでいて心地いい。平松さんの食べ物系のエッセイは、懐かしいような、遠い出来事のような、不思議な穏やかさと静けさがあるよなあ。
その国と人の料理や食べ物について知るために海外に行くのはめちゃくちゃ楽しそうだ。普通の家庭の普通の料理について知りたいんだよなー、と、読み終わってその思いを強くしました。
行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋もれて眠る少女を見つける。 少女は狼の耳と尾を持つ美しい娘で、自らを豊作を司る神・ホロと名乗った。 「わっちは神と呼ばれたがよ。わっちゃあ、ホロ以外の何者でもない」 まるで経験を積んだ大人のような話し方で、ロレンスを巧みに翻弄する少女。 「お前は、本当に神なのか?」 最初は半信半疑だったロレンスも、やがてホロが旅に同行することを承諾する。 そんなふたりの旅に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。 近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。 疑いながらも、ロレンスはその儲け話に乗るのだが……。(Amazonより)
独り者の行商人と、美しい娘の姿を持つ豊作の神の、偶然から始まる出会いと旅の物語。
商人の考えや、貴族や騎士といった権力の描き方がとても雰囲気を出していて、面白い。そしてまた人物描写がいい。ホロの描写がとても魅力的で、喋り方フェチとしても色っぽくも可愛らしくてとても好き。なのにちょっと怖いところもあって、この世界でいう「異教の神」の魅力が溢れているなあと思いました。
「なんでママは立っておしっこしないの?」と聞かれたら、「知らないおじさんに髪をひっぱられた!」と子どもが泣いて帰ってきたら、どうしますか? おうち性教育とは子どもを守るための教育です―
本書は、「うちにも赤ちゃんはくる?」といった突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができます。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養う「おうち性教育」をはじめましょう。(裏表紙より)
コミックエッセイのように読める性教育の本。子どもが性のことを口にしたときに、どう教えよう、この反応は正しかったのか、にある程度の答えをもらえる本で、とても興味深く読みました。親の気持ちもわかるし子どもの気持ちもわかるなあ。どう教えたらいいのか、どう尋ねたらいいのかってそれぞれにあると思うんですよね。
巻末の性教育におすすめの本が気になるので見つけたら読んでみたい。
母の故郷・マーキス島にある「法医学博物館」で突然過去の世界に飛ばされた、医学生の西條遊馬。わけがわからないまま、殺人事件の現場に居合わせたために投獄されてしまう。そこで出会ったのは、この国の皇太子ロデリック。彼は、父である王を殺した罪に問われているというのだが…? そして、ロデリックの無実を証明するよう、遊馬に頼んできた人物とは——!?
法医学者が描く、タイムスリップ医学ミステリー!(裏表紙より)
法医学者を目指す男子学生が魔術の力でタイムスリップし、自らの知識で死者の謎を解く。医学知識ってめちゃくちゃ強いチートですよね。しかも過去においては魔法のような知識だっただろう。
現代人の感覚でいる遊馬と、少し古い考え方の人々の違いが面白い。しかし一番面白いのは王家の三兄弟だなあ。男ばかりに好かれる遊馬。いまのところクリスが優勢かな?笑
「俺と結婚して欲しい。返事は『はい』しか聞かないぞ」
福引に当たって移住した異世界で、騎士隊長クリシュと恋人同士になった忍。ずっと孤独だった忍を、クリシュは温かな腕で抱え込み、愛で満たしてくれた。生命の木が枯れていき子供が生まれなくなった世界。大好きな人たちが生きるこの世界のために、できることならなんでもしたい…! そんな時、植物チート能力で生命の木の記憶を見た忍は「種」を託される。それは、この行き止まりの世界を救う最後の希望だった…!(裏表紙より)
命の樹を巡る出来事と、忍とクリシュの結婚という二つの大きな物語が決着。
命の樹にまつわる過去はきちんと丁寧に見せてくれたせいか、ネレとミエルのことが泣けて泣けて仕方がなかった。忍がいてくれてよかった。あの二人はきっと救われた。ついぼろぼろ泣いてしまいました。
その後のクリシュとの生活は、もう甘くて甘くて。かわいいなあ。恋人ととして仲を深めて、みんなに祝福されて夫婦になる。義両親や義弟もできて、一人の人間が幸せになるまでの過程を垣間見たようでとても充実しました。素敵な物語でした。
赤子のときの予言により、後宮入りを期待されて育った翠蝶。ところが皇帝ではなく皇弟・氷希と結婚させられてしまう。彼は右目に傷痕があり、夜をともにした女性にもうつるといわれている。だが結婚して半年、氷希が翠蝶の臥室を訪れることはいまだなくて……!? 翠蝶の、とある秘密を知られてしまったことから氷希との距離が縮まっていくのだが——。すれ違う想いが絡まりあう中華後宮恋物語。
恋は綾模様……謎を織りなす中華後宮ミステリー!(裏表紙より)
両片思い美味しい。後宮に入って寵愛を受けるのが女性の幸福だという価値観という基盤があって、それでも恋をしているという部分の匂わせがちょうどいい塩梅だなあ。あんまり厳密すぎると息苦しくて、悲しくなってしまうからさ……。
翠蝶の女性らしさと意地っ張りなところがとても可愛らしい。そつがなさすぎるのはちょっと心配にも感じるんですが、そのあたりは氷希のフォローが絶妙で、いい夫婦だなあ。すれ違いも含めてときめきました。
謎解き部分も独特で、翠蝶の特技が発揮されていて楽しかった。
繊細な画と豊かな文学性でマンガ界に新たな地平を拓いた萩尾望都。貴重なインタビューと撮りおろし原画や秘蔵のクロッキー帳など豊富なビジュアルで、天才マンガ家の創造の源泉に迫ります。さらに年代別画風の変遷や聖地巡礼マップ、コスチューム集、キャラクター名鑑など、ファン垂涎の画が満載のコラムも充実。その作家性を鋭く捉えた、小野不由美による特別寄稿「神域」も必読です。「ポーの一族」から「王妃マルゴ」までモーさまワールドにとっぷり浸れる、永久保存版の一冊です!(裏表紙より)
萩尾望都先生の作品のまとめ本。色々読んでいると大体知っているという感じになってくるんですが、これは「ポーの一族」の新シリーズが始まってからの話も含むので、またちょっと新しい感じかも。個人的には窓と階段の話が読めたのが収穫でした。
各国で翻訳されている書籍のデザインもちょっと見れたのが嬉しいし、作品を考えるためのスケッチもめちゃくちゃ貴重だと思いました。