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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。
 大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。
 宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。
 水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。(Amazonより)

水に浮かぶ後宮、その宮女となりながら皇帝のお手つきを望まず、慣れ親しんだ舟を漕いで宮中の人々を渡す日々を送る水鏡。商人の娘として生まれ、商才や思考能力、操舵の才に恵まれた彼女の才覚に目をつけた前帝の妃の一人に協力する形で、宮中の事件をひそやかに追う水鏡だが、その本来の目的はこの後宮で不可解な死を遂げた姉のことを知るためだった。
皇帝の寵妃になるよりも、縁がある皇太弟と思いを育むよりも、独特な冷静さとしたたかさでもって、皇帝の寵を競う女性たちから一歩引いた形で事件の謎を解く、この線引きが絶妙に刺さって面白かった!
商才も知恵も操船技術も持っているのに、姉が持っていた美しさと愛想だけがないと考えている自己肯定感が低すぎる水鏡が、結婚が決まっていながら妹の代わりに自ら宮女になった姉の水蓮の死の真相を追う、その胸のうちを思うとひりひりする。何を考えていたのかわからない、知りたい、と必死になるのは、姉の影になっていた自分を救うために必要な作業なんだろうなあ……。
事件解決のためにちょっとずつ力を貸してくれる人たちが個性豊かで、面白いチームになっていて楽しかった。
後半からだいぶ危ない事件と犯人に迫りつつ、未解決のまま終わったので続きがめちゃくちゃ読みたくなりました。
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12人の妃を一度に娶った凱帝国の崇成帝・高遊宵は、すべての花嫁を出自に関係なく同じ位に拝命し、床を一緒にした者から順に位を上げていくと宣言した。そのため、花嫁たちは皇帝の気を惹こうと必死に競い始めるのだが、ただ一人、科学好きの令嬢・緋燕には全くその気が起きない。緋燕が後宮に入ったそもそもの理由、それは「貴重な科学の本が読めること」、そして「復讐」にあって…!?
いつまで君は余を添い寝だけで我慢させるんだい?(裏表紙より)

理系っぽい、薬や絡繰や自然などを好み、皇帝の寵姫になろうとはまったく思っていない緋燕が、気を引こうとしない姿勢を好まれ、権力争いの落としどころとして名ばかりの夜伽の相手を務める。本来の目的は、母を辱めた宦官を突き止め、裁くことにあった。
だいぶ込み入った設定だな! と思ったのですが、憎い仇は誰なのか、ちらちらと登場する人物たちの誰が関係者なのか、後半の捜査や対決パートがとても面白かった。
遊宵はこれまで読んでいると哀れな人だったんですが、今回普通に幸せになっていてよかったねという気持ち。しかし冒頭からやっていることがやっていることだし、これまでを踏まえて、この先下手をうって大変なことになるんじゃないかなあという予感がしている。
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公爵令嬢エリシアはある日、『この世界』が前世で自分がシナリオを書いた同人乙女ゲームだと思い出す。しかしメインヒーロー・セドリックの義妹である『エリシア』は病弱で、シナリオ通りなら数年以内に死んでしまう脇役。――いや、死ねない! なぜならこのゲーム、バッドエンドでは攻略対象達はみんな〝ヤンデレ化〟するのだ。妹思いの優しい義兄セドリックも、エリシアの死がきっかけで『監禁ヤンデレ』に……! ヒロインもヒーロー達も我が子同然。彼らを不幸にするわけにはいかない! エリシアはヤンデレルートを潰し、彼らをハッピーエンドに導くと決意するが……?(Amazonより)

同人ゲームの作者だった主人公は、完成したゲームを前に祝杯を上げていたその日転落死し、目が覚めると自作の登場人物として転生していると知る。病弱でこのままでは死んでしまう! と健康を意識して過ごして自らを改革、また自身の困った性癖であった「ヤンデレ」を描いてしまったこの作品世界の平和のため、攻略キャラたちの人生を修正しようと義兄(攻略キャラのひとり。修正済み)の力を借りて奔走する。
夢中文庫の作品は短めで「物足りない!」となることもあるのですが、これは短さを活かす形でよくまとまっていて面白かった。無理やり登場人物の掘り下げをしたりすることもなく、みんな幸せにしようという作者としての責任感が興味深くて面白かったり、TL作品らしく色っぽいところもあったり。ただ、年下になる義兄との恋の成就はもうちょっと葛藤してもよかった気がします。
メインヒロインとのやりとりがオチになるのも楽しかったな。そういう感じの子か! 笑った。
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「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。
第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。(Amazonより)

子どもたちが空を飛び、精霊の力を用いて社会を動かすこの世界。歳を重ねることで能力を失う子どもたちの中、未だ力を残して空を飛び回る少年少女のすれ違いと小さな変化のお話。
とてもロマンティックで、少年少女のすれ違いもだもだがじれったくも微笑ましい。空を飛ぶことで厚い雲の上から精霊を呼ぶっていうのは特別感があっていいな。
ただ、特殊な言葉やルビを用いた表現は独特で美しいんですが、私たちのいるこの世界とどのように違うのかがほとんど伝わってこなくて想像しづらかったのがすごく残念。どういう建物なの? どのくらいの高さなの? この世界や社会の仕組みってどうなっているの? という部分が置き去りなので、とても御伽話めいている。まさしく「魔法使いの世界」なんだけれど、具体的な景色が全然浮かばなくて。
それでも失敗のせいで後悔を抱えてすれ違い続ける少年と、寂しさを紛らわせることができず素直にそれを口にすらできない少女と、そんな彼を見守る少女と、という三角関係とその変化が王道でじれじれもだもだして楽しかったです。
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王位継承権第二位を得た王女リザの婚約者選びが国内で始まった。アニアはリザに想いを寄せる従兄のティムを後押しする。王太子リシャールは彼女に協力してくれるものの、何やら思い悩んでいる模様。そんな時、祖父の記憶からアニアは二十年前の王位継承戦争の裏に隠された真実に気づく。そして隣国に亡命した今も王位に執着する王弟が密かに陰謀を企てるなか、作家令嬢と書庫の姫、それぞれが迎える恋の結末は……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー終幕!!(裏表紙より)

有能な祖父によく似ているために家族から疎まれ、しかし王女付きになったことで女伯爵となり、王家の人々と近しく言葉を交わす立場になったアニア。書庫の姫と呼ばれ、王女として政略結婚するその日を待っていたものの、自らの未来を手に入れることができたリザ。二人の少女の出会いが、長らくこじれていた王国や諸国の因縁を紐解く恋と友情のお話、完結。
最高に楽しくて、可愛らしくて、どきどきした作品でした。アニアが賢いという描写、ちゃんと説得力を持たせる言動やエピソードが散りばめられていてすごくよかった。困った家族に疎まれている不幸なご令嬢が、王女や王太子の後ろ盾を得るのではなく、自らの行動で女伯爵に、そして王太子妃になるって最高すぎる!
リザとティムも落ち着くところに落ち着き、最後の小さなお話ではジョルジュもちゃんと結婚相手を見つけていて嬉しかったなあ!
最後の一文、まさに作家令嬢と書庫の姫の物語にふさわしいもので、涙が出てしまった。
とても楽しかったです。ありがとうございました!
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王女リザは女官長の不在をいいことに、読書三昧の生活を楽しんでいた。だが、クシー領視察中のアニアからもたらされた“グリアン国王がリザとの縁談を望んでいる”との一報により身辺は一変。王太子付き武官のティムを護衛に回され、いきなり警護を厳しくされてしまう。アニアがグリアンからの特使を案内する一方で、厳重な警護を受けながらも見えない敵に命を狙われるリザ。何も知らされずに守られる立場に不満を抱いた彼女は、攻勢に出るためのある提案をティムに持ちかけるが……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー第三幕!!(裏表紙より)

リザが己の立場を省みる第3巻。今度の敵は教会と信仰。勢いのある国っていろいろ狙われるよねえ……。
リザとアニアは結構離れ離れでしたが、相手の考えを読んで迎えにいくところはわかりあっている親友感があって最高でした。たとえ本当に遠く離れてもお互いを思っていることがこれで確信できたようにも思います。できればずっと二人で、国を支えていってほしいけれど、どうなるかなあ!
ティムが昔からティムで、密かに恋心を抱いたままだということもここまで隠し通していたのがうわああああと。駆け落ちって言われたときに思い切って迫ってもよかった気がするよ! でもリザがわかっていないから上手くいかないか……。この二人も上手くいってほしい!
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国内初の女伯爵となったアニアは、領主兼王女リザ付きの女官として多忙な日を送っていた。その上、王太子リシャールのお気に入りという噂から、令嬢たちに嫌がらせをされたり殿方たちが取り入ってきたり、と騒動続き。小説を書く趣味だけが息抜きだ。そんななか、留学中だった王太子の弟メルキュール公爵が帰国した。王太子もリザも警戒するほどの問題人物だという彼は初対面のアニアにいきなり求婚してきて……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー、第二幕!!(裏表紙より)

女伯爵に叙せられたアニア。家族や黒幕も相応の処分が下されるが、それはそれで新しい問題が浮上して。結婚の条件に自領との距離とか仕事のしやすさを考えるアニアがすごくいいなあと思った巻でした。自分の義務を当たり前のものとして考えて動いているところ、ものすごくよくできた女性だと思います。
だから「女性だから」「身分が」なんて考えや、権力、保身といった欲望で義務を疎かにしたり誰かを蔑ろにする人間が許せない、と読んでいるこちらもすごく思う。政をする人はこうであってほしいというのが、アニアや周りの人たちなんですよね。
今回初登場の重要人物のジョルジュは、なんというか……それと気取らせないけれどめちゃくちゃ家族が好きですね?笑 いろいろやりすぎちゃうくらい大好きだよね? 今後もやらかしてくれそう。
2巻目にして実感したんですが、素行がちょっと悪そうな国王陛下、実はめちゃくちゃ有能じゃない? リシャールを含めた補佐も優秀だけれど、ものすごい改革をばすばすやっていくなあ。次はどうなるんだろう?
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物語を書くのが趣味の貧乏貴族の娘アニアは、従兄のティムの紹介で王宮仕えをすることになった。王太子リシャールの無愛想(?)な態度に戸惑いつつも、書庫に籠もるほどの本好きの王女リザとは意気投合する。リザの婚約者との初顔合わせの舞踏会を目前にしたある日、婚約者の愚かな振る舞いに、リザが激怒する。アニアとリザは舞踏会で彼を懲らしめようと企むが、その裏では別の陰謀が蠢いていて……? 冒険活劇あり、殿方とのロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー開幕!!(裏表紙より)

元宰相だったが王宮を追われた祖父を持つアニアは、放蕩を繰り返す家族に疎まれ、玉の輿に乗るよう期待されている。唯一の味方だった従兄のティムの紹介で王女が結婚するまでの女官として採用されたことで、それぞれの運命が回り始める……という王宮ロマンス。最高! 最高でしかない!
賢く優秀だったために家族に疎まれ、見限ることもできずにいるアニアが、王宮で味方を得ながら、ある不思議な助力もあってめきめきと頭角を現す展開や、王女との友情、淡いロマンスの気配と、本当によかった。膂力がなければ知恵を使って反撃、それこそよ!!
しかしアニアに宿っている記憶、これは後々種明かしがあるのかなあ。理由がすごく気になる。
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凱帝国の三人いる公主のうち、今まで一度も縁談が来たことのない長女・鳳姫を見初めたのは、野蛮な国と名高い鬼淵国の若き王・神狼。周囲が同情を寄せるなか、鳳姫は父王の命令ならば従います、と覚悟を決めていた。というのも、鳳姫は母妃の不実によって生を受けたにもかかわらず、父王の慈悲により真公主として育てられた負い目があったから…。そんな鳳姫が見つけた、真実の愛とは!?
そんなふうに愛してくださるのですね…わらわを。(裏表紙より)

後宮シリーズ第4巻。皇帝と皇后は「饗華伝」の二人ですかね。主役だった二人が時代が変わり、視点が変わると、なんともいえない振る舞いをしているっぽいのがわかるのが面白いなあと思います。そう、後宮ものとして皇帝が一人だけを寵愛するのはちょっとよろしくない……。
この巻の主人公はそんな皇帝の長女。しかも皇帝の実子ではない不義の子で、父帝の温情により限られた一部の人間しか真実を知らないまま、本当の娘として育てられたという、あああこれぞ後宮うううみたいな設定の少女です。
実子ではないという後ろめたさから父のため国のために身を尽くすと決め、異国の王の求婚にも頷くつもりなんですが、普通ならここで嫁がされるものが父が娘を愛しているため、求婚の駆け引きが自国で行われるのがとても面白い! 今回の文化、蘊蓄に当たるのが陶磁器なのも面白かったですし、求婚する神狼が自らの力を見せつけるためにそうした繊細な文化を理解して勝つ展開もすごくよかった。甘い言葉で口説くだけではないっていうのがね!
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伝説の《黄金瞳》を持つ少女リタは人買いに捕まり闇市で競売にかけられてしまう。過去のトラウマで声を失い絶望するリタを競り落としたのはマフィアのボス、アルバートだった。「きみは僕の花嫁になってもらう」甘い囁きに従うリタだったが、彼が笑顔で人に銃を向ける冷酷な一面を知ってしまう! 危険なマフィアに迎えられたリタの運命は――!?(Amazonより)

黄金の瞳を持つために競売にかけられた天涯孤独の少女が、花嫁を買ったマフィアの若きボスと少しずつ心を通わせて家族を得るまでのお話。
声が出ないという設定の描写って難しいと思うんですが、話せないゆえにすごく頭の回転が早い子で、それを伝えるタイムラグ的な違和感もなくするする読めたのがすごい。
声は戻らなかったし、黄金瞳の謎は謎のまま、リタはリタのままで何一つ変わらないのがちょっと残念かも。もうちょっと何か、ファンタジーを求める気持ち的に何かほしかった。
しかしデレた後のアルバートの不器用な可愛げな! 早くべたべたに甘やかしちゃえよ……とにやにやしました。
どうでもいいですがお医者さんと瞳の組み合わせ知ってる! これ(以下略)となりました。どこにでも転がっている設定を上手く組み合わせるってこういうことか。勉強になります。
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Author:月子
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