読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「私、貴方のところに辿り着けて幸せです」
ティナーシャの退位と結婚の日が迫るなか、周囲で怪しげな事件が頻発し始める。歴史を改竄する呪具エルテリアを奪取するため、ヴァルトにより巧妙に仕掛けられる罠。無数の歴史の記憶を持つ彼は、ついに自分と世界にまつわる真実を語り出す。
消えては再構築される時間の果てに、オスカーが下す決断とは――。王と魔女の物語の終わりであり始まり。人の尊厳をかけた選択に向き合う完結巻!(裏表紙より)
長い物語の終わりと始まり。そして次の物語へ、という完結巻です。
正史なんてものが曖昧になるくらいの繰り返しだから名も無き物語なのだとしたらこんなに切ないことはない。繰り返しはとりあえず終わったけれど、どうしようもない寂しさとやるせなさが、もう、もう……!
一番泣いたのは真実を知ったティナーシャがトゥルダールが本当に美しい国だったことを追想するところ。レジスのような後継に国を託すことができる未来は、きっとティナーシャにとってオスカーの他に強く望むものだったんだろうなと思うと涙が止まらなかった。
ここまでくるとオスカーとティナーシャの魂や運命はずっとずっと、繰り返しややり直しという長い時間を経て密接に絡んでしまっていたんだなあ。王と魔女、呪いと祝福の象徴そのものだ。
二人の新しい物語が楽しみです。
とても素敵な物語でした。ありがとうございました!
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「お前が欲しい。だから結婚を申しこんでいる」
「……は?」
オスカーの呪いを解いたティナーシャは自国に戻り、魔法大国・トゥルダールの女王として即位した。別々の道を歩み始めた二人の決意とは――。そして、呪いの元凶たる『沈黙の魔女』がついに二人の前に現れる。
明かされる呪いの真実、過去へ時を巻き戻す魔法球の存在。名もなき物語に無二の思いが刻まれる第五巻。(裏表紙より)
色々と「やっぱりな!!!!!!」という第五巻でした。
まずオスカー! やりやがったなありがとう!!!!! という求婚からスタート。即位してさあここから、というところで盤面をひっくり返すような求婚ありがとう! やると思ったよそういうやつだよ君は! 一年後の退位に衝撃を受けた理由がティナーシャを望めるということだったの本当にお前……お前……(ごろごろ)。書き換え前を上回るレベルの求婚エピソードをありがとうございました!
あとはオスカーの呪いの謎も明らかに。身分の低い母親って明らかそうじゃない雰囲気だよなあ、魔女かその関係者かなー? とか思ってたらそういうことでしたね。魔女と呼ばれるわりに家族に対して情の深そうな「沈黙の魔女」が好き。オスカーの母親になれるような娘がいるってことはそう過去でもない頃にそういう相手がいたってこと……? などと想像が膨らみます。
この世界戦は二人とも以前に比べて能力的にも精神的にも未熟なところがあるので、本当に結婚できるまでもう少し波乱がありそう……と思いながら、本編最終巻を楽しみに、大事に読もうと思います。
「私と結婚してくれるんですか!」
「しない。どうしてそうなった」
呪いの打破を願って魔法大国トゥルダールを訪れたオスカーは、城で眠っていた一人の女を連れ帰る。解呪を申し出た彼女ティナーシャは、次期女王として圧倒的な力を持ちながら、なぜか初対面のはずの彼に強い好意を抱いているようで……。新たになった大陸の歴史、名もなき記憶の上に、再び二人が紡ぐ一年間の物語が始まる。(裏表紙より)
何らかの手段で時を超えるんだろうと思ったんですが、思っていた以上に気持ちが重かった……とちょっと笑ってしまった、やり直しの始まり第一巻。世界が書き換えられたためにいくつかの事象が異なりつつも、歴史の転換期や運命的な出会いはどうも変わらないみたいだなあ、などとレオノーラとの戦闘があった様子を読んで思いました。
散らばるエピソードが面白いのはもちろん、やっぱりティナーシャとオスカーの関係性にもだもだと悶え打ちました! 「好きになったあなたではない、けれど」というのもあるし、オスカーの方も「俺じゃない」というのを察しているのがもう、もう……! もう一度手を取ろうにもそんな単純な話じゃないし、なあ……切ない……。いやでもこの規格外の王様、絶対ものすごい手段で結婚しようとか言い始める気がする。
「私の王よ、魔女が貴方に、永遠に変わらぬ愛情を捧げましょう」
オスカーの呪いも解かれ、契約終了まであと三ヶ月。自分の心に迷うティナーシャの前に、新たな魔女の刺客が現れる。”呼ばれぬ魔女”レオノーラの狙いは、契約者であるオスカーの方で――。 国を巻き込んでの魔女同士の苛烈な衝突、訪れる《魔女の時代》の終焉。そして王と魔女の恋の果て、全ての運命が書き換わる。(裏表紙より)
ご結婚おめでとうございます!!!!!
と同時に、ほらあああああやっぱりそういうひどいことするぅうううう(大歓喜)。
という第三巻。完結巻が出るまで寝かせておいてよかった。長らく本棚を圧迫し続けたかいがあった……。
故国での心残りを精算したティナーシャはいまも変わらずファルサス王オスカーの守護者をやっている。王妃の座を求める国内貴族だったり、解毒手段のない毒だったり、他国のごたごただったり、最も討伐対象にされながらいまなお残る魔女だったり、とここまで書いてなんとかしてるティナーシャもオスカーもすごいな。やばいな。事件に巻き込まれまくりじゃないか。
とにかくもうロマンチックだし魔女とその配下とのバトルは熱いし、とわくわくしている中で。最後の、あれ。
もう願ったけどさあ! そうなったらよかったのになって、本人も思ってただろうけど、本当にやる!? ありがとうございます大好きですごちそうさまでした!(キレ)
そうして軽々とティナーシャの心をさらって去ってしまったオスカーの憎いこと。ティナーシャは賢いので多分何を犠牲にしたか悟ってしまうんだろうなあ、と思うと、彼女のことだしなんとかしてしまいそうで次巻が恐ろしくも楽しみです。ああもう泣いた泣いた。でもこの先もきっとどこかで泣かされてしまうんだろうなあと、最後まで楽しみに読もうと思います。
一生を約束したくはないけれど、淋しいから誰かと暮らしたい、
推しのグッズは増える一方なので広い部屋に住みたい、
節約して将来への不安に備えたい……
意見の一致したオタク女子4人がルームシェアをすることに!
本名すら知らなかった仲間との生活は、
オタクならではの出来事や会話が飛び交う毎日で、全然キラキラしてないけど、すごく楽しい。
そんな4人が同居に至るまでと、春夏秋冬の暮らしを綴った、ゆるっと日常エッセイ。(Amazonより)
それぞれジャンルが違うオタクの女性四人がルームシェアしたエッセイ。
羨ましいくらい上手くいって、すごいなあ。これはすごく運のいい例だと思います。もしくはちゃんと働いていてしっかり社会生活が送れる人たちが集まったからできたというか。社会性がないオタクは多いと思うんだよな(自分にブーメラン)。
ルームメイトを決めるまで、家を決めるまで、どんな風に生活しているのか。オタク的な言い回しを含めつつ楽しく書かれてあって、日記かブログを読んでいるみたいな気持ちになりました。やっぱりこうやって暮らせるのが理想だよな。
エスキア国最強の剣士“獄炎帝”ことアグニスは、仇敵イグマール国最強の魔術師“氷結姫”レファとお見合いをすることになった。だが二国が講和するキッカケのはずのお見合いは、実際は相手の最高戦力を籠絡して取り込むための化かしあいだった!?しかも何度お見合いを重ねても事態は進まず、会場を焦土に変えるばかり。そう二人は戦場では最強だが、恋愛方面ではまったくのポンコツだったのだ!国家の命運を背負った二人の最強は果たして幸せな結末に辿りつけるのか!?(Amazonより)
争い続けてきた二国は、第三の勢力を警戒して手を組むことにした。それぞれの国の最強を結婚させ、相手を取り込んで戦力にしようという思惑のもと、お見合いに望んだ剣士アグニスと魔術師レファ。だがお互いに普通とは縁遠い暮らしと戦う日々のせいで人並みに恋したことも恋されたこともないにも関わらず、相手に絶対に負けるものかととんちんかんなやり取りを重ね……というラブコメ。コメディ強め。
ここまで恋愛沙汰に不器用な二人をお見合いさせるの、計画立案からこけてない? と思ったんですが、嫌がらせも含まれているのは納得。結局二人は似た者同士で、疎まれ遠ざけられ、戦うことで価値を認められ、居場所を与えられてきた寂しがり。だから最後の共闘があるし、恋の始まりがある。
レファが手酷く裏切られるんじゃないかとはらはらしたんですが、そうならなくてよかった。本当によかった。
憧れの警官となり仕事一直線の23歳、腹筋六つ割れ女子、椎名晶。あだ名は武士!彼女は先輩の命令で職業をアパレル店員と偽った合コンに参加し、超絶イケメンで性格のいい経営者・五十嵐千影と出会う。晶は緊張して男性陣とまともに話せず、不本意な天然キャラ扱い!せめてご飯処理班として活躍を―と意気込むも、その大食い&女子力0の姿に嗜虐心を煽られた千影がドSで俺様な本性をあらわし「おい、珍獣。オレの偽恋人になれ」って、本官…じゃなかった、ワタシがですか!?(Amazonより)
警官の両親に憧れ、警官となった晶は腹筋が六つに割れている肉体派でモテとは無縁。だが恋に憧れ、同じく肉体系の女子たちと身分を偽って参加した合コンで、超絶イケメンの千影と出会う。だが実は凄まじく毒舌な千影は、女除けとして晶に偽彼女になれと言い始める。男性慣れするために引き受けることにしたものの、という不器用もここに来たら才能という、かちこちの生真面目女子と、毒舌で弱いところを見せられないでいる孤独な王子様のラブコメ。
めちゃくちゃ楽しくてにやにや読みました。非モテな晶のあわあわとした態度や不器用な言葉が微笑ましいし、毒舌ながらもちゃんと優しい千影が「楽しい」と思っているのが伝わってきて。
いい感じに恋しているのでこの続きがめちゃくちゃ読みたかった……。いちゃいちゃして! もっと! 千影が晶に振り回されているところを見せてほしい! あと晶がもっとシンデレラ的に、あまりの美人ぶりに周りから見直される展開が見たかった!
歴史や種類、内部構造、精度やメカニズムなどを詳細に解説するのはもちろんのこと、各メーカーのつくり手としての思想やこだわりなども伝える機械式時計の決定版。世界的に有名なブランドや機械式時計の名機、ヴィンテージウォッチ、ミリタリーウォッチなどを紹介するともに、選び方や買い方、メンテナンスのポイントなども詳しく紹介。手巻式腕時計の基本構造やゼンマイの構造などメカニズムの解説から、ド・ヴィックの時計や振り子時計の発明譚、日本の機械式時計発達史など歴史的側面も網羅するなど機械式時計の魅力を多角的に追求しました。“この1冊があれば機械式時計のすべてがわかる"時計ファン必見の1冊です。(Amazonより)
時計の構造の話、各メーカーの代表的な時計のこと、機械式時計の歴史、各ブランドの小さな解説と、初心者向けの本だと思うんですがメカニズムのところはゆっくり読まないと理解できねえ……と思いました。時計がどうやって動いているかという知識がないと読んですぐ思い浮かばず。
だからこそ時計がどうやって動いているか、一度分解してみたい……などと思いました。この本にちゃんと図解があるんですけれども、やっぱり実物が見たいです。作業場や道具の写真もありましたが実物が見たいです! 博物館、行きたいなあ。
大陸の中央に位置するとある大国。その皇帝のおひざ元にその娘はいた。猫猫(マオマオ)、花街で薬師をやっていたが、現在後宮で下働き中である。けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。まかり間違っても帝が自分を“御手付き”にしない自信があった。そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。存命の二人の御子も重い病と聞いた猫猫は、その原因を調べ始める―。大絶賛されたあの痛快ミステリーが待望の文庫化。中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が宮中で起こる難事件を次々に解決する。(Amazonより)
別の出版社から出た旧版を読んだことがあるもあまり記憶に残っておらず。再刊してとてつもないヒット作になってよかったなあという気持ち。
中華風の国で身分の低い生まれながら毒と薬に関する豊富な知識を持つ、ちょっとマッドな面も持つ薬師の猫猫。厄介ごとから遠ざかるつもりが、一度の気まぐれから後宮妃に仕えることなり、さらには重用されるようになって……というべたべたなんだけれどやっぱり楽しいな! という話。
一つ一つの事件がありつつ実はそれらを総括する大きな事件がありという構成が面白かったです。不敬だと思いながらもプライドを持って壬氏に接する(汚らわしいものを見るような目をする)ところが好きだ。