読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
春の終わり、にょきにょき伸びるアスパラガス。真夏に囓るきゅうりの爽快さ。目にしみるさんまの煙に秋の到来を感じ、酉の市で手に入れる切山椒は歳末の風物詩。おつな味、いまの味が記憶の扉を開く。惜しくも急逝された安西水丸画伯のイラストも大増量! 食を愉しみ、食を哲学する絶品エッセイ特盛83篇をご賞味ください。(裏表紙より)
平松さんのエッセイは、お店で食べるものやちょっと珍しいものや贅沢なものがすごく美味しそうに感じられるんだよなあ。いいなあ豊かな日々だなあと思って羨ましくなる。どちらかというとがつんと胃袋や食欲を刺激する食べ物がよく登場する気がしていて、うっかりしているとお腹がぐうぐう鳴ってしまう。お腹が空いた!
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就職活動に悩む大学生・若水良太は、ヤクザどうしの銃撃戦に巻きこまれ、組長の柳刃竜一が部屋に居座ってしまう。居候の柳刃はお取寄せが趣味でキッチンを占領しては料理を作り、恐怖と美味に混乱する良太。そこへ同級生たちも加わって事態は予想外の方向へ! まったく新しい任侠×グルメの異色料理小説。文庫書き下ろし作品。(裏表紙より)
ドラマは視聴済み。ドラマはかなり忠実に作ってあるんだなあと思いました。
料理がメインでもあるんですが、同時進行する就活の様子がなんだか胸にくる……。きついんですよー就活の話ー。ずっと慣れない気がする。
それにしても登場するご飯が美味しそうなこと! つまみっぽいって最高に美味しいじゃないですか。食材などのちょっとしたうんちくも楽しかった。
「ぶたまん」の響きは、聞いたそばから耳がとろけそう——新大阪から乗り込んだ新幹線の中でその人気を見せつけられ、すがすがしい五月の夕刻には浅草でどぜう鍋をつつき、数十年ぶりに実家で食べる金色の栗ごはんに胸が弾む秋。どんな時でも読めば食欲が湧いてくるエッセイ76篇を収録した文庫オリジナル。 解説・伊藤比呂美(裏表紙より)
食べ物に関するエッセイ集。だいたい2〜3ページで一本なので、読みやすくはあるんですが、えっその後はどうなったの!? と気になるところが多く、もっと読みたい! と思いました。
夜中に読むと本当にお腹が空く。お昼に読んでも「今日のお昼ご飯はそば、いや、豚を炒めて……」なんて考えてしまう。
雑誌編集者の楓は、娘の衣装を自作する人気ブロガーに批判的なコメントをしたことから、自身の過去のブログを匿名掲示板で晒され、陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方、寝たきりの妻を抱える官僚の棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで執拗に絡んできた女を破滅に追い込もうとする——。ネット上の二人が現実で交叉したとき、驚天動地のどんでん返しが炸裂する。(裏表紙より)
こういういやーな気持ちになるミステリ、好きです。久しぶりにすごく嫌な気持ちになりました(褒めています)。
書くところを間違えると重大なネタバレになってしまうのであれなんですが、中盤くらいで「もしかして……」と思えるので、構成が巧みってこういうことを言うんだろうなあと思いました。そのもしかしてが「やっぱり!」に変わる瞬間よ。
最終的に棚島にはもうちょっと痛い目を見てほしい気がしたんですが、これから家族とともに日常を営んでいく彼は苦しみ続けるのだろうか、と想像するとなんというか、こちらの方が苦しいかもしれないなあと思いました。
空間が意思と魔力を持ち、様々な魔物が息づく世界・パライナの北端に、誰も訪れない《最果て図書館》はあった。
記憶のない館長ウォレスは、鏡越しに《はじまりの町》の少女ルチアと出会い「勇者様の魔王討伐を手伝いたい」という彼女に知恵を貸すことに。
中立を貫く図書館にあって魔王討伐はどこか他人事のウォレスだったが、自らの記憶がその鍵になると知り……
臆病で優しすぎる少女。感情が欠落したメイド。意図せず世界を託された勇者。
彼らとの絆を信じたウォレスもまた、決戦の地へと赴く――
これは、人知れず世界を守った人々のどこか寂しく、どこまでも優しい【語り継がれることのないお伽噺】
第25回電撃小説大賞《銀賞》受賞作。(カバー折り返しより)
勇者と魔王の物語を、モブというか援助者的な立場から覗き見るような、おとぎ話めいた優しいお話。あとがきを読んで納得したけれど、常に優しい空気が漂っていて、確かに誰かに手を差し伸べているようなお話だなあと思いました。読んでいて心地よかった。
図書館長ウォレスとメイドのリィリが勇者と魔王の物語に関わっていないわけがないと思いましたが、やっぱりそういうことだったかー。ルチアといい感じのウォレスにちょっと「む?」と思いましたが笑 友人ならいいかな?
多くの人に読み継がれるわけではないかもしれないけれど、見えないところでこういうことがあって、その物語は最果て図書館にあるかもしれないと思うとちょっとだけ嬉しくなるような、素敵な物語でした。