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吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (小学館ルルル文庫 み 3-1)
江戸の遊郭——吉原。外道菩薩と呼ばれる美貌の青年・弥太郎には、”死んだ人間が見える”という噂があった。ある日、奇妙な来客を受けた弥太郎は、一人の元遊女の不審な死について調べ始める。その矢先、彼が廓内で唯一気にかける少女に異変が起きて!? 胸に秘めた恋心、愛憎入り混じる肉親への情。吉原に生きる者達が抱える、心の闇に「鬼」が憑く――。死者を映す瞳が暴く、鬼の正体とは? 美しき吉原幻想鬼譚!(裏表紙より)

何故かしばらく前から遊郭ものが大量に積んであって、ようやく読んだ一冊。
世界は変わらないし誰かが救われるわけではないけれど、吉原という場所で生きる人々が繋がり合っているという気がした話でした。恋をするわけじゃないし、むしろその思いが相手を縛って呪ってしまうような世界で、それでも誰かを大切に思うことが誰かを救うかもしれない。
少女小説らしからぬ(?)艶美な雰囲気で、登場する女性たちの美しくかっこいいこと! 密かに夜菊ねえさんが好きです。弱さを自覚しながら無邪気であれるねえさんが大好きです。握り飯のエピソードにきゅんとした……。
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