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冬の朝、陸橋から落ちてトーマは死んだ。同じ学校に通うユーリに遺書と考えられる手紙を残して。しかし時期外れの転校生エーリクが現れる。彼は死んだはずのトーマにそっくりだった。オスカーは、ユーリとエーリクの間に入り、変化を見守ることになるが。
萩尾望都『トーマの心臓』を核に、森博嗣の『トーマの心臓』に仕立てたという感じでした。『トーマの心臓』と銘打っていても、この作品の舞台は日本で、彼らはどうやら理系の大学生っぽい。名前は大体の人が渾名。双方がどのように関係しているのかと考えるのが面白い。
原作の知識がないと、ユーリとエーリクの関係性やユーリ自身の昇華は見られないのではないかな。原作では重要な役回りをしていたオスカーの目から見たユーリたちというのは、何故だかとても静かな、祈りのような、心や精神といったものに満ちている。そしてこの作品も、原作も、影響し合ってとても濃い深みを作っているように思います。
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