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十一月の扉 (新潮文庫)
中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。のんびりしているようで、密度の濃い時間。「十一月にはきっといいことがある」——不安な心を物語で鎮めながら、爽子はこれから生きて行く世界に明るい希望を感じ始めていた。(裏表紙より)

再読。最初に読んだ時、あまりの素敵さにいつか絶対もう一度読みたいと思っていたのですが、今年ようやく読めました。読み始めたのは十一月だったのですが、読み終わる頃には十二月になっていました。
学生は喫茶店に入ってはいけないというようなことがあったので、書かれている年代は昭和くらいだと思うのですが、爽子の瑞々しい感覚がまったく古臭くなくて、読んでいると、以前よりずっと綺麗に、すうっと馴染んで、こういう目を持った登場人物に会えることをずっと望んでいたように思いました。母親との小さなすれ違いを感じていたり、友達に対して後ろめたいと感じることがあったり、年頃の少女たちを一歩引いたところで見ていることなど、本当に、たまらなく愛おしいと思う。少女というものを、この作品では瑞々しい、しなやかな植物のように描いているよなあと思ったのでした。文学少女というところにきゅんきゅんきていただけかもしれないけれど。
登場人物は、ほとんど女性ばかり出てきます。様々な人々のおしゃべりや、関わり合いが心地よくて、以前より、ずっとずっと大好きな一冊になりました。
オススメです。
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