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音楽の”竜“は、“王者”に挑む!
再び季節はめぐり、次の竜ヶ坂祭りに向けて練習を続ける『ドラフィル』のメンバーたち。しかしそのさなか、響介のもとにある奇妙な依頼が舞い込んだ。依頼者の名は、七緒の育ての親であり、彼女を見捨てたはずだった女性——一ノ瀬真澄。その内容は真澄の姉であり、世界的ヴァイオリニストの羽田野仁美が所有するヴァイオリンの鑑定であった。所持した者に不幸を呼ぶという呪いのヴァイオリン《チェリーニ》に酷似した、その楽器の正体とは? そしてドラフィルの演奏会の行方は——。(裏表紙より)
ドラフィル三巻で完結巻。音楽と家族の物語。ドラフィルにまつわる、一ノ瀬家と羽田野仁美の因縁もようやく解き放たれる三巻です。そのせいか、中盤から暗い雰囲気がつきまとう。簡単に解消されないとはいえ、一ノ瀬姉妹の自責は重いなあ……。
「音楽家は音楽で語れ」というのを最後まで貫き通した三巻で、音楽を奏でなければ分かり合えないことが悲しいのやら、凄まじいのやらという親子です。絶対に譲れない一線を持つ、七緒と羽田野仁美は、理解しながら決別の道を辿る……という、最後まで研ぎすまされた関係の二人だったと思いました。
音楽に取り憑かれた愚か者たちの、不器用に迷いながら勇ましく戦う物語でした。濃かったー。
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