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艶蜜花サーカス ~フィリア・ドゥ・フェティソ~ (フルール文庫 ルージュライン)
“艶女"——それは、想い人と性交し本当の女の悦びを知ることで、背中や腰に花や蝶や鳥などの絵が浮かんだまま、入れ墨のように定着する特異体質。これは妖艶な旅回りのサーカス一座「フィリア・ドゥ・フェティソ」を舞台に繰り広げられる、彼女たちの恋と愛に満ちた六篇の物語。スターと恋に落ち艶女になる飴籤の売り子。演出家との恋で自身も強く成長していく新米の艶女——“恋"に泣き“愛"に濡れ、女たちは艶めく花になる。(裏表紙より)

お、おもしろかった……。ちょっと女性向け官能レーベル侮ってましたすみませんでした。また新レーベル旗揚げかーと眺めていたんですが、ちょっと変わってそうなのが目に入って手に取ってみたらすごーく面白かった。
物語は、特殊な入れ墨のようなものが浮かぶ特異体質の女性たちが入団資格を得るという、昼間真っ当な公演、夜は十八歳未満入場禁止の公演を行っているサーカスを舞台にしている六編の短編集。
艶女と呼ばれる女性たちは大きく二種類。鳥の艶絵が浮かぶ性に奔放な人と、花が浮かぶ男を待つ人と。巡り会いを待つヒロインもいれば、奔放に遊びながら手探りで愛を探している人もいたりなどして、その違いが面白かったです! でもみんな、することしながら黒々としていたり、過去に囚われていたりする仄暗さがいい。
サーカスという舞台がまた面白かったので、もっと演者としてぎりぎりする感じも欲しかったかなと我がままを言ってみたい。姫王子やら見初められた女の子やらも可愛くていいんですが、私はこういうのが読みたいんだ官能小説で!! と思いました。TL系読まない人に、ちょっと読んでもらって感想を聞いてみたい作品でした。
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