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ルリユール (一般書)
黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします。魔法のような手わざ、傷んだ過去の思い出も、静かに包み込んで——(帯より)

風早街関連作品。風早の街に、祖母と叔母の初盆を迎えるためにやってきた瑠璃。一緒に行くはずだった家族は色々忙しいので瑠璃だけ前乗りだ。そこで、魔法のように本を修復するルリユールの外国人女性が住んでいるらしいと聞く。
自分の居場所を見失いかけ、後悔を胸に抱えている少女・瑠璃が、不思議なものを認める心の広さを得ていくための物語だったと思いました。これだけでは瑠璃の展望が開けたわけではないけれど、様々な可能性の種が眠っている年頃なので、ここから新しいものを見つけていくんだろう。
本の修復師ルリユールの女性、クラウディアの存在が、赤毛で魔女めいていて自信たっぷりでとっても可愛い、というのが村山さんの書くとっておきの女の人、という感じだなあ! 素敵だ。最新鋭の端末は、これ村山さんがツイッターで言ってたやつだーと思った。お好きなんだなあ。
特別、本の物語、というわけではなく、本を受け取る人たちの物語なので、本の物語を期待するとちょっと惜しい感じもするかもしれません。現実の中に、魔法の要素が完全に流れ込んできているので、そういう不思議さが面白かった本だと思いました。
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