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9.11で父親を亡くしたオスカーは、父親の持ち物から小さな鍵を見つける。鍵の入っていた封筒に書かれていた「ブラック」が手がかりだと思ったオスカーは鍵穴を見つけるため、街中のブラック氏を訪ねることを決意する。多くのふれあいや出来事の中でオスカーは自らと、そしてあの時の後悔と向き合う。

深い悲しみにさらされた少年が、同じく取り戻せないものや悲しみを知る大人たちと出会うお話、という感じでしょうか。アスペルガー障害を持つオスカーは、普通の人以上にうまく生きられないからこそ、世の大人たちがこういうものなのだ、仕方ないのだと諦めて受け入れることに「何故だ」と問えたのかもしれない。オスカーがアスペルガー障害を持っているというのは最初あんまり強くは感じなかったのですが、数字に強いこだわりを持っていたり、音に対して敏感で両耳をふさいだりという仕草でああなるほどと思いました。
ブラックさんたちの反応は、「あなたの悲しみを共有している」というメッセージなのかなという気がしました。好意的な反応は悲しみを、否定的な反応はそれでも許せない怒りを。母親のリンダに対してハグをしてくれるブラックさんを見た時、ふとそう思いました。
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Author:月子
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