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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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東京のある下町に、年金で暮らす初枝と、押しかけてきた夫婦の治と信代、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。散らかった家で、万引きで生活する一家は、ある日幼い少女が放置されているのを見かねて連れ帰る。秘密を持ちながら身を寄せ合い、擬似的な家族を形成する彼らだが、その日々は終わりを告げて……。

年金暮らしと強請りとは言えない強請りで生活する初枝。わけありの信代と、息子に万引きを促す治。言われるままに万引きをしながらゆり/凛がきたことで少しずつ自らのあり方に疑問を抱き始める祥太、妹の名前を使いながら孤独に生きる亜紀、虐待を受けてこの家族に迎えられることになったゆりことじゅり。
すべてがすべて、寄せ集め。本当の家族ではなく、みんながみんな小さな罪を塗り重ねて、この日々を保っている。それが社会の常識という正しいあり方によって崩されてしまうことは、本当に正しいのか。
正しいんだよ、でもそれだけじゃない。罪を重ねることでしか救えないときもあるかもしれない。そんなジレンマを感じる良い作品でした。
役者さんたちがすごくよくってねえ。人生に疲れたような、軽薄で、けれど奥底にどうしようもない孤独や空白があるような。物語が進む中で、寄せ集めのものが少しでもその孤独を慰撫しているような、そんな雰囲気が感じられて。初枝の死が終わりで、始まりなんだという、否応なく変わるものを感じさせるのも、切ないしやるせない。
大人たちは自らの罪を償う必要があり、どこへも行けない子どもたちはもしかしたらどこかへ行けるかもしれない、外の世界に出て行ける可能性の種を手に入れられたであろうとわかるラストシーンがよかったな。
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Author:月子
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