読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
フィーネによる月の欠片の落下、「ルナアタック」を阻止した響たち。聖遺物ソロモンの杖の強奪事件の最中、歌姫マリアは翼とのライブ中にシンフォギアをまとい、自らをフィーネと自称し全世界への宣戦布告を行った。かくして、響たちは、アメリカの聖遺物研究機関F.I.Sと対立していくのだが……。
響、翼、クリスが普通に学園生活を送る一方、同じシンフォギア装者のマリア、調、切歌と戦うことに。転生を繰り返すフィーネであると自称するマリアだが……? という感じでまた戦う女の子が増えてます。戦うときに歌うんですが、攻撃中など力を込めるときにも、歌っている声が力を振り絞っているのが、実はすごく好きなんだなあと気付きました笑
歌はいつもちょっと聞き流す感じになってたんですが、未来の歌がすごく好きだなあと思いました。
マリアの髪型とか髪色とかボディラインとか、見た目がめちゃめちゃ好みどストライクです。
ウェル博士の小物っぷりとか、全世界に生着替え(変身)中継かとか、マリア迷いすぎとか、いろいろ突っ込みどころはあるんですが、地球規模のでっかい戦いになっていくのとか、一期ではちょっとうざいかもしれないと思っていた未来がすごくいい立ち位置にいるところをいいなあと思って見ました。
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女の世界は恋の話題で溢れている。でも、なじめない人間だっている。恋愛願望がなく、感情に溺れられない29歳の喜世美。猫と同居し、ブログでだけ自分を解放できる26歳の翔子。勤続12年、次長の肩書きもあるベテランだが「前向き」が嫌いな35歳の鈴枝。男とつきあったことがないわけじゃないけれど、恋愛は苦手——そんな女性たちの本音をリアルに軽やかに描き、明日へのエールをおくる小説集。(裏表紙より)
特に結婚したいわけじゃないけれども、恋愛や結婚というモノから逃れられない、26歳、29歳、35歳の女性たち。悩みがそれぞれ段階を踏んでいるように感じて、ひええ……ってぶるぶるしながら読みました。男日照りがどうこうって焦っているわけじゃないのに、ランチ先で三人つるむようになったってところに、わかるーって思うような、やっぱりつるんじゃうのかって苦笑いしちゃうような。
恋愛に発展させるつもりがあれば次に進めるだろうに、自分の気持ちや周りの状況が見えすぎてて、ブレーキをかけるところがかっこよくてちょっと寂しい。気になる相手とのやり取りのちょっとした失敗なんかはごく普通に日常の延長でしかなくって、男性との出会いもそこかしこに転がっていて……っていうラストの雰囲気がよかったなあ。
趣味には理解者が必要だが、理解者に振り回されてはいけない。なぜなら趣味は、あくまでも個人的で我儘なものだからだ。この本は、啓蒙本でも入門書でもない。飛行機模型や庭園鉄道をはじめ、多くの楽しみを知る著者が、韜晦も含めて記す優雅な趣味の日常と思考。単行本未収録の連載3回分を含む完全版文庫化。(裏表紙より)
庭園鉄道のことは知っていたけれども、改めて、こんなにたくさんおもちゃを持っているのかあ、と思いました。これだけものがあっても、これだけ並べるところがあれば楽しそうだ。
趣味のことを、親が笑って見守ってくれるとか、やりたいと思ったことをやらせてくれるっていうのはいいなあとしみじみ。趣味を持つとか楽しむとかって、認めてくれる人がいないと結構難しいことかもしれないと最近思うので。
代々『王家の蝙蝠』と呼ばれる諜報活動を生業としてきたラグランド伯爵家。ある日、当主である祖父に呼び出されたアイリーンは、兄の不始末から突然跡継ぎに指名されてしまう。しかし、アイリーンは筋金入りの男嫌い! 婿をとって子など産めるかと即座に拒絶したところ、とんでもない男が部下としてやってきて!? その恋は、死ぬほど甘い蜜の味——。男嫌いの荊姫と退屈を持て余した切れ者従者との、人生を賭けた甘くて危ない下克上ラブ!(裏表紙より)
フェチズムがすごい笑 『幽霊伯爵の花嫁』の宮野さんらしい、普通の皮を被りながらいろいろぶっとんだ設定や会話が非常に楽しくて、ときめきました。
男嫌いな上に、超絶美女で女たらし、諜報任務もお手のもの。主人たる王女殿下の覚えもめでたい完璧な女性。切れ者というよりは、相手の考えていることを即座に見抜いて恐れられてきた青年ヴィルは、そんな彼女の超然とした態度にどんどん引き込まれていく。
二人のやりとりで、普通にひっぱたいたり、足で踏んづけたり、蜂蜜を口移しにしたり、もう本当にエロスとフェチズムがすごいんですよ! アイリーンの超人ぷりに惚れ惚れすると同時に、どきどきしちゃいました。
この作品は、フィクションです。
僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そしてこれが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である『小説家』が描く物語よりも奇妙だった。(裏表紙より)
小説家になりたいと思っている『僕』。新歓コンパに乱入してきた全裸の『バカ』と関わるようになって、大学生活を放り出して執筆し始める。同級生の売れっ子作家、辛辣な甲斐抄子に近付き、やがて……という話から、いつの間にか創作なのか現実なのか分からない挿話が挟まって、あとがきを読んで悔しくなりました。第一章読み返したくなったわ!
全裸=自分の作品、さらけ出したもの。バカ=小説にとりつかれた者なんですね。バカはバカでも、愛すべきバカだなあなんて最後に思ってしまったのは、私自身もやっぱりバカだからなんでしょうかね。
認定特異災害「ノイズ」の襲撃により、ツヴァイウィングのライブ会場にて重傷を負った立花響。二年後、再び街中でノイズに襲われた響が記憶にあった歌を口ずさんだ時、シンフォギアシステムが作動する。二年前の重傷の折、命を賭して自分を救ってくれたツヴァイウィングの片割れ、天羽奏の力の一部が響の体内に残っていたのだった。かくして、響はツヴァイウィングのもう一方であった風鳴翼とともに、ノイズと戦うことになるが……。
大事な片翼が命と引き換えに救った響に憎しみを抱きながらも、やがて彼女の強さを認めて共に戦う翼。親友に本当のことが言えずすれ違いながらも生きようと決意する響。そんな響の真実を知りながら自分に出来ることをやろうとする未来。なんのために戦うか、迷いながらも心を強く固めていくクリス。少女たちの熱さが詰まってて、歌と戦闘と学園(ちょっとだけアイドルも?)ロマンに溢れた作品でした……。
歌からのエンドロールへの移動の仕方がかっこよかったなあ! ベタな展開ほど熱く感じられて、うおおおって思ってました(単純)。
グリーンヴァリー王国の姫として生まれた白雪姫。母親である王妃をなくしたコンラッド王は、白雪姫のために新しい妃、レディ・クリスタルを迎える。しかし直後コンラッド王は戦況悪化の知らせを聞いて戦場へ。残された白雪姫は継母とともに国を守ろうと考えるが、豹変したクリスタルは王国を乗っ取って、自らを女王と名乗り始めた。
童話の白雪姫をモチーフに、だいぶと話を膨らませてファンタジー要素を入れて子ども向けにした作品です。全52話。
白雪姫の誕生から狩人に見逃されて森へ逃げ込むまでの序盤、七人のドワーフたちとの生活をする中盤(白雪姫の生活力が上がる家事編、ドワーフのジョリーとの冒険編など)、白雪姫が王女としての自覚を持ち始める終盤直前、そして不思議な力をもってして様々な種族と協力し悪魔を打ち倒す終盤、となっています。
王子様であるリチャードと出会って別れてから、なかなか再会しないのがじれったかったです笑 ドワーフとの生活で家事力が上がっていく白雪を見るのは面白かったんですが、いかんせん長かった。多分実際に二年から四年くらい月日が経っているんじゃないかと思うんですが。
愛されて育った少女らしい白雪姫が、家事力を身につけて冒険の旅にも出て、王女の自覚を持って自分に何ができるかを考え始め、もって生まれた愛嬌と優しさをもっていろんなゲスト敵キャラを退けるという成長を、非常に面白く見守りました。教育が行き届いていない村に、仮設だけれど子どもたちの遊び場兼学びの場を作るという展開は、おおーっと思いました。
火地風水の力と、ドワーフ、妖精、ゴブリンなどの種族と協力し合うというのもメルヘンならではという感じがしたり。リチャードとの別れも、彼がナイトの称号を得るための修行に行くためだというのだったり、父王が連合軍を率いて戦った経験があったりと外側では結構大人の事情が絡んでそうなところも面白いなあと思ったんですが、自国がたいへん(後妻と娘が決別して、娘はドワーフの森へ、後妻が権力を握って好き勝手放題、実際は悪魔に魂を奪われていて)という状況をまったく知らないのは、ちょっと可哀想だな……と思いました。
この白雪姫なら、純粋で人を疑わない部分と、しっかり者で意外とちゃっかりしているところをうまく使って国を治められそうです。子どもの頃、少しだけ見ていた記憶があったのですが、OPとED以外まったく覚えていなかったので新鮮な気持ちで見ました。面白かったです。
12歳のゴーディ、クリス、テディ、バーンの四人は、それぞれに問題や歪みを抱えながらも、いつも一緒に遊んでいた。ある日、行方不明になっていた同級生の少年ブラワーの死体を見つけたというバーンの兄たちの会話から、「死体を見つければ英雄になれる」と考えた四人は、死体が置かれている場所に向けて線路沿いを歩く旅を始める。
家庭環境に問題を抱え、心に傷を持ち、それでも12歳のあの時四人で一緒に冒険をした、という過去を、大人になって作家になったゴーディが回想する。
少年時代、言い合いをしては殴り合いをして喧嘩をしても四人でいた不思議とか、口汚いところとか、年上の不良たちにやられてしまうとか、見ているとこう言いようのない閉塞感と一瞬のきらめきみたいなものを覚えて、苦しい。そしてクリスがこの街を脱出したはずなのに、最後に死んでしまったのが悲しくてやりきれない。取り戻せないものがたくさんあるなあ……。
身のうちに病を飼い、未来を望まぬヤクザ「藤堂」、記憶を喪い、未来の鍵となる美少年「穂」、未来を手にせんとする男「沖」、沖と宿命で結ばれた異能の女「蛭雪」、未来を望まずにはいられぬ少年「誠」、誠と偶然で結ばれた異能の女「戊」——縁は結ばれ、賽は投げられた。世界は、未来は変わるのか?
本屋大賞作家、冲方丁が若き日の情熱と才能をフル投入した、いまだかつてない異形のエンタテインメント!!(裏表紙より)
ヤクザと異能もの。伝奇というのかな。ヤクザの抗争に、異能を持つ集団が関わって、この世界の裏側に存在する不可思議な力を交えて戦うことに。
主人公たちの中でメインの藤堂。刑務所に行ったこともあるヤクザで、ずっしりした大人かと思いきや、作品全体がすごく若々しい雰囲気になっていて、重くもなく軽くもなく、っていうバランスが不思議だ。穂が無垢というか、まっさらゆえに最強っていうところがすごく好きです。
この作品が原点として、これ以降の冲方丁作品をみていくと、いろいろ要素が見えて面白いなあ。
物心ついた頃から“ブス”だったわたし。子供の時に参列した結婚式に憧れて、せめて誰かの幸せな瞬間を演出したいと、ウェディングプランナーの職に就いた。様々なお客様が人生の門出を祝おうとホテルを訪れる。そんなわたしが、やり手の美形上司・久世課長に求婚された!?「香澄さん、ずっと探していました。あなたのような…絶世のブスを」「はぁ!?(怒)」
ここでは、誰もが人生の主人公になれる。
受賞後、コバルト文庫の公式サイトで公開されていた試し読みを読んで「なんだこれめっちゃ面白い」と思って買いました。読みやすくて面白くて、でもちょっと痛くて、泣き笑いになってしまう物語だった。
何せヒーローがひどい。「あなたはブスだ」とことあるごとに言う。ギャグかと思ったら周りの反応から香澄が本当に、お化粧でも変身させることができない絶世の不美人だということが分かる。それが読んでいて常に刺さるので、痛いような泣きたいようななんとも言い難い気持ちになる……。お話としては、ウェディングプランナーというお仕事ものなので、成功や大きな失敗を経て「この仕事が好きだ」と感じるものになっています。絶世の不美人っていう言葉が嘘だと思うくらい、もう本当に香澄が性格がよくて仕事ができるいい子なので。頑張れ、私も頑張る、という気持ちになりました。