読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

他人に認められないと、自分が愛せない! 気鋭の精神科医が世相と精神医学を架橋する。
表紙がイラストなので、何故精神医学の本にイラスト……? と思ったら、AKBやエヴァなどに絡めて、現代の若者の精神学を語る始まりだった。コミュ力、コミュ障、キャラの単語が飛び交う「思春期解剖学」の章は面白かった! スクールカーストについても書かれていて、なかなか分かってるじゃん……となるなど。しかし「承認」について書かれているところがびしびしびしびしと刺さって痛い……。私は多分これ。
他人の許しがなければ、自分を愛することすら難しい。承認依存とは、つまるところそういうことだ。「ひきこもり」にしても「ニート」にしても、あるいは、いわゆる「新型うつ」から就活の悩みの須田んに至るまで、どこにでもこの問題が見て取れる。
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ラインハルトが輝かしい「黄金獅子旗」のもとに、歴史と宇宙をねじふせる行動を開始したころ、政府による謀殺の手から部下とともに脱したヤンは、かかげる旗のないままに「不正規隊」を自称していた。迷走する自由惑星同盟政府——そこにもたらされたのは皇帝ラインハルトによる同盟政府への弾劾と和約の破棄、そして再度の宣戦布告であった。首都ハイネセンへとせまる帝国軍艦隊。その報を聞いたヤンは、「イゼルローンに帰るか……」とつぶやく。魔術師ヤン・ウェンリーの新たな智略とは!?(裏表紙より)
政府の思惑によって殺されそうになったヤンは、仲間たちによって救出され、同盟を離反した。その同盟は、ヤンの脱出劇によってレンネンカンプが拉致され、死亡したことを理由に、帝国から宣戦布告を受ける。
イゼルローン放棄の際、ヤンたちが仕込んでいったものが発揮される巻。意外と普通の策というか、当然というかな種明かしでした。
ユリアンが無事に合流してよかった。恋の予感もあるので生暖かく見守ることにしよう。
そしてまた人が死んでいく。流星みたいだなあ……。

その朝、ヤン・ウェンリー家を訪れたのは、半ダースほどのダークスーツの男たちだった。来訪の目的は、ヤンの身柄の拘留。容疑は反平和活動防止法違反。それが、かつては彼を英雄としてたたえた同盟政府のふるまいだった。権力を信奉するものたちにとっては、帝国・同盟にかかわらず、ヤンは認めがたい存在であったのだ。連行される夫を見つめていたフレデリカは、すぐさまシェーンコップへと連絡をいれる。数多くの軍功をあげた「薔薇の騎士」連隊が、ヤン救出のため叛乱の狼煙をあげた——。(裏表紙より)
二ヶ月しか保たなかった、ヤンとフレデリカの平和な新婚生活。ついに同盟を離反することになったヤンたち。一方、地球教を探るユリアン。そんな感じで、新しい戦いを感じさせる準備巻だったかなと思います。好かれているヤンがやっぱり好きだ……。そして、どんどんラインハルトは孤独になっていく。

その日、巨大な光の柱が立ち上るとともに、突然前世の記憶が甦る《昔返り》という現象が世界のあちこちで起きた。辺境の村に住む少女・アナベルは、竜の力を持つ太陽王・ソールへの前世の恋心を思い出し、更に《昔返り》を鎮める力を得てしまう。そんな彼女の前に、太陽王の《昔返り》を名乗る青年と、前世で彼に仕えた者たちが現れて……。かつて覇権を争った竜の王たちと、鎮めの乙女が紡ぐ、運命と記憶のラブファンタジー!(裏表紙より)
前世は平凡な少女。今世でもさほど変わらない村娘のアナベルが、鎮めの乙女の力に目覚め、三百年前の世に生きていた太陽王ソールを始めとする伝承の人々の生まれ変わりに関わっていくファンタジー。独特の世界観、しっかりめの物語、普通の女の子が当たり前に生きている感じ、がすごく出ていた、好みの恋愛ファンタジーでした。続き読みたいなあこれ。
りんごが特徴的によく出てくるんですが、話の中できゅうっとなったのは、アナベルが自分でパイを食べるところ。落ち込んだとき、すごく悲しいとき、ケーキをホールで食べる、というのは、現実でもファンタジーでも共通するような気がして、もうきゅんきゅんしました。こういう「女子!」な風景が、すごく好きだ……。

これから君は、幸福な人生を生きなくちゃならない。どんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。
『14歳からの哲学』の著者が贈る人生の教科書。(帯より)
「友愛」「個性」「性別」「意見」、「勉学」「歴史」「社会」「道徳」、「戦争」「自然」「宇宙」「宗教」、「言葉」「お金」「幸福」「人生」という16のテーマで、14歳の君へ語りかける一冊。
人が、人生が、世界が、そして自分が、こうあればいいなあ、ということが詰まっている。ブログについて書いてあるところで、誰も彼もが発信して、誰かに認められないと自分であることができないなら、いったいどこが「自分らしい」ということなのか、と書いてある最後まで読んで、真顔になりました。すみません……。

宇宙暦799年——ついに銀河帝国の玉座へとのぼりつめたラインハルトだが、いまだ宇宙には平穏は訪れていなかった。即位の後、キュンメル男爵邸において彼を襲った刺客。それは〈地球教団〉がたくらんだ陰謀だった。ラインハルトは首謀者への制裁を決意する。一方、軍を退いたヤン・ウェンリーは、かつての副官フレデリカとの結婚をはたしていた。しかし、軍事的英雄であるヤンの存在を、帝国は危険視していた。そんななか、地球へと旅立つユリアン……。歴史の歯車が再び動きだそうとしていた。(裏表紙より)
地球という場所の歴史が導入の飛翔篇。表紙のフレデリカのウェディングドレス姿がとっても可愛い。
帝国の支配を受けることになった同盟ではヤンは退役してフレデリカと結婚、一方、新しく帝政を敷くラインハルト。ちょっと一息つく巻でもありましたが、それでも速攻で命を狙われるラインハルトにちょっとどきっとしました。
最後にちらりと出たロイエンタールの周りの話に、乙女ゲージがぎゅーんと上がりました。自分の命を狙った女性を家に連れ込んで無理矢理物にした挙げ句、なんだかどっちも惹かれているっぽい雰囲気がまじ少女小説。たまらん。この二人どうなるのかなー。

自由惑星同盟の期待を背負い、首都ハイネセンを離れたヤン・ウェンリーは、敵の補給路を断つべく、ゲリラ戦を展開。強大な軍事力を誇る帝国軍にも、遠く離れた敵地での物資調達というアキレス腱があったのだ。神出鬼没の同盟軍に翻弄され、苛立ちを募らせる帝国軍の提督たち——業をにやしたラインハルトは、自らが戦場の前線において、ヤンを誘い出すための囮になることを決意する。壮大な構想と緻密な計算のもとに張りめぐらされた巨大な罠。帝国と同盟、互いの存亡をかけた戦いが、ついに幕を開ける!!(裏表紙より)
こんなに早くヤンとラインハルトが戦うとは思わなかった!
そして、ヤンとフレデリカはおめでとう! 死亡フラグを立てるからどうしようかと思いましたが、無事に戦いが終わってよかったです。しかし大丈夫かこの夫婦。なんだか家事が心もとないような……。
同盟と帝国、二人の天才が邂逅したところは胸が熱くなりました。まったく違うタイプの二人で、歳の差以上にラインハルトは偉そうだし、ヤンの方が丁寧ですが、お互いがお互いの深いところを理解している雰囲気が、なんだかにやにやするような、そわそわするような、ちょっと嬉しい空気を作り出していた会見だったと思います。

著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。(カバー折り返しより)
人から読みなさいとすすめられた本。すすめてくれた方の立場がむにゃむにゃ……なところがあって、ちょっと穿った読み方をしてしまったのですが、非常に道徳的な内容のものだったと思います。
生きていく中で、「あの時、どうして動けなかったんだろう、何かしてあげられなかったんだろう」と内容の大小はあれど後悔して、忘れられないことがいくつかあります。それを思い出させるのが「雪の日の出来事」の章。
こうあればいい、と思うことが詰まっている一冊でした。

貴官の判断によって最善と信ずる行動をとられたし——首都ハイネセンから届いたその訓令文に対して、ヤンがとった行動とは「イゼルローン要塞の放棄」だった。フェザーン自治領を帝国軍に占拠された今、自由惑星同盟の存在は風前のともしびであり、すべての命運はヤン・ウェンリーの双肩に託されることになったのだ。帝国軍の忠誠を一身に集める存在、ラインハルトを倒すこと。それが同盟に残された唯一の勝機であると考えたヤンは、ラインハルトに決戦を挑むため、イゼルローン要塞をあとにするが……!?(裏表紙より)
イゼルローン要塞の放棄、からの、ラインハルトとヤンの前哨戦、という感じ。これから戦いが始まるのか、という中で、なんだか何人かに死亡フラグが見える気がするんですが……! これでいきなりヤンが死んで、ユリアンに代替わりしたらどうしよう! とか。キルヒアイスの件ですっかりトラウマです……。
ところで、ヤンが仕掛けていった数年がかりの罠っていったいなんなのかな。気になる。