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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが……。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!(裏表紙より)

『銀二貫』が面白かったので、評判のみをつくし料理帖シリーズも読み始めました。最初の、まだ戸惑っている澪が、ゆっくりと人に、町に馴染んで、繋がりを得ていくところがとても染みて、面白い。ある瞬間の繋がりに、あっとなって、うるっとしてしまうのは、人情が色濃く描かれる時代小説の醍醐味だなと思います。ひとつひとつの話がまとまりよく進んでいくので、ふーんと思っていたら、最後の話で泣かせにかかられて!
実は酒粕汁も心太もあまり好きじゃないので、美味しそうに感じられなかったのだけが残念です。偏食な自分がちょっと恨めしかった。
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ドラフィル!〈3〉竜ヶ坂商店街オーケストラの凱旋 (メディアワークス文庫)
音楽の”竜“は、“王者”に挑む!
 再び季節はめぐり、次の竜ヶ坂祭りに向けて練習を続ける『ドラフィル』のメンバーたち。しかしそのさなか、響介のもとにある奇妙な依頼が舞い込んだ。依頼者の名は、七緒の育ての親であり、彼女を見捨てたはずだった女性——一ノ瀬真澄。その内容は真澄の姉であり、世界的ヴァイオリニストの羽田野仁美が所有するヴァイオリンの鑑定であった。所持した者に不幸を呼ぶという呪いのヴァイオリン《チェリーニ》に酷似した、その楽器の正体とは? そしてドラフィルの演奏会の行方は——。(裏表紙より)

ドラフィル三巻で完結巻。音楽と家族の物語。ドラフィルにまつわる、一ノ瀬家と羽田野仁美の因縁もようやく解き放たれる三巻です。そのせいか、中盤から暗い雰囲気がつきまとう。簡単に解消されないとはいえ、一ノ瀬姉妹の自責は重いなあ……。
「音楽家は音楽で語れ」というのを最後まで貫き通した三巻で、音楽を奏でなければ分かり合えないことが悲しいのやら、凄まじいのやらという親子です。絶対に譲れない一線を持つ、七緒と羽田野仁美は、理解しながら決別の道を辿る……という、最後まで研ぎすまされた関係の二人だったと思いました。
音楽に取り憑かれた愚か者たちの、不器用に迷いながら勇ましく戦う物語でした。濃かったー。
ミッション:8ミニッツ [DVD]
目覚めると列車に乗り、見知らぬ女性と会話していたスティーブンス。状況を確認してみると、どうやら自分はまったく別人になっているらしい。直後、列車は爆発。再び目覚めたスティーブンスは、自分が八分間だけ列車の中のショーンなる人物になり、列車爆破事故を皮切りに始まる連続テロ事件を阻止する任務に就いていると知る。八分間だけを繰り返し、果たしてテロの最初の事件は阻止できるのか。

ループものと聞いたので見てみることに。やっぱり時間ものって面白いなあ! 繰り返す中の、ちょっとした異なりや、登場人物の心理的負担でぎりぎりになっていくところが、面白くて好きです。神経をすり減らしてループするって、いい……。気付きつつあったけど、上手い閉鎖空間ものが好きなんだな自分と思いました。
途中からそういうことなんだろうという予感はあったけれど、改めて突きつけられる辛さとか。知ってなお助けたいと思うほど短い時間の中で芽生えた思いとか。たぎるわー。時間ものは想像の余地があって楽しいです。段々頭の中がごちゃごちゃになりますが! ぎりぎりしている中で、はっとするシーンがあってすごく面白かった。
艶蜜花サーカス ~フィリア・ドゥ・フェティソ~ (フルール文庫 ルージュライン)
“艶女"——それは、想い人と性交し本当の女の悦びを知ることで、背中や腰に花や蝶や鳥などの絵が浮かんだまま、入れ墨のように定着する特異体質。これは妖艶な旅回りのサーカス一座「フィリア・ドゥ・フェティソ」を舞台に繰り広げられる、彼女たちの恋と愛に満ちた六篇の物語。スターと恋に落ち艶女になる飴籤の売り子。演出家との恋で自身も強く成長していく新米の艶女——“恋"に泣き“愛"に濡れ、女たちは艶めく花になる。(裏表紙より)

お、おもしろかった……。ちょっと女性向け官能レーベル侮ってましたすみませんでした。また新レーベル旗揚げかーと眺めていたんですが、ちょっと変わってそうなのが目に入って手に取ってみたらすごーく面白かった。
物語は、特殊な入れ墨のようなものが浮かぶ特異体質の女性たちが入団資格を得るという、昼間真っ当な公演、夜は十八歳未満入場禁止の公演を行っているサーカスを舞台にしている六編の短編集。
艶女と呼ばれる女性たちは大きく二種類。鳥の艶絵が浮かぶ性に奔放な人と、花が浮かぶ男を待つ人と。巡り会いを待つヒロインもいれば、奔放に遊びながら手探りで愛を探している人もいたりなどして、その違いが面白かったです! でもみんな、することしながら黒々としていたり、過去に囚われていたりする仄暗さがいい。
サーカスという舞台がまた面白かったので、もっと演者としてぎりぎりする感じも欲しかったかなと我がままを言ってみたい。姫王子やら見初められた女の子やらも可愛くていいんですが、私はこういうのが読みたいんだ官能小説で!! と思いました。TL系読まない人に、ちょっと読んでもらって感想を聞いてみたい作品でした。
ルリユール (一般書)
黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします。魔法のような手わざ、傷んだ過去の思い出も、静かに包み込んで——(帯より)

風早街関連作品。風早の街に、祖母と叔母の初盆を迎えるためにやってきた瑠璃。一緒に行くはずだった家族は色々忙しいので瑠璃だけ前乗りだ。そこで、魔法のように本を修復するルリユールの外国人女性が住んでいるらしいと聞く。
自分の居場所を見失いかけ、後悔を胸に抱えている少女・瑠璃が、不思議なものを認める心の広さを得ていくための物語だったと思いました。これだけでは瑠璃の展望が開けたわけではないけれど、様々な可能性の種が眠っている年頃なので、ここから新しいものを見つけていくんだろう。
本の修復師ルリユールの女性、クラウディアの存在が、赤毛で魔女めいていて自信たっぷりでとっても可愛い、というのが村山さんの書くとっておきの女の人、という感じだなあ! 素敵だ。最新鋭の端末は、これ村山さんがツイッターで言ってたやつだーと思った。お好きなんだなあ。
特別、本の物語、というわけではなく、本を受け取る人たちの物語なので、本の物語を期待するとちょっと惜しい感じもするかもしれません。現実の中に、魔法の要素が完全に流れ込んできているので、そういう不思議さが面白かった本だと思いました。
侵略する少女と嘘の庭(MF文庫ダ・ヴィンチ)
お姫様は内緒で戦士募集中。
早川牧生はK中学の2年生。ある日牧生は、幼なじみである唯と琴美に「運命の相手」を見つけるという占いをさせられる。その占いで細工をした牧生は、いるはずのない「運命の相手」を探しに学校の裏庭へ向かうことに。そこにいたのは、校内でも有名な美少女だが暮らすに馴染まない不思議な少女・中山りあだった。切なくも優しいファンタジックストーリー。(裏表紙より)

MF文庫Jから出たものの新装版。清水さんはだいぶ前に『ネペンテス』しか読んだことがなかったので、久しぶりに読んだら爽やかさと痛い感じと薄暗い感じがほどよい感じに混ざってて、もぞもぞする感じがよかったです。
悪魔的な言動の美少女りあに振り回される、牧生。悪魔的な女の子ってこういうことを言うのね、という絶妙なところで同い年の子たちの辛いところを抉るりあが、かっこいいと感じるくらいすごい。異分子として幼馴染み四人組の中にやってきたりあは、関係性の変化のきっかけだったんだな。
若干不思議要素もありつつ、大人になるべく一つ階段を登る少年少女の物語でした。嘘三部作、機会があったら読んでみたい。
帯のデザイン (レイアウトスタイルシリーズ (別冊))
「レイアウトシリーズ」とは、様々なレイアウトの作例を、デザイン要素ごとにテーマ分けして特集していくシリーズです。作品のビジュアルだけではなく、制作者のデザインコンセプトを掲載すると共に、可能な限り使用されているフォントと用紙を併載しました。
別冊となる本書は、書籍にまかれる帯のデザイン特集です。日々大量に発行されている書籍の中から、優れた帯デザインを多数ピックアップして、ジャンル別に収録。ブックデザインの要素として、「帯」をフィーチャーし、効果的にデザインされている作品を紹介します。(カバー折り返しより)

ブックデザインの本はあれど、帯に注目した本ってなかなかないと思ったので。「趣味・実用」「アート」「文藝」「エンターテインメント」とデザイナーさんへのインタビューが収録されています。やっぱり文藝に注目してしまうのは、好きだからだ。
フォントや用紙やデザイナーさんの名前が掲載されているわりに、写真の取り方がもうちょっとどうにかならなかったのかとか、デザイナーさんのコメントが載るべきところにインタビューしきれてないじゃんというコメントが載ってたり、若干惜しい作り。けれど、帯デザインについてのコメントが面白く、どういう目的意識を持ってそれを作ったのかが覗けて面白かった。
ドラフィル!〈2〉竜ケ坂商店街オーケストラの革命 (メディアワークス文庫)
“鐘”が響くとき、“竜”は再び現れる。
『お前にこれ以上、ヴァイオリンを続ける価値はない』
 相も変わらず、竜ケ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』でコンマスを続けていた響介。しかし急にかかってきた父・統からの電話と唐突なその物言いに、響介のヴァイオリンの音色は大きくかき乱される。
 そんな彼に発破をかける七緒だったが、彼女の元に送られてきた『ある物』により事態はより混迷を極め——!?
 商店街の個性的なメンバーで贈る「音楽とそれを愛する人々の物語」待望のシリーズ第2弾が登場!(裏表紙より)

ドラフィルシリーズの二巻目。今回もたっぷりどっぷり音楽と人のお話でした。この物語の重みはなんなんだろうなあ。音楽というものが、才能の重さがとても大きいからだろうか。最後の話に向けて、悩みが深くなり、ゆっくりともがきながら進んでいき、最後の瞬間に理解がやってくる感覚が、この話がすごく面白いところだと思っています。
一巻目は母と娘の物語だったのが、今回は響介と父親の物語。今考えると、そこに至るまでの話(連作中編の形になっているので)がちゃんと全部伏線になってるのがすごい! それぞれの家族の形があるけれど、根底にあるものはみんな似ているのかも。
最後の定演のシーンはやっぱり震える。面白かった。
RDG6 レッドデータガール    星降る夜に願うこと (カドカワ銀のさじシリーズ)
泉水子は〈戦国学園祭〉で能力を顕現させた。影の生徒会長・村上穂高は、世界遺産候補となる学園トップを泉水子と判定するが、陰陽師を代表する高柳は、異議をとなえる。そして、IUCN(国際自然保護連合)は、人間を救済する人間の世界遺産を見つけだすため、泉水子に働きかけ始めた!?

泉水子と深行は、だれも思いつかない道のりへ踏みだす。姫神による人類滅亡の未来を救うことはできるのか——。ついにRDGシリーズ、完結。(カバー折り返しより)

アニメのクライマックスだった五巻の印象を引きずっていたので、エピローグ的な話かと思いきや、高柳との決着があったり、その他にも事件があったりと、完結巻らしい(でもこのシリーズらしい)山場と終わりがある六巻でした。
泉水子が学園に居場所を見出し始めたことから、流れが変わっている予感があって、彼女の出した答えがなんともらしく、それでいて一気に集結する感覚がすごかった! というのは、機会があったので荻原さんの特集をやっていた雑誌の「ユリイカ」を読んだので、「どう結末をつけるのかと思ったら、泉水子に集結していったのがすごくて」という佐藤多佳子さん上橋菜穂子さんとの対談を読んですごく気になっていたのでした。本当に、その答えは意表をつかれた。そういう考え方もできるんだ、と驚きもしたけれど、この話の、姫神と世界とはどういうものなのかを考えると、すごく納得がいってしみじみすごいと思った。
深行との関係は、そのシーンで彼が呆然とする気持ちが本当によく分かって、大変なのに噴き出してしまった。殺し文句だよなあ。気持ちがわからないのは相手も同じ、というのをすごくよく現したシーンだ。言われてもいないのにそうと行動できない、現代っ子な深行が、ラストシーンで行動に出たのでぎゃーと叫びました。二人で未来を決めていく、というごくありふれたささやかに思える幸せが、またいい。
というわけで、このシリーズの読書もこれでおしまい。最後にアニメ主題歌「スモルワールドロップ」を聴いて、きゅーんとしました。面白かった!
図書館の魔女(下)
「ことば」を身につけゆくキリヒトと、「ことば」を操る図書館の魔女・マツリカ。二人だけの秘密が、互いの距離を近付けていく。だが、一方で、周囲の強国との緊張関係は高まるばかり。発言力を持つがゆえに、一ノ谷と図書館は国内外から牽制され、マツリカを狙う刺客まで遣わされる。迫る危険と渦巻く陰謀に、彼らはどう立ち向かうのか。(帯より)

拍手!! 41字×18行×800ページの下巻。長かった。でもちゃんと終わったー……!
下巻の内容は、マツリカが片腕の自由つまり声を奪われ、一の谷とニザマとアルデシュという三つの強国が戦争回避のために動く、大きな巻。
図書館の魔女の本領発揮で、知謀知略を尽くすマツリカがかっこいい。世界観の創り込みと文章と展開のせいでそうとは感じ取れないようになっていますが、マツリカが最強過ぎる。だからこそ、腕が使えなくなってキリヒトに縋るシーンは苦しく悲しく、そして可愛らしかったりするのです。
そうなんです、大人たちの陰謀が渦巻いている中で、マツリカとキリヒトの可愛らしさ!! 少年少女!! ところどころこいつらかわいいな!? というところがあったのですが、最後に大サービスしてくれて笑み崩れました。でも最後だから切ないんだ……。演出が憎すぎて、でも少年少女いい……と胸がきゅうっとなった。
すべてのことが終わったわけではなく、ここから始まる物語です。キリヒトという少年がマツリカに出会ったことで己の未来を決めていこうとするところは、マツリカが狂ったような世界に相対しなければならないと感じ決意を固めていくところも合わせて、王道なボーイミーツガールかも……と思いました。二人がまだ若いというのがいい。これからどんな困難があっても、二人が繋がっていようとする清々しさが感じられる。
マツリカ自身は何も変わっていないように見えて、最後の最後で涙を見せてくれた。キリヒトは、出会うべきものと出会い、そして旅立った。いつか帰ってくるという自分自身の望みを抱いて。丁寧に描かれていた上巻の、図書館、高い塔に至る道を今度は出て行く方向に辿って行くところが、素晴らしかった。山深いところから、今度は海に出て行く、その変化が展望となって感じられて、すごかった。
いい本でした。面白かったー!!
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Author:月子
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