読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「きみのお母さんが生きている」
突然アレクサンダーから告げられてダンは呆然とした。しかも「お母さんの復活に伴ってお父さんも蘇ってくる」とは何事だ!?
ところがこの“彼”の再生体が連邦情報局によって強奪された!
己の中に本物の彼を宿しているルウは困惑し——そして奪われた“彼”を追って連邦に乗り込むが!?(裏表紙より)
再読? 当時デル戦の知識しかなかった状態で読んでいて、この辺でもう無理と思って投げた覚えがある。
リィとシェラが終盤になるまで出てこないので、ああこれはスカウィの世界なんだなと思う。
ケリー周りの事情説明が長いよ! と思いながらも、その長さの後に『彼』が出てくるのが非常に嬉しくてにやっとした。次の巻ではどんな無茶な無双、チートをやってくれるんだろうか! 早く夫婦は再会しろ!
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「俺の後宮へようこそ、《水の一族》の姫君」妹姫の身代わりにメガロス皇国での役目を終え、帰国の途につくシェルタだったが、その直前、バラド国の王太子ラスールに囚われてしまう。シェルタは後宮に押し込まれ、バラー教の導師である少女カフラマーンと出会い、自身と力に疑問を抱き始めて……。
アヴェント三巻。よく考えたら一年近く積んでいた……。
シェルタの秘密の伏線や、カルフの自覚回でした。殿下! 殿下! 普段は地味なのにシェルタが危機に陥ると発揮される男前ヒーロー具合がたまらない。カルフはいつもは結構不器用な人だと思うのですが、意志の力が強いためにそれが誤摩化されているというか。つまりは理性ぱーんおいしいですごちそうさまでした。「それなりに健康的で平均的な男」ばくしょうした。全然平均じゃないよ偏差値高すぎだよ!(床ばんばん!)理性がぐらぐらしているヒーローはたいへん好物です。
シェルタを置いて、牽制し合っているソティラスとカルフの組み合わせが大変好きです。お互いを認め合っている感が心地いい。いいなあと思う。シェルタの祝福は大変可愛らしかったです。
世界の秘密にどう関わっていくのか楽しみなので、続きが読みたい。

「テオバルト。愛しているから、あなたを忘れる」
囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた王子テオバルト。支配した者とされた者として出会った2人は、長い旅の果てに恋に落ちた。だが運命は、二人が互いを守ろうとする気持ちすら弄ぶ。
アマポーラのため、テオバルトは人外のものに。そんなテオバルトを救うために、アマポーラは彼の記憶を捨てた。それでもなお平穏は遠く、アマポーラは命を狙われ続ける。懸命に守ろうとするテオバルトだが、彼女はその存在すら拒むのだった……。
たとえ同じ時間を生きられなくても、たとえすべてを忘れてしまっても、君を守る——。宿命の愛と冒険の三部作、ついに完結!!(裏表紙より)
面白かったー!! 面白かった! 私の乙女心がたいへん満足しました! これは少女小説好きにもすすめたいライトノベルだな!
お互いを思い、守りたいがためにすれ違ってしまう。月神と悪魔の戦いが二人に安寧を許さない。そんな中での、この必死に手を伸ばし、触れたいのに触れられないと一歩退いてしまうじりじり感がたまらない。切ないなあ切ないなあ!
アマポーラがいい子すぎると感じるところはあるけれど、この話はこれでいいよ! 姫だけれど芯の強い彼女が好きです。テオバルトとエレンの、歌のシーンは思わず涙が込み上げた。不器用な疑似家族、でも本当に親子である三人の、長い長い旅の終わりが幸せな結末でよかった。
本当に面白かった。ときめきました。

「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
その一言から、二人の長い旅が始まった。囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた第二王子テオバルト。支配した者とされた者。反発していた二人は、やがて恋に落ちた。だが——旅路の果てに待ち受けていたのは、辛く、悲しい別れだった。
忘れられない。傍にいることはできないけれど、あなたのために生きていく。共に誓う二人だったが、テオバルトには生命の危機が、そして、アマポーラには望まぬ婚姻が舞い込んでくる。
「テオバルト。愛しているから、あなたを……」
無慈悲な運命にあらがい、立ち向かう。強く切ない愛の物語!(裏表紙より)
面白かったああ! 1巻を読んだときは美しく切ない物語だなあ面白いなあと思ったくらいだったんですが、この巻が震えるくらい面白かった。電波を受信したのだろうか。
敵国の王女と王子は、周囲から必要ないとされ追われる立場になりながらも、恋に落ちた。神と竜と伝説が生きる世界で、二人は離ればなれになりながらも、相手をいつまでも想い続けていた。この設定だけで大変美味しいですありがとうございます。
1巻からさほど時間が流れていない状態で、アマポーラとエレンのその後の日々、そしてテオバルトの日々が綴られていく。月神フォスの敵、悪魔キャンディットの存在が、二人を脅かし始める。そして、過去の罪までもが。
一般人としては何も出来ないながらも、王族として誇り高く、一度困難に折れ、それでも顔をあげるようになったアマポーラの、儚く凛とした美しさ。一生懸命さ。ひたむきさ。その恋の切なさがとても胸を打ちました。三巻読むぞー!

黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第二弾、講談社文庫に登場!!(裏表紙より)
面白かった! 卒論の準備のために伯父の別荘を借りた拓也は、近くの別荘に住んでいる二人の兄弟と知り合う。彼らに異常なほど厳しい父親、年齢の割に派手な叔母、その卑しい息子。そして心をなくした母親。複雑な環境にある彼らの遊び相手は「あっちゃん」なる人物だという。そのうち、その周りで奇怪な事件が起こり始める。
推理ものではないこういう小説も好きなのである。黒々として、少年たちの謎めいたところがとてもよかった。最後まで歪つなまま終わるのも好きだ。面白かったなあ。
でも結局、小学生たちの事件はどういうことだったんだろう。

祝福の鐘が鳴り響く——。ここは教会。なぜか、ウェディングドレスを着たオレ。新郎は姉の会社の社長・西園孝也。オレが大っ嫌いな奴だった。唯一の肉親で、わがままだけど憎めない姉・真由奈の結婚を祝福するつもりでいた。なのに、姉の結婚式ドタキャンで、男のオレが花嫁の「身代わり」に!!? 交代するはずの空港にも姉は姿を見せず、新婚旅行まで連れていかれて…。姉ちゃん、どうにか「初夜」には間に合ってくれ…!!
不本意ながら、男と男で南国ハネムーン♥(裏表紙より)
設定が無理矢理でありえねー! と思いながらも、無人島で二人きりというはなかなかえろかった!笑 敬語の攻めはとてもセクシーでした。
しかし二人きりだというのに襲われた次の日なのに日中普通に過ごしているとか、姉の明らかにおかしい言動に疑問を抱きながらも従ってしまう尚吾は、なんだかやっぱりちょっと変な子だったな。それにこういう本ってお姉さんの性格がいいというのはあんまりないのかなあ。天然で純粋すぎて馬鹿っぽかったり、あくどいところがあるのに憎めないと弟に思われている姉だったり……。要研究だな!


雪が降り続ける世界。普通の人と目の色が異なるオッド・アイの少女ハルカと弟のユキジは、異能を持つために悪魔と呼ばれ、教会に追われていた。ハルカは心を失った双子の弟ユキジの手を引いて〈楽園〉を探す。旅の最中に出会った青年ウォーテンは二人が悪魔であることを知っても態度を変えなかった……。一方、悪魔を狩る役目を担う「狩人」の青年ルギは、教会に疑問を抱き始めていた。ハルカとユキジは、〈楽園〉の在り処を知るが、「狩人」たちに追い詰められて……。
——お願い。なにも望まないから、なにも奪わないで。
第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作。(裏表紙より)
私が読んだのはノベルズ版。文庫版も貼っておく。
初夏の暑い日に、アイスクリームを食べながら読む。
静まり返った世界で、白い息を吐きながら、歯を食いしばったり、熱い涙を堪えたりする話だったなあ……と思いました。切ない。しんとする。悲しいけれど、一生懸命前を向いて目をそらさないでいたい。主人公のハルカが、心をなくした弟の手を引いて雪原を歩く、そのシーンの美しさが。美しい逃亡者のお話だったなと思います。
人の優しさ、醜さ。神の在処。楽園を求める少女たち。展開は予測できていたけれど、空気感の美しさに引き込まれました。面白かった。
サンホラーな私は「ねえ、その楽園にはどんな花が咲くの?」という話だなと思ったりしました。
作者さんがお若くしてデビューしていてびっくりする。はああああ……すごいなあ!

ある寒い冬の日、売れない絵描きの部屋をたずねてきたふしぎな猫の魔法で、壁に描いた「窓」のなかでは、毎日暖かい春の風景がひろがる。そこに絵描きは思いがけないものを見つけ……(「春の窓」)。
あなたを、知らぬ間に、身近な日常の空間から、はるかな空想の時間へと連れゆく、安房直子のメルヘン。「北風のわすれたハンカチ」「あるジャム屋の話」など、心がほぐれ、やすらぐ、十二作品を収録。(裏表紙より)
「白いおうむの森」を読んだ覚えがあるのですが、もう忘れてしまっている。安房直子さんは、しっとりとしたメルヘンなのに、どうしようもないやるせなさというか、悲しさというか、ちょっと寂しい雰囲気が漂っているところが好きです。というわけで久しぶりに読んでみた。
収録作品は「黄色いスカーフ」「あるジャム屋の話」「北風のわすれたハンカチ」「日暮れの海の物語」「だれにも見えないベランダ」「小さい金の針」「星のおはじき」「海からの電話」「天窓のある家」「海からの贈りもの」「春の窓」「ゆきひらの話」。
一番好きなのは「あるジャム屋の話」かなあ。鹿の娘がジャム屋を手伝いにきた、二人で店を大きくしてきた、男はその日々で十分だと思っていたけれど……。その、十分だったんだよ、人間になんてならなくていいんだよ、というところが切なくて。
「春の窓」も素敵なメルヘンでした。魔法を使える猫! 素敵!

海賊王トルハーンと天才指揮官ギアスの激しい戦闘に巻き込まれたカリエ。狙撃手として敵の提督を銃で撃ったものの、自らも肩に銃弾を受け、海に落ちてしまう。傷の痛みと水の冷たさで意識が遠のく中、なんと敵の旗艦に救助されるという強運に恵まれるカリエだったが、呼吸は止まりかけ、体はぴくりとも動かない瀕死の状態に。それを知ったトルハーンとバルアンはある決断を迫られるが!?(カバー折り返しより)
海賊生活は終わり、カリエはルトヴィアへ。平和なルトヴィアでの生活だったが、王宮に巣食う魔物がカリエを覆い始めて。
6巻からちょっと一息ついてる感じですが、大人たちが不穏な空気を抱きつつ動いているので怖いよーでも面白いよーという。カリエは選択できないと考えているけれども、多分選択せざるを得ない状況に追い込まれるのだろうな。
バルアンはどうしてるんだよおい。そしてエドのことを思い出さないカリエちょっと!笑

大学の授業開始を一週間後に控えたデービットは、張り紙を見てとある下宿先を訪れる。「子どもと猫と龍が好きな方」。家主のリズ、その娘のルーシーとの生活を始めたデービットは、陶芸家でもあるリズの作品の龍を譲り受け、名前を付けた。その日から、デービットは龍と力を合わせてルーシーのための物語を書くことに。
もっとファンタジーしてるのかと思ったら、現代ファンタジーでした。龍と暮らす生活っていいなあ! 私も龍が欲しい。
思ったよりも会話文が多くて、ルーシーがよく喋るしよく邪魔をするので笑った。十一歳でこれってちょっと落ち着きがないなあ、でもこれが普通かなあと微笑ましく思う。振り回されるデービットがいい人で、ちょっとかわいいな。楽しい同居生活×龍×ファンタジーでした。
個人的に、ガウェインとグウィネヴィアの話をもっと! 本の、後ろの見返しの絵、すごく好きなんですけど!
シリーズのようなので、続きも読んでみたいです。
オススメされた作品でした。面白かったです! ありがとうございました!