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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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 サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
 そう――表向きは。
 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
 死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
 第23回電撃小説大賞《大賞》の栄冠に輝いた傑作、堂々発進!(カバー折り返しより)

アニメ視聴後、あまりにもあまりに面白すぎて原作を買ったわけですが、読み始めると続きが読みたくなって身悶えするのがわかりきっていたのでだいぶ長いこと積んでしまっていたやつ。ようやく一巻を読んで、最後のあのシーンにうるっとする。いやまだ泣くのは早い。まだそのときじゃないぞ私。続刊でちゃんとその道に到るんだから!
人間が人間とそれ以外を区別してしまった共和国。前世代のそれを引き継いだ状態で出会ってしまった少年少女たちが、自分たちのできることや誇りを胸に戦う。「いま」彼らがいる世界でその道は決して交差しない。それがわかっているけれど、でも、と祈る気持ちがラストシーンにつながるのは感動的で、続きを読まなければという気にさせられる。世界の終わり、国家の終焉、いつ終わるともしれない戦いは待っているけれど、きっとみんなで行けるところまで行くよね。
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特別な目を持つ少女×病を抱えた旦那様の明治シンデレラロマンス
 幼い頃に火事で全てを失い、劣悪な環境で働く蒼。天性の観察眼と記憶力で苦境を生き抜く彼女の心の支えは、顔も知らない支援者“栞の君”だけ――しかしある日、ついに対面できた彼・城ヶ崎宗一は、原因不明の病魔に冒されていた。宗一専属の看護係として城ヶ崎家に嫁ぐことになった蒼は、一変した生活に戸惑いながらも、夫を支えるために医学の道を志すが――?
 文明華やかな帝都・東京。「サトリの目」で様々な謎を解明しながら、愛されること、恋することを知る少女の物語。(裏表紙より)

家事により天涯孤独となり、記憶すらも失った蒼。虐げられることに慣れ、生かされていることに感謝する彼女を、強かな人々は利用し、踏み付けにする。悪辣な資産家に嫁がされそうになった蒼を助けたのは、ずっと蒼を支援し続けていた城ヶ崎宗一。看護しろと言われたのに、彼はそれを翻して蒼に妻になりなさいという。
冒頭の、めちゃめちゃに虐待されている描写、いつになく読んでいてきつかったのはやはり蒼の思考停止感とこれはだめだという葛藤がものすごく真に迫ってくるからなんだろうなあ。さすが栗原さんです。
だから宗一が助けてくれてほっとしたし、その後もちらちら見え隠れする残酷性も、危ない男感があってすごくよかった。
「サトリの目」なる、ホームズを思わせる凄まじい観察眼と、医学と知識を絡めた謎解きも面白かった。もっといちゃいちゃしているところが見たいので続巻お願いします!
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裁判官も人の子。重い刑を言いわたす前には大いに迷うし、法と世間の常識のギャップに悩むこともある。頑なな被告人の心を揺さぶった言葉を厳選。ベストセラー『爆笑お言葉集』に続く涙のお言葉集!(Amazonより)

実際の裁判で裁判官が被告人に投げかけた言葉をまとめた本の二冊目。
女性裁判官の話が出てきたのは面白かったので、他の人の話をもっと読みたいなあ。
法律と過去の判例と照らし合わせて、それ以上の量刑にすることができない。または社会的状況を鑑みて、追求しきれない部分がある。そういうところを上手くやらなければならない、裁判官の心中はどんなものなんだろう。その時々で変わるんじゃなく、揺らがない信念を持って裁判に挑み続ける人たちなんだよなあ。心が強くないと続けていけない仕事だ。
「呪詛」
念願かなって施設から娘のドゥオドゥオを引き取ったリー。リーは動画配信を通じて視聴者に語り始める……娘と自分に襲い掛かる数々の怪異とその原因。娘が生まれる前、ある都市伝説系動画配信チャンネルを持ち、彼氏と彼のいとことともに山奥の心霊スポットに足を踏み入れたこと。その際自身と娘が呪われたことを。

視聴者に語りかける冒頭、イヤな予感しかしないよね! その通りだったね!
いやもうまじで巻き込まないでくれや……というホラー作品。
山奥の、特殊な信仰を持つ人々の聖地に足を踏み入れたことで、恋人と彼のいとこを失い、結果的にお腹にいた娘をなにものかに捧げてしまったリー。呪いが発動したことで怪異に追われ、日常生活も損ないつつあるリーは、娘を奪われる恐怖に耐えながら呪いを解く方法を探す。
ビデオ撮影を通じて何が起こっているかを描写するので、何か見切れてそうで怖くて怖くて。そして実際に起こるんですよね。リーの見てないところでドゥオドゥオが何かに語りかけていたりするところ、やっぱりと思ったし怖かった。
結末をもって、視聴者がどう思ったか知りたかったなあ。めちゃくちゃ話題になって大騒ぎになったりしたんじゃないだろうか。
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莫大な遺産を相続した才賀勝は、身内に命を狙われ逃亡していたところを、拳法家の加藤鳴海に助けられる。亡くなった祖父の言いつけで助けを求め、勝を「お坊っちゃま」と呼ぶ人形遣いのしろがねも合流し、勝は自らの境遇に立ち向かうが、それは長く長く続く人形と人形遣いたちの運命とともにあった。

序盤も十分面白かったんですが、中盤から加速度的に面白くなった印象で、特に過去編の正二、アンジェリーヌ、ギイ、フランシーヌのエピソードは涙なしでは見られず……。人の心とはこういうものかと、フランシーヌの最後を見届けて思ったのでした。だから現代での、エレオノールを見届けたアルレッキーノ、パンタローネの最後もただただ号泣でした。誰かに幸せになってほしい、笑ってほしいと願うこと。それは間違いなく愛で、それを知っている人形は心を持った人と同じなのだ。
こじらせにこじらせた鳴海とエレオノールは、もう早くなんとかなれよ! とずっと思っていて。あまりに頑なな鳴海に、早く誰かぶん殴ってくれとぎりぎりしていたので、勝が共闘するくらい強くなったこと、最後に役目を引き受けて鳴海の背中を押したことはよくやった!!! という気持ちでいっぱいでした。
語りたいことはたくさんあるけれど、最終話の最後にカーテンコールがあったのはめちゃくちゃ嬉しかった。人生は舞台、本当にそうだ。
「闇はささやく」
夫の仕事の都合で田舎に引っ越してきたキャサリン。だが移り住んでいたその家には何かがいた。不自由な田舎暮らしに、怪異に見舞われ、周囲の人々から話を聞いて隠された真実に近付くキャサリン。同時に夫ジョージの異常性も浮き彫りになり……。

田舎の古い家に引っ越し、霊現象に見舞われるようになったキャサリン。明らかになったのは、この家で「夫が妻を殺す」惨劇が繰り返されているということ。
面白いのは幽霊が、それも殺された妻の方がどうやらキャサリンに味方しているらしいところ。本物の悪意を持った霊は悪意を持った人間に語りかけて唆すのが印象的。不安や恐怖といったマイナスの感情を増幅させるというあれですね。だいぶ悲惨なのに最終的には、善きものは善き場所へ、悪しきものは悪しきところへ行くという展開なんですが……救われたって言っていいのか? 繰り返されるなら根本的な解決はできなかったのか? と思ってしまう。しかし「家の中」っていう余所者がはじかれる場所の出来事だし難しいのか……。
とにかくジョージの凄まじいクズっぷりが最高に怖くてよかったです! 何が怖いか、「人間が一番怖い」を地でいくやつでした。
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いくら食べてもおなかがすいて、直ぐに倒れてしまう18歳の大島小鳥。原因不明のまま、病欠つづきでついに高校を留年してしまった。行き倒れていたところ、美貌の料理人・坂頼兼に助けられ「僕と結婚しませんか」と提案され——? 形ばかりの奇妙な同居生活、居心地が良くなるにつれ膨らむのは「彼はなぜ私を助けたか」という疑念。もしかして私のこと、“生贄”にしようとしてる? 舞台は鎌倉、怪異が彩る年の差契約結婚譚。(裏表紙より)

食べてもお腹が空く謎めいた体質のせいで普通とは程遠い18歳の小鳥は、ある日行き倒れたところを助けてくれた青年のおにぎりによってわずかばかり症状が和らいだことに気付く。実はこれは小鳥の体質とこの世ならざる「夜ノ人」と呼ばれるもののせいで……という、人とこの世ならざるものと御饌が絡む、ご当地もの。舞台は鎌倉です。
結婚したもののお互いに恋愛には遠い感じ? 彼が自分のことを好きだったらいいなあなんてほのかな気持ちがありそうな小鳥ですが、頼兼はどうかなあという感じですね。少なくとも家族として守ろうとしている感じがわかるのがじれったくてもどかしい! ちょっと距離が縮まってはいるものの、もうちょっと、もうちょっと何か……!
しかし結婚の際の誓約書をたくさん書いたっていう描写はだいぶ面白かったな。かわいらしかった。
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「誰でもいいから、彼女になってくれんもんかね」「本当に誰でもいい? 私でも?」他愛ない会話から、クリスマスまで期限つきで夏帆は拓海とお試し恋人になる。
 放課後の帰り道や、休日のお出かけ。これまで彼氏のいなかった夏帆はじゃれあうように"恋人"の距離を楽しんでいたが、気づけば本気で拓海の誠実さに惹かれていた。でも片思いだからと気持ちを伝えられない夏帆。そんな時「早くこの期間終わらんかな」と拓海が二人の関係を終わらせたがっていることを知って……!? 特別書き下ろしストーリー「放課後」も収録。(裏表紙より)

お試しで付き合ってみた二人の「もう最初から好きじゃん!!!」のツッコミが吹き荒れるお話。きっかけは恋人になってみたことだけれど、人は接点を持つことで早川さんなり三浦くんなりが見たり聞いたり感じたりする「気付き」で好意を持ったり愛情を感じたりするんだよなあということがすごくわかる作品でした。「人を好きになる」「いいなと思う」ポイントが的確すぎてさすがです。
二人のすれ違いも勘違いもよくあるもので、好きになりすぎちゃうと不安になるよねえと微笑ましいくらいでした。
しかし気になる残りの恋愛模様よ!!! 心と嘉一が気になりすぎて小説家になろうに掲載されている他の人物の話を読みに行って案の定号泣よ! 他の話も書籍化お願いします!!!
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強面で知られる青年騎士ダグラスには、忘れられない相手がいた。
敵国の捕虜時に出会い、己の体に強烈な“体験”を刻み込んでいった黒髪黒目の“少年”だ。そんなダグラスは、少年瓜二つの奴隷の少女チカを買い、夜な夜な奉仕させるも彼の“モノ”は沈黙を保ったまま……。
一方、チカは自分のご主人さまが過去弄んだ男だと知り、冷汗モノ。どうぞ、このまま不能でいてください、と“愛玩奴隷なのに処女”ライフを決意するのだが、思いのほか優しいダグラスに気持ちが揺れ動く。
そして、ついにダグラスはチカと“少年”の影を重ね合わせるようになり……。
“ご主人さま”復活の日は近いのか――!?
ワンコ系筋肉騎士と処女奴隷の誤解が織り成す異世界ラブコメ&エロライフ!(Amazonより)

異世界トリップによりこちらにやってきたチカはある国で性別を偽っていた過去がある。性奴隷として仕込まれたチカを買ったのは、なんとそのとき辱めたダグラス。あのときの少年とは気付かれないまま、いまでは不能となってしまったご主人様の家政婦扱いとして平和に暮らしていたけれど……というエロコメ? コミカライズを読了済み。
チカの視点と、彼女の知識以上のものの情報を出さないようにしているらしい話運びですが、結構この異世界の決まり事がきつそうな描写がちらほら。いまではそれなりに異世界生活を楽しんでいるみたいだけれど、読んでいるとだいぶチカが心を折って、諦めている感じがあるよなあ。
ただのTL小説ではなく、ヒーロー側がいじめられたりなんだりする展開が多め。こういう多様性のある作品がもっと読みたいな。
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「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。さまざまな手段で人気と知名度を上げるが、ある出来事がグループの存続を危うくする。恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル……“アイドル”を取り巻く様々な言葉や現象から、現代を生きる人々の心の形を描き表した長編小説。解説・つんく♂(裏表紙より)

歌うこと踊ることが好きだった愛子は、成長してアイドルになった。メンバーの卒業、少女たちの身体の成長、周囲の目を含めて変化に翻弄される愛子。現代社会と当事者の視点から読む、アイドルを描いた作品。
続けてだいたい成熟した仲のいいアイドルグループが登場する作品を読んだり見たりしていたので、それから一歩引いたような「これってどうなんだろう」「これは本当に正しいのか?」と思考する作品で面白く読みました。
かなり刺さったのは愛子が碧に対して「前髪が動かない」と言ったあのシーン。そう、アイドルの前髪はすごい。子どもの頃から前髪がうねうねして固めたところで結局だめになる人間としては、愛子の台詞がすごくリアルでよかった。
それから、アニメ好きのメンバーの一人が炎上したあのエピソード。無料だから、配信サイトで見られるから、とお手軽になりすぎてしまった中で、自分の好きなものがわからなくなっている。その空気はこの作品が刊行された2015年から時間が流れたいまでもあると思う。むしろ、だからこそ「推し活」がもてはやされるみたいにして「好きなものがある」と主張しなければ息苦しい時代になったんじゃないか、なんてことを考えた。
でもきっと朝井さんが書きたかったように、そうした空気はいつか変わるし、何が正しいかなんて価値観は時代とともに変化するから、と励まされた気がします。彼女たちが時を経て武道館に立ったラストは希望そのものだった。
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Author:月子
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