読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
作り手と売り場、そのふたつを結ぶために。出版社の新人営業マン・井辻智紀は今日も注文書を小脇に抱え、書店から書店へと飛び回っている。しかし取次会社の社員には辛辣な言葉を投げかけられ、作家が直々に足を運ぶ「書店まわり」直前にはトラブルを予感させる出来事が……。井辻くんの奮闘をあたたかな筆致で描いた、本と書店を愛する全ての人に捧げるミステリ短編集第二弾!(裏表紙より)
成風堂シリーズの番外編シリーズ。出版社の営業社員が、書店さん、作家さん、自社の人、他社の人と関わり合いながら本を届ける、そこで発生する大小の事件の謎を解く連作短編。
一巻目は井辻くんの営業マンとしての成長も含めていたので、ちょっとうっとくる言葉や展開もあったのですが、二巻目はそこまで感じなかったかな。むしろみんなが一生懸命作家や書店を守ろうとしているのを強く感じて、なんだか温かい気持ちになりました。
「新刊ナイト」がハラハラした分、すごくいい結末でじんわり染みた。「君とぼくの待機会」は大きな賞の裏側を知らないと書けない話だったので真相になるほどと思ったし、どの出版社の人間も台無しにさせるかと走り回っているところが賑やかで、仕事に対する熱意を感じてよかったなあ。
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