読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「今日からそなたは私のものだ」戦国の火種くすぶる京の都。天才的な能の才を持つ男装の舞姫・白火は名門一座の次期太夫・蒼馬に連れられ嵐山に行くことに。しかし、泉で水浴びをしていた白火は、その姿を美貌の皇子・帯刀に見られてしまう。しかも、彼女を見初めた帯刀は無理矢理白火をさらい、抵抗する白火を「それも一興」と強引に自分のものにしようとして——!?
第8回ビーンズ小説大賞、読者賞受賞の能楽恋絵巻、第2幕!!(裏表紙より)
能楽と恋の和風ファンタジーの第二巻。拉致監禁の上、触られーの抱きしめられーのキスされーので、これはちょっとあれだわあと思いました。そこはぎりぎりのところで止めておこうよ! ヒロインが別の男とキスしちゃだめだよ!! と思いながらも楽しみました。帯刀がこんな風にたいそうひどいので、蒼馬の影が薄いのが残念でした。私が蒼馬が大好きなんだ! 喋り方が好きだ。粋なところが好きなんだー!
白火が「帰りたい」と泣くところは、本当に切なかった。白火はかわいい。それだけに帯刀がひどかった。帯刀は次以降から蒼馬にこれでもか責められればいい! と思っています。
この感想、帯刀がひどいとしか言ってないな!
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《聖櫃》の“鍵”となった、ヴァンパイアの少女ツキシロ。《悪魔》の契約者たちは、じょじょにツキシロの孤立化をはかっていく。さらに、イブリスの半身である謎めいた《天使》も、ついに行動を開始し——。「《聖櫃》を閉じる…たとえわたしが、死滅することになっても——」《聖なる下僕》としての覚悟を決めたツキシロに、主人のギブ神父が出した答えとは……!?
スカーレット・クロス セカンド・シーズン、驚愕の急展開——!!(裏表紙より)
じわじわと追いつめられていく感があるセカンド・シーズン第三巻。ギブとツキシロはそれぞれに自分の気持ちを自覚し、なのにまだ若干すれ違っているところがじれじれします。もっと素直になれよー! かと思うと、《聖櫃》関係では次第に後戻りのできない道に進んでいくギブとツキシロ。
この巻の最後は悲しかった。オウカさん……。ツキシロは一体どうなるんだろうという引きで、次巻に続く。

東京ディズニーリゾートのとっておき秘密ベスト10、やっぱり知りたい舞台裏事情など、徹底取材で解明した150の秘密を大公開します。知ってました? 東京ディズニーシーは実はアメリカのボツ企画だったって。絶対に別の場所で同時出演しないミッキー驚異のスケジュール管理の真相は? どこが違う、TDRとUSJなど、世界最高権威の研究集団による究極のディズニー雑学集大成。(裏表紙より)
ディズニーリゾートの裏話本。私はディズニーランドに一度しか行ったことがないので、アトラクションの名前があってもぴんと来ないのですが、なるほどそうなのかと思って読みました。
キャスト応募についての話が面白かったです。そういう風に決まるのか。
ディズニーリゾートに限らず、ウォルト・ディズニーの有名な逸話の話もあったりと、雑学本として、とても興味深かったです。

吉原にある男の遊郭『花降楼』に売られた椿は、やがて十八になり、いよいよ水揚げ(初めて客をとる)の日を迎える。大勢の男たちが争う中、大金を積んでその権利を競り落としたのは、広域暴力団組長・御門春仁だった。御門はその後、椿の許に通ってくるようになる。財力を背景に、鷹揚に椿の贅沢を許し、我が儘を楽しむかのような御門に、椿は…。大人気! 花降楼シリーズ第四弾!!(裏表紙より)
面白かったです! 男の遊郭もの。裏の紹介文を読んでいなかったので、シリーズものだと気付いていませんでしたが、このままでも読めます。ぱらぱらと登場人物が出るのでシリーズなのかなと思うくらいです。これ全シリーズ読みたいんですけど!(遊郭好きなんだなあ、多分)
ツンツンツンデレな美少年と、鷹揚なやくざの組長のカップリングです。遊郭内でお話が進むので、ヒーロー役の御門が通ってこないと話が始まらなくて、御門の背景で何が起こっているのかがあんまりよく分からなかったのが残念! 御門にもっと男前を見せてほしかった!
しかしツンな美少年受けはかわいかったです。手練手管を知っている娼妓のくせに、御門の前ではぐだぐだに崩れてしまうところがいい。くそーなんでこれが女の子じゃないんだ! イラストも相まって女の子にしか見えないのに!

貧しいながらも町医者として、やりがいを感じて生活していた娘——珠華は、謀略によって、一夜にして王宮で暮らす公主になっていた。
誰一人味方のいない王宮、わからない作法にとまどい混乱する珠華だったが、持ち前の明るさで、公主にしかできないことをしてやろうと気持ちを切り替える。
一方、王として自覚のない、若いへたれな春慧は、珠華のペースに巻き込まれ、やがて二人は……!?(裏表紙より)
あらすじではシリアスっぽいですが、「へたれ」という単語がある通り、どこかコメディな印象のある今回の巻。ヒーローが年下弟系へたれってめずらしいな!(花嫁シリーズは男前ヒーローが多い印象なので)
珠蘭公主がたいへんひどかったので、珠華にはがつんとやってほしかった気もしつつ、珠華の王宮での言動は気持ちよかったです。明るく元気な女の子! というのをびしびしと感じたので、気持ちよく読めました。
国王春慧も珠華のおかげでかっこよくなっていっていたので、できればこの続きを読んでみたいな! 年下の女顔のへたれを返上してぜひ珠華を攻めまくってほしい。

玄武書房辞書編集部。新辞書『大渡海』の刊行を目指し、荒木はとある冴えない風貌の男「まじめ」を営業部から引き抜く。まじめは言語に関する変わり者だったが、みるみる辞書編集の能力をしめしていく。荒木、まじめ、西岡、佐々木、岸辺、そして松木先生。言葉を愛する者たちの辞書作成クロニクル。
面白かった! 本当にみんな変人ばかりだけど、仕事をに誇りを持っているってかっこいい! 自分のやりがい、できること、折れたり悩んだり不安になったりするけれど、一つの大きなことを達成していくことは仕事をする上での大きな喜びなのだな。
たくさんの人たちが次の世代にバトンを渡していくという話なのですが、それが作中にも登場する「言葉は生き物」という言葉ではとどめきれない、時間というものと合わさって、読んでいると切ないような嬉しいような気持ちになって、とてもいいお話でした。
本そのものの仕掛けもあって、楽しい一冊でした。カバーの下をちゃんとめくるんだ!
しかし三浦さんの本は、本当に、中年からお年寄りな男性がかっこいいし、かわいいよなあ……とジジ好きにはたまりません。

出版社で編集の仕事をしている真也は、昔から触れたものの思いを読める能力の持ち主。強ければ強い思いほど鮮やかに読み取ることができる。ある日、会社の同僚のカオルに、アメリカで映画の仕事をしている父が帰国するから、迎えにいってほしいと言われる。父親が現れるものの、そのとき真也が触れたものからは、まったく別の光景が見えていた。
有川さんの『ヒア・カムズ〜』、キャラメルボックスの『ヒア・カムズ〜』のパラレルストーリー、という二つのお話が収録されています。どちらの家族のお話でした。
思ったより短いなというのが読了後の最初の印象でした。それでもじんわり面白かったですが、スパスパっとしたお話ではあんまりない、でしょうか。有川さんのお話は、どちらかというとちょっとミステリっぽく、いわゆる「いいお話」。パラレルストーリーの方こそ、有川さんの独壇場という感じのお話だった気がします。
パラレルストーリーの、「嘘をつく子」の話が、痛くて痛くて。だめな大人って、痛いけれど、こういう見方をすれば愛おしいのだな、と感じました。私はこっちも好みです。