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五人姉妹 (ハヤカワ文庫JA)
バイオ企業を率いる父によって、成長型の人工臓器を埋め込まれた葉那子には、臓器スペアとして4体のクローンが用意されていた。やがて無事に成長した彼女は、亡き父の想いをもとめ“姉妹”との面会を果たすが……クローン姉妹の複雑な心模様をつづる表題作、『永遠の森 博物館惑星』の後日譚「お代は見てのお帰り」など、先端科学が生みだす心の揺れを描いた9篇。“やさしさ”と“せつなさ”の名手による珠玉の作品集(裏表紙より)

再読。
『永遠の森 博物館惑星』の後日譚を含む、SF短編集。菅さんの短編は本当に素敵だ。うっとりする。ちょっとバッドエンドなところもあるお話も多いのも好きな理由のひとつ。
ロボット、試験官ベビーなどが普通に存在する世界の人々のお話で、主人公は女性が多くて、男女間の恋愛ばかりではなく、人の心が描き出されている……という風に感じました。表題作の「五人姉妹」は五人のクローン姉妹のお話で、会話や語り手の目線から浮かび上がってくるものが、切なく痛くて優しい感じ。
一番好きなのはやっぱり表題作かなー! これを再読して思い出したのですが、食パンを真ん中から食べるという行為にどうしてこんな親しみを覚えるんだろうと感じていた理由が、この「五人姉妹」にあると気付いて、うわーっと叫びました。初読時は中学生とか高校生だったと思うんですが……よっぽど印象的だったのだな。
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