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文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」……。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者——骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾!(裏表紙より)

本文1341ページ。分厚い。読み応えあったー。
記録に存在しない謎の明慧寺と、そこに集った謎の修行僧たち。禅と悟り。複数の事件が重なって、かなりややこしいはずなのに、分かりやすくて面白かった。禅についてはさっぱり分かっていないけれど、もしかしたら分かっているけれど言葉にできないという状態なだけなのかもしれない。これは四作目で、前作から少し話を引っ張ってきているけれど、説明が必要なところだけしかしていなくともちゃんと読めるのが本当にすごいな。
異界的でもあり、現実的でもあり。なんだか淵に立っていたような気がするな。みんなちゃんと人間なんだけれど、みんなどこかしら人でないような部分を抱えていて。うまく言えないけれど、面白かった。
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