読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

寂れた町に、音楽の『竜』が舞い降りる
音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は竜が破壊の限りを尽くした——と思える程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を、半ば強引に響介へ押し付けてきて——!? 竜ヶ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』を舞台に贈る、音楽とそれを愛する人々の物語。(裏表紙より)
おっもしろかったあああああ!! 特大ホームランでした。これはいい音楽もの! ライトノベルなキャラクターに硬派な文体とエンタメな物語で、更に感動があるというすごい話でした。面白かったー……。
一流の音楽教育を受けることができる環境に生まれ育ちながら、天才と凡才で分けるなら確実に凡才の方、という主人公・響介が、町おこし的なアマチュアオーケストラのコンサートマスターに迎え入れられて……というお話。メンバーが商店街の有志なので、商店街の人々のちょっとした問題を解決してみたりとちょっといい話があり、最後にこの物語の始まりとなった響介自身の真実が明かされていく、その最後に至るまでに繰り返される七緒の言葉、「その音楽に、永遠はあるか?」「音楽家なら音で語れ」がもう強烈に響いてきて、本当に本当に面白かった。
職人というか音でも何でも芸術家と呼ばれる人たちの始まりは、きっとこんな風で、そしてこの物語のように大切なものを精一杯抱えて、ひたすらに表現していこうとする人たちなのだ、という実感が染み渡りました。面白かったです。
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十年に一度の賭博祭に沸くアジェンセンの公都パールエルム。人々は互いの身分を隠すため仮装し仮面を被り賭博を楽しむ。そして精霊たちも集まるという不思議な祭りに心惹かれたジルとルシード。互いに内緒で王城を抜け出し、夜の祭りに紛れると……。その頃、北の強国オズマニアから若き王子オースが城にやってきた。ジルさえもオースの申し出に翻弄されることに‥‥!? 恋とお忍びの王宮ロマン!!(裏表紙より)
第四巻。オルプリーヌ問題がとりあえず落ち着いたものの、また新しい問題が、という巻。ジルとルシードにちょっとずつ変化が出てきているようで楽しい。特にルシードは、なんだかだんだんかっこうよくなってきているような! ジルが助かるよう祈ったからという理由で、神に勝利を捧げるためにトーナメントに、というところが非常にかっこよかった。
ところでこのシリーズ、変人ばっかか! とのけぞるくらい変な人がいっぱい出ていることに改めて気付いたんですが、よく考えなくてもまともな人が皆無だった。
とりあえず、新しい問題については次巻へ続く。オース王子がまだ微妙に掴めない人物なので、どんなトラウマを抱えているかどきどきします。
途中現れた不思議な子どもは、『銃姫』関係なのだろうか……と思いながら、次巻読む。

事故で両親を失った18歳の菱谷瀬那の前に現れたのは、亡き母の知人だという、中東の王国シハーブの王子カイサル。両親の借金を清算する代わりにシハーブに来いというカイサルに、瀬那はお金のことよりも寂しさから頷いてしまう。だが端整で精悍な容貌、財力とそれに見合う手腕を備えたカイサルは、猛々しく傲慢な悪魔のような男だった。無垢な瀬那は、カイサルが与える過剰な贅沢と、どんなに抗っても許されない夜毎の甘い凌辱が何を意味するのかわからず怯えるばかりで——。愛を知らない砂漠の王子の凶暴な純愛。(裏表紙より)
強引俺様で残酷な攻めが、「小鳥のような受け」(あとがきより)を束縛して酷いことを繰り返す、という、攻めの人が、相手のことをまったくと言っていいほど分かっていない上に、押せ押せ押せ押せの攻勢だったので、今まで読んできたものと感触が違ってなんだか面白かったです。瀬那のことが好きで、贅沢させて、何不自由ない暮らしを与えて、愛していると示しているのに! とカイサルの冷酷さと溺愛、純愛(?)が新鮮でした。そうか、俺様溺愛ってこんな感じなのか。勉強になった。

「がんがらじめ」「リンプインシャンスー」「ヤカンにお湯かけといて」——細かいことは気にしない。「まつがい」だからこそバシッと伝わる、焦りや緊張や思惑や本音がある。正しい日本語を超えた楽しい日本語。※本書は、爆笑、赤面、共感、おもわず拍手、などの含有成分は『金の言いまつがい』と同一ですが、読む方の体質により、より面白くなってしまう場合があります。ご注意下さい。(裏表紙より)
読んで思わず噴き出してしまう言い間違い=『言いまつがい』を集めた一冊。これは絶対に公共の場では読めない。
上記の紹介文にある「がんがらじめ」……私も昔は言えなかったし書けなかったです。パソコンで変換しようとして「あれ? 変換できない……」と間違いに気付いた次第。
収録されているのは、オカン、オトン、会社の同僚の話が多い気がしました。特にオカンの言いまつがいは絶品ですね! 笑った笑った。

第二次大戦終結直後、従軍看護婦だったクレアは夫とともにスコットランドのハイランド地方で休暇を過ごしていた。ある日、地元の人間に教えられてストーン・サークルを訪れた彼女は、突如異様な感覚に襲われ、意識が混濁する。気がつくと、古めかしい衣裳の戦士たちが眼前で戦いを繰り広げていた。逃げかけた彼女を捕らえた男の顔を見ると、夫にうりふたつ。こともあろうに、その男は夫の先祖だった。クレアは18世紀にタイムスリップしていたのだ!
世界中で人気沸騰のロマンティック・アドベンチャー巨編、いよいよ開幕!(裏表紙より)
1945年頃の従軍看護婦だったヒロインが、18世紀にタイムスリップしてしまうというトリップ・ロマンスの第1巻。18世紀の西洋の文化にあんまり詳しくないのですが、細かいところがすごい書き込まれているように感じられてすごく面白かった。クレアは20世紀の看護婦なのでもちろん医療知識があるわけですが、18世紀の民間療法との違いはもちろん、その地方の服装をはじめとした習慣や食事事情、城という場所の風景など、現代とは違うという書き方に本格的なタイムスリップものを実感しました。
1巻はじわじわと進んで、最後に特大の爆弾(ロマンスの)が落とされるわけですが、ここからクレアがいったいどうなるのか全然見当もつかなくて! クレアはとてもたくましくて賢い女性なので、ここからどうなるんだろうとわくわくしています。
オススメされた作品でした。ありがとうございました!

父の仕事の都合で田舎のボロ屋敷に引っ越してきたミツコ。だがそこには、何に未練を持って幽霊になったのかも忘れてしまったダメ幽霊が住み着いていた! 「拙者は社会の塵でござる。働きもせず、地縛霊などに甘んじて朝から晩までテレビテレビ…」ニートな侍幽霊に何と恋をしてしまったミツコは…!? 声優との夢のコラボ小説賞「81ルルルドラマチック小説賞」から、審査会で満場一致の大賞受賞作が登場!(裏表紙より)
引っ越し先の家には、どう考えてもニートでしかない幽霊が住み着いていた。幽霊を幽霊社会復帰させるためにミツコは飴と鞭を使い分けて指導していく。
ニートなのでほぼ家から出ません。出ても家の周りだけです。ミツコは今時の子っぽいけれど普通で、けれど周りのキャラが濃すぎる。テンション上げないと消える幽霊ってどんな幽霊だ! スピリチュアルポエムってー!!笑 正体もオチも最初から読めましたが、それでも最後までテンション高めの楽しい物語でした。

汗でぬれたお金を本屋の主人に差し出し、本を見つめる少年の目の輝き。こういう少年の姿は今や、ない――無類の本好き、筋金入りの”本の虫”である著者が、本にまつわるイイ話、古本屋の謎、本が縁で知る人の心の温かさ……などなど、「面白くて奥が深い」読書人生を語り尽くす、最新書物エッセイ172編。(裏表紙より)
面白かった。本にまつわる話がいろいろあって、人の心があって。一ページほどの短いエッセイが172編収録されています。本の話も面白いですが、一番面白いのは、やはり人の話でした。古本の最後に書かれていた住所と名前に気付いて「送って差し上げてくださいませんか」と依頼され、送り返したものの音沙汰がない、というなんだか不思議な話もありますが、父親が大切にしていた辞書と初めて吸った煙草の話など、こう、情景がふっと浮かび上がってくるようななぜか不思議と懐かしく感じられるエッセイがたくさんありました。私はそれらの情景を知らないのだけれど、それを知っている、と思う。すごく面白かったです。

舞台は聖暦二十世紀初頭のアンゲリア王国。裕福な生まれのメリッサ・クリマイヤーは、初めて訪れたサーカスで、無口な網渡りの青年リンドウと、人間の言葉を話す不思議なライオン、ギデオンに出会う。
ある時、メリッサはリンドウがまったく歳をとらないことに気がつく。それは、かれがギデオンと交わしているという魔法の契約のせいだった——。
切なくて思わず涙する、珠玉のラブストーリー!(裏表紙より)
最近なるべく感情を表に出さないように、本心を隠すような日々を送っているので、疲れているなあと思っていたんですが、この本を読んでいたら何かのスイッチが入ってしまったらしく、ラスト周辺で 大 号 泣 。「ひいいいん。ひぐっ、うぐっ」と涙でページが見えなくなるほど大泣きしました。
現実世界を思わせる異世界で、裕福な家に生まれたメリッサは、サーカスの青年リンドウと不思議なライオンであるギデオンと出会う。しかしとあることをきっかけに記憶を失ってしまったメリッサは、自分でも理由が分からない心の飢えを感じて、看護婦となって戦場へ。お話は大きくはないのに、すごく読み応えがあるというか、綺麗にこの一冊にすべてが詰まっていて、すごく満たされました。
魔法を信じる心。よろこびというもの。それらが物語に結びつくとここまでどーんと胸に響くのかと、またページをめくって目をうるうるさせている状態です。あり得ないものを純粋に信じ続ける心や、それが許されること。そして続いていくことというシチュエーションに弱いんだろうなあ。

