読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

蒼い空を翔ける三色のライン。
紫の少女——鳳/アゲハ。
蒼の少女——乙/ツバメ。
黄の少女——雛/ヒビナ。
近未来のウィーン、ミリオポリスと呼ばれるその都には、あらゆる言葉が飛び交い、人々はさまざまな神を信じ、そして、くだらない争いに巻き込まれ命を落としていた。日常の間の中で——。
そんな、混沌の中で生きる三人の少女たちがいた。機械化された身体を持ち、最新の官給品として、敵を貫く弾丸。
《炎の妖精》たち。
地下深く静かに流れていた泥流・テロが顕在化した時、三人の弾丸に、命令が下る。敵を貫け! 破砕せよと。
これは、天に唾をしながら、未来をあざけり、日々を生きる妖精と呼ばれた少女たちの物語。(カバー折り返しより)
シュピーゲルシリーズのもう一つの物語。独特な文章なのに読みやすくて面白くてびっくりした! オイレンの方がもうちょっと突っ込んで世界観を書いていたような気がする(曖昧)ので、その前提があるとスプライト1巻はすごく読みやすかった。1話から3話までお約束の流れを踏むのが面白いなあ! すごく分かりやすい。でも短めなせいか、ひとりひとりの話はあんまり突っ込んで書かれていなかった印象でした。とりあえず鳳が最強過ぎる。素敵。
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江戸の遊郭——吉原。外道菩薩と呼ばれる美貌の青年・弥太郎には、”死んだ人間が見える”という噂があった。ある日、奇妙な来客を受けた弥太郎は、一人の元遊女の不審な死について調べ始める。その矢先、彼が廓内で唯一気にかける少女に異変が起きて!? 胸に秘めた恋心、愛憎入り混じる肉親への情。吉原に生きる者達が抱える、心の闇に「鬼」が憑く――。死者を映す瞳が暴く、鬼の正体とは? 美しき吉原幻想鬼譚!(裏表紙より)
何故かしばらく前から遊郭ものが大量に積んであって、ようやく読んだ一冊。
世界は変わらないし誰かが救われるわけではないけれど、吉原という場所で生きる人々が繋がり合っているという気がした話でした。恋をするわけじゃないし、むしろその思いが相手を縛って呪ってしまうような世界で、それでも誰かを大切に思うことが誰かを救うかもしれない。
少女小説らしからぬ(?)艶美な雰囲気で、登場する女性たちの美しくかっこいいこと! 密かに夜菊ねえさんが好きです。弱さを自覚しながら無邪気であれるねえさんが大好きです。握り飯のエピソードにきゅんとした……。

十七歳のメイリン姫は、並はずれた大力の持ち主。
心配した父は早く婿をとろうとするが、自分がもっと自由に生きられる場所を求め、男のふりをして国を飛び出す。
たどり着いたのは賢者の国シーハン。そこで彼女は、足が不自由だが鋭い頭脳で国を守る、美貌の青年首長ターリと出会う。
「わたしがあなたの『足』になります」孤独なターリのもとで、大力をかくし従者として仕えるメイリン。やがて心を通わせた二人は、シーハンの侵略をねらう大国アインスと対決することになる!(カバー折り返しより)
草原の香りのするファンタジーでした。さっぱりした文章で展開もあっさりめですが、なぜだかとても好きだわ! と思いました。メイリンは女らしくもなく、かというと男らしいわけでもなく、優しさと賢さを備え持った主人公で、読んでいて清々しい人だなあと思う。もっと心理描写があったら男らしい女らしいどちらかの印象の針がどっちかにふれたかもしれない。
鋭くも嫌みで意地悪なターリは、最初から「こりゃすぐ落ちるな」と思わせるほどのツン具合だったんですが、デレがまさにデレでしたね! メイリンにメロメロという感じで、それでも彼女を風に解き放ったのだから、この人はやはり懐の深い人だったんだなと思いました。

日常のふとした裂け目に入りこみ心が壊れていく女性、秘められた想いのたどり着く場所、ミステリの中に生きる人間たちの覚悟、生活の中に潜むささやかな謎を解きほぐす軽やかな推理、オトギ国を震撼させた「カチカチ山」の“おばあさん殺害事件”の真相とは? 優美なたくらみに満ちた九つの謎を描く傑作ミステリ短編集。(裏表紙より)
九つのミステリ短編集。北村さんの作品は、主に長編を読んできたので短編はとてもめずらしい気持ちで読みましたが、このふやふやしたような、ざわっとしたものを残す後味がとてもよかった! でも怖かった!
「白い朝」と「おにぎり、ぎりぎり」が好きです。「白い朝」は落語の話が不意に出てきて「あれ?」と思ったんですが、解説(文庫版)を読んでみると、やっぱり円紫さんの話なのかな。円紫さんの学生時代!(むっはー!)と思ってすみませんでした。
オススメされた本でした。面白かったです! ありがとうございました!

ホテル・ウィリアムズチャイルドバード、通称〈鳥籠荘〉の住人たちは、清潔で早寝早起きでエコロジスト、良識ある真人間ばかり。あそこの住人は立派な信頼できる人々だと近隣の住人からも讃えられている。建物は古いが、きれい好きで勤勉で器量よしの掃除人たちがいつもぴかぴかに磨いて住み心地を維持している。山田パパはブランド物のスーツが似合うエリートビジネスマン。衛藤キズナはぐるぐる眼鏡の根暗な女子高校生。浅井有生は明るい性格の美大建築科学生。井上由起は売り出し中のグラビアアイドルで——あれ? なんだか全体的に変?
住人たちが集まって騒ぐ最後のウエディング・パーティーを皮切りに、〈鳥籠荘〉に終幕の時間が迫る。住人たちの行く末は? キズナ、浅井、それぞれが選んだ道は——。(カバー折り返しより)
鳥籠荘第5巻。キズナ、浅井、由起の三人に決着がつき……最終巻が気になる!
浅井が吹っ切れる話、第4話「それは非可逆的でありながら断続的であり」にうるっときた。こう、芸術家のキャラクターが壁にぶち当たって何も出来なくなっている、そこからの這い上がりの話が好きすぎるんだよ! ちょっと弱っている双子の老人の片割れっていうのも反則だ。
それからキズナの話が好きだ。段々現実の中に入っていく、子どもでなくなる私たち、みたいな感じがもうすごく好きだ。

最後に話した男性は、よく行く焼き肉屋さんの店員……というダメ生活を脱却すべく、「結婚」を目標に始めた怒涛のトライアル。だけど、どの占い師からも「仕事を頑張れ」と言われ、ボクササイズで死にかけ、断食道場を終えてからは短気になり、しかも合間に焼き肉&ビールのコンボでは、そりゃ「結婚」の文字も遠のく!? 著者のダメ女っぷりに爆笑、そして勇気がわいてくる脱力系体験エッセイ、待望の文庫化!(裏表紙より)
単行本版を抜粋、再構成した文庫版。
電車で読んでいたんですが噴き出しそうになって咳き込んだ。「結婚への道」が面白い。私は、他人の占い結果を読むのがすごく好きなのだ……。弟さんの出番は今回はほとんどなし。家族の話もなし。女性向けの恋愛と占いの雑誌に掲載されたものだからか、占いとか健康とか美容の話が多めです。
ところで、『海馬が〜』より後、菅野さんは新しい猫を迎えられたことがあとがきに書かれてあって、なんとなくほっとしました。

冬至と新月が重なる十九年に一度の特別な夜をむかえるフィリグラーナ王国では、その「冬の大祭」の話題ばかり。祭の火神役に国王直々に指名された軍人ルーザ=ルーザも、舞の練習にはげむ日々を送っていた。
一方、迷宮管理庁で暮らすようになった海人の少年ワツレンは、地底湖の調査中に奇妙な剣を発見する。それは、国の運命を左右する和睦の剣だった……。
神聖な祭のさなか、ワツレンは魔物に立ち向かう!(裏表紙より)
『神々の夢は迷宮』から続くお話。孤児になった海人の少年ワツレンと、迷宮と人々のファンタジーで、この世界観がすっごくすっごく好きなのである。今回はパズルネタは少なく、神々と世界の秘密にちょっと踏み込む話でした。
ワツレンが、素直で本当にいい子! きっと大人になったらいい人タラシになるよ!
ルーザ=ルーザとオレクタンテがいい感じのケンカップル(?)でとてもいい。女心の分からないルーザ=ルーザと、仮面を被りすぎて頑なになってしまったオレクタンテ(ちょっと妄想入り)とか!! なんだそれもっと見たい!
続きはもう出ないそうなのですが、西東さんのサイトで続きが連載されているので、また読みたいと思っています。

新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて……。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。(裏表紙より)
小さな話が26話収録されています。昭和三十年、山口県の国衙に住む九歳の青木新子が見る時代。戦後からしばらく経ち、人のあり方が少しずつ変わりつつある感じが、大人の事情として描かれていて、もどかしい。みんなが「大人になれば分かる」と言うけれど、それがとても不満を覚える言葉だということを思い出したり、大人になった読み手の自分がそのことの意味を理解できたりして、新子のマイマイがむずむずするように、胸がざわざわする。
やるせないなあと思うのが、新子の言い分を大人たちがちゃんと聞かず、すれ違ったまま罰されるところ。言い分があるんだよ! ちゃんと聞いてよ! と思うけれど、新子は自分の感じたことを伝える語彙をあまり持っていないのだよなあ。九歳かあ、と思いました。

