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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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ハプスブルク家 (講談社現代新書)
汎ヨーロッパ的な性格と重要性を持っていたハプスブルク王朝。その歴史を、マクシミリアン一世、カール五世、マリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフを大まかな中心に据えながら解説する一冊。
世界史は苦手なんですが、この本おもしろかった……。ひとつの一族の興亡として見ると大雑把だと思うんですが、本人の心情を想像して補足してあったり、ちょっとした逸話が挟まっていたり、周辺諸国の事情があったりと、ちょっとした年代記になっていて読み物として面白かったです。文章が合っていたんだろうなー。
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はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)
「今日の日の入りは何時ですか?」「金星と木星はどちらが明るいんでしょうか?」「月が見えなくて、困っているんですけど」……。宿題を抱える子供の相談から、“ワケあり”の人達の珍問奇問まで、年間一万件を超える天文台への問い合わせ。真摯に対応する広報マンの奮闘を描く。見えない相手とのやり取りに、様々なドラマが見えてくる。夜空に関するウンチクも満載。『天文台の電話番』改題。(裏表紙より)

ちょうど10日夜から月蝕だよなーと思ったので読んでみた。
国立天文台の広報普及室の電話相談にまつわるエッセイ。公的機関にこんなところがあるのか、と初めて知りました。
紹介文にあるような質問に回答するのがこの広報普及室なのですが、図書館のレファレンス回答に似たところがあるので面白く読みました。日の入り、日の出、月の位置、星の位置、暦の話まで、様々なことに回答する電話番の人たち。ちょっといい話もあり、時には困った人、困った質問も、というコールセンターならではの話もあって、面白かった。「サーターアンダギー」の章が特にいいな。
男性学の新展開 (青弓社ライブラリー)
ジェンダー論として、男性学を書いた本。ジェンダーというと女性学の本が多い印象で、初めて男性学の本を読みました。図書館の本なんですが、多分男性学の本は数が少ないんじゃないかな。
特に現代社会の男性学を論じた章が面白かった。男性と労働、男性と地域社会、オタク、の章に関心を持ちました。
ちょっと不得意な社会学の分野なので、単語(特に横文字)に詰まったりしましたが、興味深かったです。
子ども漫画の世界 (1979年) (子どもの文化叢書)
1979年の本。なのでちょっと古いかもしれない。
SF漫画論、野球漫画論、学校漫画論、子ども漫画の倫理学、ファンタジー漫画論、戦争漫画論、性に関する少女漫画論、漫画の中の親像、ギャグ漫画論などの章に別れています。
私が少女マンガ論ばかり読んでいるせいだと思いますが、特に野球漫画、学校漫画、戦争漫画、ギャグ漫画の章がめずらしくて面白かったです。触れている作品は古いものですが、今まで読んだことのない作品論だったので興味深かった。
この二ヶ月の間に読んだ漫画から、すごく好きだというものを挙げてみるエントリです。
本館での感想と重複があります。

円舞曲(ワルツ)は白いドレスで (1) (小学館文庫)円舞曲(ワルツ)は白いドレスで (2) (小学館文庫)円舞曲(ワルツ)は白いドレスで (3) (小学館文庫)円舞曲(ワルツ)は白いドレスで (4) (小学館文庫)
『円舞曲は白いドレスで』さいとうちほ(文庫版・全4巻)
青樹湖都は、海軍人・鬼堂院将臣と婚約している16歳。出席したパーティで、イギリス人とインド人のハーフである、ウィリアム・サジット・アスターと出会い、恋に落ちる。サジットはインド独立を目指す重要人物であり、常に命を狙われるような危険に晒されている。それでも、湖都は選んだ。上海へ、インドへ、そして満州へと渡る、少女の物語。

読み終わった後、はあー……とため息をついてしまった!
一人の少女を巡って二人の男が、という構図なんですが、この少女、主人公・湖都がただではいかないというか、ただひたすら愛に向かって走り続けるひたむきさや強さ、それでいて可憐さや清らかさを備えていて、ひたすらすごい。こう、凛々しいとかそういうのではなくて、ただただ、女性としてかっこいい。彼女の選択、サジットに対する答えや将臣に対する答えの出し方も、もう揺れ動く少女ではなくて、一人の女性なんだなと思うと、かっこいい、すごい、としか言いようがなかったなあ! 「白木蘭円舞曲」のラストが、本当に、本当に! すばらしい一言で終わっていて、心から感動しました。ああ、そうだよなあ! と。
さいとうさんは少女、娘、女性の描き方がかっこいいなあ。好きだなあ!
すごく面白かったです!

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)
『ちはやふる』末次由紀(既刊14巻)
小学六年生の千早は、福井からやってきた転校生の少年・新に、百人一首競技かるたの魅力を教えられる。とある才能を持っていた千早は、やがてその競技世界に飛び込んでいくことになる。

私が読んだのは四巻まで。どうやらこの作品に非常に共感してしまうらしく、四巻まで読んだだけなのに毎巻泣きます……。
でも、多分、なんとなく思うことがあって。何か一つのもの、人生を捧げるような何かを見つけてしまって、そこから逃げられないようなでもそのことがすごく誇りに思えるような気持ちとか、周囲の人々の同じものを共有しながらお互いを高め合っていくところとか、周囲がうらやましくて焦る気持ちとか、でもふと私何やってるんだろうと立ち止まってしまったりとか、それでも周囲の人が自分のことを認めてくれる喜びとか。そういうものが、多分自分の中の何かに引っかかってぼろぼろ涙をこぼさせるんだろうななどと思います。

お嬢様と妖怪執事 ―藤原ここあ短編集― (ガンガンコミックスJOKER)
『お嬢様と妖怪執事』藤原ここあ(全1巻)

短編集です。「妖狐×僕SS」のプレ版みたいなのが表題作です。収録作は「お嬢様と妖怪執事」「山田」「ストレイドール」「私は」。藤原ここあワールド全開で、いい話だったり、ずきっとしたり、ヘンタイだったりと非常に楽しい一冊でした。
オススメは「山田」と「私は」です。特に「山田」はなんだろう、今はあんまり見なくなった気がする突き抜け感のあるギャグな気がします超私感ですが。絵がかわいく綺麗なせいでもっと読みたいなと思わせるギャグでした。

ウチで、お茶でも。 (花とゆめCOMICS)
月崗ヤスコ『ウチで、お茶でも。』(既刊1巻)
とある理由で家をなくし、公園で野宿をしていた澤いちえは、同級生の内竹広にそれを発見され、内家に招き入れられる。竹広は学校内でも美形、御曹司として有名。彼を合わせて四人の内兄弟は、御曹司であることが理由で大問題を抱えていて……。

主人公ヒロインの四兄弟との同居もの、なんですが、このヒロインがすごくマイペースで面白い! 世話焼きというほど女の子らしいというわけでもないのですが、でもよく気がつくいい子で、でもまったりなところがすごくいい。対して内兄弟は、みんな個性豊かで派手派手しいんですが、とある性質によりヒロインには甘い、というところがおいしいです。家っていいなあと温かい気持ちになりながらも、少女漫画らしいおいしい展開を逃していない感じが、すごく好きなんです!

二次元王子オオタくん (少コミフラワーコミックス)二次元王子オオタくん 2 (フラワーコミックス)
清水まみ『二次元王子オオタくん』(既刊2巻)

資産家令嬢・徳井映美の恋人・太田君はオタク。一般人ながらも彼を理解しようとする映美は、時にキャラ弁を、時にコスプレを、時にフィギュアを作る。太田君は大田君で、映美のことがかわいくて仕方がないらしく。
四コマ漫画です。紹介文を書くのが難しいですが、これ表紙だけ見てどうせ子ども向けなんだろーなどと舐めてました。ごめんなさい。すごく面白かった! すごくにやにや漫画なんですよ! オタクものなんですが、それをコメディとかギャグの方にして描いていて、映美が太田君のために色々とんでもないスキルを見せるせいもあるのか、卑屈さがなくて楽しいんですよ!
かと思うと、太田君は大田君で、オタクのくせにリア充スキルを持っていて! 彼女のことを「なにこのかわいい生き物」などと思って甘やかしたりもする。結局はリア充カップルというか、バカップルの日常四コマになってると思うんですが、読んでてにやにやしてしまいました。面白かった。
セイジャの式日 (メディアワークス文庫)
不格好だけど素敵な恋と旅立ちの物語。

 絵を一枚仕上げるたびに、絵にサインを入れるたびに、もうやめよう、これで最後にしようって、考える——
 それでも私は、あなたのために絵を描こう。

 かつて彼女と過ごした美術室に、彼は一人で戻ってきた。そこでは、長い髪の女生徒の幽霊が出るという噂が語られていた。
 これは、不器用な人たちの、不恰好な恋と旅立ちの物語。(裏表紙より)

由良三部作の三巻目。二巻登場のハルは今回、夏休みの彫刻家のアトリエでのボランティアに由良を誘う。そこで起こる事件。そして、最終エピソードとなる、由良があの場所に戻ってくるお話。この二つが収録。
最初のエピソードは、ぞわぞわとする。そうなんだよ、創ることに対して身を削れてしまう、何かを削ってしまう人っていうのは必ず存在するんだよ。犀のことは、責めるべきなんだけれど、一概にそうとは言えない何かがあって。でも「ちがうんだよ」と泣きながら言えたハルは、すごくいい。
Aのその後がちらっと語られていたけれど、彼女は手に入れたのかな、と思う。
『プシュケの涙』ほどの衝撃はなかったけれど、最後の話がよかったなあ。いつでも、ああいう青春を送った人たちはいるのかもしれないな、と思わせて。地上から絹川さんを見上げた由良は、きっとすごく心から嬉しかっただろうな。そう思うと、長く高校生の頃の傷を抱えてきた由良がようやくその時代から抜け出すことのできたというのがこのお話の結末なのかもしれない。
ああ、いい話だったな。
オススメされた本でした。三部作楽しかったです。ありがとうございました!
吸血鬼伝説 (「知の再発見」双書)
吸血鬼の発祥から、地方の伝説、吸血鬼を題材にした創作まで、吸血鬼にまつわることを書いた本。吸血鬼を描いた絵や映画から切り取った画像がページのあちこちに貼付けられているので、結構読みにくかった……。
吸血鬼のモデルとなった人物の話や、吸血鬼映画の話などもあって、面白い読み物でした。吸血鬼(ヴァンパイア)という言葉自体も、そういう血を吸う者の存在があって後からつけられたものだというのは、初めて知りました。
伊坂幸太郎---デビュー10年新たなる決意 (文藝別冊)
18歳のときに書いた処女作をリメイクした書き下ろし「クリスマスを探偵と」や、ロングインタビュー、対談などを集録した特集ムック。
書き下ろし小説面白かった! いい話だ。
インタビューもすごく面白くて、興味深かった。伊坂さんはすごく熱心な研究家でもあるんだなあと思った。そこまでして作り込まれた小説を読める読者はしあわせものです。それだけでなくて、編集者さんのコメントにあるように、お人柄も素敵。いい人だ。
すこしずつすこしずつ、小説の中でできることを探っていくところや、もやもやしたものを伝えたいと仰る。きっと、読んだ人がそこに自分なりのテーマを見つけるのが伊坂作品だと思うので、すごく腑に落ちた。
青春×小説―掘りだしものカタログ〈2〉 (掘りだしものカタログ (2))
掘りだしものカタログシリーズの二冊目。青春を取り扱った小説を紹介する。今回は文豪作品が多い印象でした。プロレタリアとか自伝的小説とか。現代作家作品もありますが、『バッテリー』がこの中ですごく浮いている印象です。この本の中では、青春とは煩悶とするものだという捉え方をしているみたいで、学校でどうこうという話はあんまりない感じでした。
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから——「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。(裏表紙より)

多分人生で初めて読んだ「大人の小説」です。何かとお守りにするようにして持ち歩くことがあるんですが、今回久しぶりに手に取って読んで、泣いたー……。自分のルーツはここにあるんだ、と感じた再読でした。
連作短編集で、連作ですが、ちゃんと一つの方向に向かってまとめられたお話なので、最後の言葉がすとんと来るあのラスト数ページに、だーっと泣きました。もうこれは反射としか言いようがない気がする……(毎回泣くから)。恩田さんの初期にあたる作品なので、今ではいくつかの作品の続編や関連作が出ています(『エンド・ゲーム』や『蒲公英草紙』)。最近は、恩田さんの世界はもうちょっと硬派な筆致でミステリと不思議な世界の話の方向にいっている気がするので、違いを感じて面白かったです。
特に「引き出し」を持つ春田一族の話はとても好きだなあ! 最初に読んだお話がこれだというのは、本当によかったと思う。全体的に優しい語り口の不思議なお話なのですが、内容紹介にあるようにどことなく淡い哀しみ、切なさのようなものがあって、時間とか別れとかそういったものにひっそりと触れているところがあって私はこの本がすごく好きなんです。あー、もー、好きだなあ!
オススメされた本でした! ありがとうございました!
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Author:月子
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