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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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脳をスキャンして生前の記録を映像化するMRIスキャナーを用いて、数々の事件が解決されるようになった現代。しかし凶悪事件に関わる記憶を目の当たりにすることで、捜査官たちの精神は常に危うい状況にある。そんな警視庁の通称第九に配属された青木は、室長の薪と出会う。今回捜査するのは一家殺害の罪で死刑に処された男について。だが記憶を読み取ったところ、真犯人は現在行方不明である娘の絹子だとわかってしまう。だが捜査を進めるにつれて封印された過去の事件を暴くこととなり……。

原作は未読。原作作画の美麗さはさすがに表現できないので、映像をちょっとサイバーパンク風にしてみました、という印象。しかし出演者の顔がみんないいのはわかってるなと思いました笑
わかっていたはずなのに結構きついシーンが多く、捜査官が絡むもので精神に揺さぶりをかけてきて主人公側が後手後手に回る展開はだいぶメンタルにきます。
それだけに「美しい世界」のシーンは、ちょっとだけ救われました。この「ちょっとだけ」がいいんですよね……本当に美しい世界なんてどこにもないけれど、その一瞬、その刹那が尊い。
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人情に厚い、穏やかな人柄ながら剣の達人でもある坂崎磐音。幼馴染みの二人と江戸勤番を終えて故郷に戻った三人だが、とある策略にはめられた幼馴染みたちを失い、自らも結婚の約束をした奈緒を置いて脱藩。江戸にて浪人として暮らし始める。長谷の大家は困窮する磐音を見かねて、両替商・今津屋の用心棒の職を紹介するが、図らずも商人たちの争いと幕府が流通させた新しい貨幣をめぐる陰謀に関わることになった。

原作は未読。長期シリーズなので映画化? と思っていたんですが、思いがけず面白くてびっくりした。時代劇といってもライトな雰囲気で、穏やかな人柄で軽んじられがちだけれど剣の達人、礼儀正しく優しいのでみんなに好かれる、賢くて知恵を巡らせて窮地を救う、と完全に主人公体質な磐音が事件に立ち向かう。
旅立ちの理由も、幼馴染みたちが策略によって勘違いから人を殺し、その人物と策略を巡らせた人物を別の幼馴染みが殺し、それを磐音が討ち取らざるを得なかった、という、ほぼほぼ「村を焼かれた」なのも面白いなあ。
悲しみを抱えながら腐らずにいる磐音がまたいいんですよね。それを新しい恋が支えてくれたり。
最後に奈緒と、再会しつつ永遠の別れを告げるのも哀愁が漂っていてよかったな。
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テロ集団『深淵派』を裏切り、逃亡を続ける元錬金術師カルヴァス。自らの過去を探るため、故郷である大都市《カサネ》に足を踏み入れた彼は、どこか飄然とした「騒がせ屋」の青年・オドと出会う。彼に導かれるように《カサネ》の地下に広がる迷宮へと足を踏み入れたカルヴァスの前に現れたのは、「地下迷宮の番人」と名乗る少女だった……。栗原ちひろが描き出す幻想絵巻——第2幕がここに開演。(裏表紙より)

創造と破壊と虚構と芸術とが入り混じるファンタジー。無茶苦茶で混沌としていて極彩色でなのに陰鬱で、読んでいてだいぶ酩酊しました(褒めています)。
この世界はすべて神が描いた絵である。この世に存在する画家は世界を創った者をうつしたもの。そうした場所のとある街で、一人の人間の語る虚構がすべてを変化させてしまうという危機。壮大。壮大だけれど、登場人物は軽薄で壊れているし崇高なものは何もない、それがすごくいい。
この物語の先は何も見えない、でも何かを信じていたいような終わり方がよかったなあ。こういう作品が読めるのはすごいことだな、と思いました。
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〈椿屋敷〉と呼ばれる一軒家に住む香澄と柊一は、仲のいい新婚夫婦だ。しかし、二人はワケあって結婚した偽装夫婦でもある——。ある日、柊一の母・美幸が椿屋敷を訪ねてくる。柊一を自分の選んだ相手と見合いさせたがっていた美幸だが、香澄との結婚には一切の反対をしなかった。それには何か思惑があるのではと言う人もいて……。椿屋敷で嫁姑問題が勃発、か……!?
築六十余年の古屋敷が語る、ふんわりご近所事件簿(裏表紙より)

わけありの二人が利害の一致で夫婦になったけれど、一緒に暮らすうちにお互いに居心地のよさを感じ始めて……という二人の淡くもじれったい恋と、個性豊かなご近所の皆さんのちょっとした事件を解決したり、話を聞いたりするシリーズ第2巻。
読んでいてふわっと心地いいのは、香澄さんが毎日を細やかに丁寧に暮らしている感じがするからかなあ。ごはんを食べるって、ちゃんとした距離感や関係性ができていないと居心地が悪いものだと思うし。二人がお互いを尊重している空気が生活の描写のあちこちにあってすごくいいと思うんです。
柊一が宣戦布告したのが、そしてそれをわかっていないのがじれったくてきゃー! となってしまったので、早くちゃんとくっついてほしい!
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〈君は、わたしを捜せないかね……?〉あの日の囁きが予告であったかのように、突然学園から消えたヴィクトリカ。
遠くリトアニアの修道院“ベルゼブブの頭蓋”に幽閉され、ゆっくりと弱ってゆく彼女を救うため、一弥はひとり旅立った。豪華列車で出会った奇妙な客たち、遠い戦争の記憶。謎の夜会“ファンタスマゴリア”の血塗られたショー。かつてこの地で何が起こったのか。そして、一弥とヴィクトリカの運命は——!?(裏表紙より)

久しぶりに続きを読む。
修道院に連れ去られたヴィクトリカの元へ旅立つ一弥。珍しく導入が長く、ヴィクトリカに会うまで事件の雰囲気はあるものの何も起こらず、どこでどうなるのか結構どきどきしました。思っていたより二人が危険な目に遭わなくてほっとした……。
しかしストーリー全体としては重要人物が集まってきて、そろそろ終わりかという気配。コルデリアの伝言はなんかじいんとしたし、彼女の言葉がもしかしたら一弥とヴィクトリカの関係の変化を後押ししたのかなと思ったりしました。
そして最後にまた事件が起こったことが示唆されて次巻へ続く。
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目覚めると見知らぬ洋館にいた尚子。そこへ、女物の着物を着た美しい青年・皓紀が現れる。彼は巨大企業の御曹司で、尚子の主人であるらしい。さらに、尚子はバルコニーからの転落事故により、1年間昏睡状態だったのだという。記憶と違う現実に混乱しつつも皓紀に仕える尚子。彼の尋常でない仕打ちと館の異様な空気に、尚子の精神は蝕まれ搦め捕られてゆく。彼の狂った愛に身体をも征服される日々の中、尚子はやがて1年前の真実を思い出し——。(裏表紙より)

病んだ執着愛を描く現代もの。茫漠とした未来にぼんやりと不安を感じていた就活中の尚子、だったはずが目覚めてみるとそれは夢で、自分は裕福だが変わり者ばかりの奇妙な家の使用人で、一年間昏睡状態だったという。何が真実で、どれが現実で、私はいったい誰なのか。悪夢のような状況の中、自分のいる常軌を逸した宝来家と皓紀から逃れられなくなっていく。
TL小説と見せかけてエロスありのホラー小説みたいな作品。こういうの、好きですね! 恐怖や不安を煽る作品とエロスの親和性ってすごくいいよな。
傲慢で冷たいご主人様に無茶苦茶に虐げられる。と思ったら無茶苦茶に甘やかされて関係まで持ってしまう。逃げられない、と思うも本当は……。
種明かしが最後の最後までされないのが惜しい! もう少し真っ黒な、それこそ蜘蛛のような尚子が見たかった。でもこうやって受け継がれた復讐を投げ捨てるのかあと思って面白かったです。
「彼女」
美容整形外科の医師であるレイは同性の恋人と付き合っている。だがある日十年ぶりに高校の同級生だった七恵から連絡が来る。七恵は結婚後、夫から暴力を振るわれ続け、ついに限界を迎えていたのだった。七恵のためにレイは彼女の夫を殺害して出頭する旨を伝えるが、七恵は怒り、二人の逃亡生活が始まってしまう。

裕福な家に生まれ自身も医者だが、同性愛者であるレイ。崩壊した実の家族から逃れて結婚したものの夫から暴力を受けて何一つ持たない七恵。きっとどちらも本当にほしいものが手に入らない二人。そんな二人の逃避行は、心がひりついて、熱くて、苦しい。情念とか歪んだ愛と呼ばれるものが、煮えたぎるように見えたり、ひたひたと冷たく満ちているようにも思えたりする。
レイが売春をするシーンがきつかったなあ……。多分これってめちゃくちゃ心が乾いて飢えてどうしようもなくて、お金を稼ぐためもあったと思うけれど空虚を埋めようと必死だったんじゃないかなと思ったんですよね。その後置いてきた恋人に電話して、恋人に肯定されるシーンはちょっとほっとしました。このままだとどこかで死んでもおかしくなかったから。
兄の将人は最初うっとなったんですけれど、奥さんの悠がすごくよかったな。悠がいることで将人は少しだけ視界が広くなっている感があって。
濡れ場やスプラッタシーンがありながら、逃避行シーンの二人の楽しげな様子が見ていて嬉しくて、旅するところをずっと見ていたくなってしまいました。
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街外れにある「ジェイルハウス」と呼ばれる廃屋に肝試しにやって来た高校生の卓郎、美香、たけし。素行の悪い彼らはかつて同級生をいじめて自殺に追い込んだ過去があり、いまはシュンがターゲットだ。そんなシュンは不登校となり、家で自作ゲームを作り、登場人物にいじめっ子たちを配置し、ゲーム中で彼らが死ぬことで鬱憤を晴らしていた。そんなゲームと現実が何故かリンクしてしまい……。

人気フリーゲーム「青鬼」を題材にした映画作品。鬼ごっこのように逃げるというゲームの内容をしっかり踏まえて、高校生らしい浅慮さとちょっとした成長と因果応報を描いたストーリーになっているのがなかなか面白かった。
いじめられっ子が作った「青鬼」的ゲームと、現実のお化け屋敷がリンクし、ゲーム製作者側がお化け屋敷にいるいじめっ子たちや巻き込まれたひろしをなんとかしようとする。ひろしのちょっと風変わりなキャラクターが結構ちゃんと生きていて、原作ゲームで会話するパートがあればこういう風だったのかなーなんて思えて面白かった。いじめの主犯たる卓郎は改心、リセット前の記憶がないたけしの馬鹿な振る舞いは最後にしっかりお仕置きと、ちゃんとオチもついているのがいいな。
そしてフワッティーが可愛らしかった。実際はアレなんだけど……笑
「ラベンダー 妖精の歌」
一家惨殺事件の生き残りであるジェーンは、事件から二十五年後、写真家として活動しながら夫と娘という家族を得て日々を送っていた。だがある日幻覚と思われる少女を避けようとし、運転を誤って事故に遭ってしまう。そのせいで記憶を失うが、徐々に記憶を取り戻す途中、何故か自分が家族を失った事件を調べていると知る。疑念を抱いたジェーンは家族とともに事件があった家へ向かう。果たして家族を殺したのは誰なのか?

事件の真相を忘却し、現在の記憶すら曖昧になってしまったジェーン。過去の事件に関わると思しき幻覚を見るが、果たして事件は終わっているのか。家族を殺した犯人は別にいるのか?
冒頭がだいぶギスギスしていたので家族の誰かが死んでしまうのかとだいぶハラハラしました。特に子どもが登場すると子どもがやばくなる(悪霊化する、犠牲になる)展開が多いから……。
状況はだいぶ不安感を煽るものでしたが、真相はさほど怖くなく。しかし犯人を事件の起こった家の、まだ被害者が残っているだろう場所に残していくという行動は報復としてなかなか面白いなと思いました。後ろめたいならなおさらきついだろう。
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最強のポケモンを作ろうとした人々によって伝説のポケモン・ミュウの遺伝子から作られたミュウツー。強い力を持ち、高い知能を有したミュウツーは人間への憎しみを募らせ、ついに逆襲を企てる。サトシとピカチュウ、カスミ、タケシは、ある日謎めいた招待状を受け取り、同じように指定された場所を目指すポケモントレーナーたちとそこへたどり着くが……。

映画第一作目の3Dリメイク。第一作目、どうしてだったかは忘れたんですが劇場に見に行ったんですよね。子ども心にお話のすごさにめちゃくちゃ打ちのめされたのを覚えています。私の知ってるポケモンじゃないけれど、時々不意に始まる私の好みのエピソードに似た、心にぎゅっとくる何かがある! と思ったんですよね……。
「オリジナル」と「コピー」、「生命」について考えるお話で、やっぱりオリジナルとコピーの対決シーンがすごくよくってね……。泣きながら殴り合う鏡写しのポケモンたちが悲しくて悲しくて、人間たちもそれに傷付いているのがね……。ポケモンを使うトレーナーとして考えさせられるところがいっぱいあったと思います。
確かにいまどきで見やすいリメイクではあるんですけれど、やっぱりやっぱり第一作のアニメを見てほしい! あの物悲しさや薄暗い描写はアニメ画の方が映えると思うんですよ。幼い子は、あの暗さが怖いと感じるかもしれないので、理解できる年齢になったらでいいから見てほしいな……。
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Author:月子
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