読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

お仕事女子×停滞中主婦の人生を変える二人暮らし。じぶんサイズのハッピーストーリー
仕事ばかりして、生活も恋も後回しにしてきた映像プロデューサーの莉恵子。旦那の裏切りから、幸せだと思っていた結婚生活を、住む場所と共に失った専業主婦の芽依。
「一緒に暮らすなら、一番近くて一番遠い他人になろう。末永く友達でいたいから」そんな誓いを交わして始めた同居生活は、憧れの人との恋、若手シンガーとの交流等とともに色つき始め……。そして、見失った将来に光が差し込む。
これは、頑張りすぎる女子と、頑張るのをやめた女子が、自分らしく生きていく物語。
【本書だけで読める、番外編「十六歳の神代と、ネズミの姫」を収録】(Amazonより)
仕事ばかりで日常生活も疎かになっている映像プロデューサーの莉恵子。旦那に裏切られ、家族に尽くしてきたけれど家政婦扱いだったと気付いた芽依。家を追い出された芽依は友人の莉恵子を頼り、彼女の家でシェアハウス暮らしを始める。
それぞれにできることをできる範囲でやって心地よく暮らしていく。こういうのが同居ものの面白さだよなあ。飛び出したそこで新しい出会いがあったりもして、人と人が繋がる楽しさもある。蘭上のエピソードも、神代との恋も、とてもよかった。心配なのは結桜のことだけど、彼女も彼女で外への世界が開かれそうな予感がするからきっと大丈夫なはず。
ほどほどがちょうどいい、という作品でした。面白かったです。

高校生の浅村悠太は、親の再婚をきっかけに、学年で一番の美少女・綾瀬沙季と一つ屋根の下で兄妹として暮らすことになった。
互いに両親の不仲を見てきたため男女関係に慎重な価値観を持つ二人は、歩み寄りすぎず、対立もせず、適度な距離感を保とうと約束する。
家族の愛情に飢え孤独に努力を重ねてきたがゆえに他人に甘える術を知らない沙季と、彼女の兄としての関わり方に戸惑う悠太。
どこか似た者同士だった二人は、次第に互いとの生活に居心地の良さを感じていき……。
これはいつか恋に至るかもしれない物語。
赤の他人だった男女の関係が、少しずつ、近づいていき、ゆっくりと、変わっていく日々を綴った、恋愛生活小説。(Amazonより)
アニメ視聴済み。
自分の世界を壊さないようにゆっくり歩み寄っている感じが、読んでいてとても静かな気持ちになって心地いい。周りの人たちも必要以上に踏み込んでこないのも、そういう風に関わってきていた悠太や、踏み込みたいと思わせてきた沙季のことがよくわかる。
淡々とした調子で、感情の起伏も緩やかな原作。アニメはものすごく上手く雰囲気を作っていたんだなあと感じました。

「この子は、私が引き取って育てます」
私、歌枕綾子、3ピー歳。亡くなった姉夫婦の娘を引き取ってから早十年。高校生になった娘は、最近は幼馴染みの男の子、左沢巧くんといい感じ。もしかしたら付き合っちゃうかも? タッくんはとってもいい子だし、私は大賛成ね。
え? 彼が私に話があるって、まさか『娘さんを僕にください』的な話なの?
やだもう、ちょっと気が早すぎ――
「綾子ママ……俺、ずっとあなたが好きでした。俺と付き合ってください」
「……娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!?」
隣の男の子が惚れていたのは、娘じゃなくて私だった!? 嘘でしょぉお!?
姉の娘を育ててきた女性と、そんな彼女に片思いをしていた少年。長年の想いが爆発する超純愛ラブコメ、開幕!(Amazonより)
5歳だった姉夫婦の子どもを20歳のときに引き取った綾子。それから十年。娘は大学生になったお隣の幼馴染みの男の子と今日も仲がよく、二人が付き合ったらいいのに、と思っていたら、なんと彼は綾子の方が好きだと言い始めて!? というか、年上女性というかママとの恋愛もの。
正直綾子の、子どもだった巧に対する接し方がものすごく考えなしでだいぶ……アウトです……そういう作品だとはわかっているけれども……。十歳になる男の子と一緒に風呂は入らんよ! 頭ゆるゆるか! 我が子もアウトだがよその子は絶対アカンやろ!!!
歳の差に悩んだり、自分の気持ちに迷ったり、というところは非常に可愛らしかったです。

正統派ヒロインにありがちな“いい子ちゃん発言”。
それが大ッ嫌いな私が、念願かなって悪役令嬢に転生!!
誰にも文句を言わせない悪女になるためには、体を鍛えて猛勉強し、魔法の腕も磨かないとね!
――と頑張っただけなのに、悪役になろうとすればするほど周囲の好感度が上がるようで!?
いいわ、悪女としてその期待、全力で裏切ってみせます!(Amazonより)
アニメ視聴済み。乙女ゲームのいい子ちゃんなヒロインに感情移入できず、悪役令嬢が好きな主人公は、転生したその悪役令嬢だった。歴史に残る悪女になってやるぞと努力を重ねていたら、当然ヒロインとその取り巻きとは対立、なのに王子様の高感度は爆上がりで、という乙女ゲー転生悪役令嬢もの。
アリシアの言う「悪女」の定義がなんなのかやっぱり最後までわからなかった。国を乗っ取るでも周りを自分の望み通りにするというわけでもなく、お花畑ないい子ちゃんと対立したい、矯正したいのなら、それは悪女ではなくて悪役を装った善行者なんだよな。現実を見て要不要を判断して適切な行動を取っているだけで。
あとこういうファンタジー作品、特に幼少期のシーンがあるもの特有だと思うんですが、十歳前後の子どもに年上のヒーローが恋愛感情を抱いたりアプローチするのがちょっと……。そこでそうとは思わせないのが大事だと思うんだけどなあ。

今までの后同様、孤独な軟禁生活を覚悟して後宮に入った淡雪。だが新王の鳴矢は、淡雪をお飾りの后としては見ていなかった。そして婚儀から半月、ある事件によって、鳴矢の赤い髪の色が変化する。強い力を持つ次代の王が成人するまでの中継ぎと軽んじられていた鳴矢だが、この変化によって、次代の王に匹敵する力があることがわかり、貴族たちの間に波紋が広がる。
一方、鳴矢に惹かれ始めていた淡雪は、諦めたはずの幸せの予感に心を躍らせる。しかし淡雪には天眼天耳の力という秘密があった。誰より、鳴矢にはこの力を知られたくないと願う淡雪だったが…。(裏表紙より)
中継ぎの王でしかなかった鳴矢が次の王に等しい力の持ち主である可能性が浮上し、揺らぎ始めた宮廷。そんな中でも淡雪と鳴矢は交流を重ねていた。図らずも互いの秘密を明かし合った頃、暗躍する者たちの影も見え始める。
あっさりばれたな!? と思いましたが、それだけ淡雪の心が溶けたってことなんだろうなあと思うと微笑ましいやら切ないやら。そしてその後のキスのあれこれが可愛すぎて悶絶。子どものことは気がかりだろうけれどもっといちゃいちゃして!
天羽一族に何があったのか、都に残る先代の后は何を狙っているのか、退位した王は何を画策しているのか。細かな謎の糸が次々に投げかけられてきた感じがして続きが楽しみです。

「このホテルを守るため、僕と結婚してくれませんか」
結婚願望0%、仕事一筋の花籠あやね27歳。上司とのいざこざから、まさかの無職となったあやねを待っていたのは、なんと眉目秀麗な超一流ホテルの御曹司・太白からの“契約結婚”申し込みだった!
しかも彼の正体は、仙台の地を治める大妖怪!? 次々に訪れる妖怪客たちを、あやねは太白と力を合わせて無事おもてなしできるのか――!?
杜の都・仙台で巻き起こる、契約夫婦のホテル奮闘記!(Amazonより)
部下の成果は自分のもの、仕事のミスは他人のもの、という上司にとうとう嫌気が差し、退職を決めて有給消化中だったあやねは、旅先で超一流ホテルの危機に遭遇。仕事柄手伝いを申し出たら、そのホテルの御曹司に仕事ぶりを認められ、契約結婚することに。けれどこのホテルも従業員も実は人ならざるものたちだった。
というとあやかしの世界でみんなに愛される主人公を想像しがちかもしれませんが、だいぶお仕事ものの要素が強い印象。あやねは超一流ホテルの従業員としてもあやかしの世界のことも失敗したり成功したり、あやかし側も現代社会にしっかり根付いていて会社としての駆け引きも発生したり、トラブルに発展したり。その解決方法もあやねがしっかり現代の人間らしく仕事をして解決しようとしたりして、地に足がついていて面白かった。
だから二人がお互いに電話をするシーンがめちゃくちゃ可愛かった! 仕事のパートナーとしても信頼があるし、一緒に生活していてもすり合わせがうまくいく相手って得難いよなあ。二人が自覚するときってどう行動するのかめちゃくちゃ気になる。

「地竜の加護商会へようこそ!」先祖代々雑貨屋を営む家の娘、ジネット。しっかり者の看板娘として近所でも評判だが、嫁ぎ先が目下の悩みの種であった。 そんなある日、兄がどこかもわからないシャルパンティエ領で出店ができる営業許可証を貰ってくる。ジネットは、自分のお店を持ちたいという夢を胸に旅立ちを決意する。その道中、彼女は騎士ユリウスと運命の出会いを果たす。その彼こそが、辺境の地シャルパンティエの領主だった。ランプにポーション、堅焼きパン! 笑顔であなたを待ってます! 異世界の雑貨屋さん、ただいま開店準備中!! 第1回アリアンローズ新人賞「最優秀賞」受賞作品、登場!(Amazonより)
両親を失った大家族の兄妹の上の方の娘、ジネット。結婚する兄やまだ幼い弟妹たちのためにとうとう家を出ることを決意。巡り巡って手元にやってきた、どこともわからないシャルパンティエ領の営業許可証を手に、かの地を目指す。けれど店を始める前に領主代理になってしまうなど、道のりは長いけれど多くの出会いがあって……。
領地経営を開拓から始めます、というシミュレーションゲームの冒頭をじっくり書いたような一巻。道を通したり、ダンジョンがあるという新しい街に必要な店や品物を考えたりなど、タイトルから想像される「お店屋さん」みたいな可愛らしい話じゃなかったのですが「店をやる」ことは「街がある」「人が集まる」ことが前提であると教えるような話で、とても興味深かったです。