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紅牙のルビーウルフ〈3〉西の春嵐 (富士見ファンタジア文庫)
 神国グラディウスに必要なのは女王ルビーウルフの血筋だ。彼女に直接それを言う者はいないけれど、誰もが急かす気持ちを抱いている。ルビーウルフにはそれが匂いでわかる。だが、ジェイドは違った。いつだってルビーウルフの意志と自由を尊重してくれている。
 今になって気づいた。自分はジェイドに甘えていたんだと……。
 ——ジェイドが失踪した。
 国の建て直しをかけた大工事の視察で、ルビーウルフ一行が訪れた西域の地。そこの領主ハリスの娘クラリッサとともに女王の魔導騎士が姿を消した。
 駆け落ちかっ——!?
 そんな事はない! と否定しながらも、激しく動揺するルビーウルフ。果たしてその真相は?
 狼王女を襲う、愛の嵐!——の予感?(カバー折り返しより)

コルコット派が粛清されていく過程で、西域の地に追いやられたハリスのもとを訪れたことによって始まる、悲しい陰謀の話。大きな企みでなく、人一人の悲しみがこんな大それた、それでいて愚かな事件を起こしたかと思うと、やるせない。
ルビーウルフとジェイドの関係にも、かなり変化が出てきました。もともと勘のいいルビーなだけに、自身の変化はきちんと認識しているんだけど、それがどういうことなのか、というのを知らない、狼少女っぷりがかわいいなあ。
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