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戦後民主主義と少女漫画 (PHP新書)
一九七〇年代から現在に至るまで、とくに“二十四年組”を中心に花開いた〈少女漫画〉の魅力とその高度な達成——大島弓子と萩尾望都、岡崎京子の作品を主な手がかりに、少女漫画を戦後文化論として読み解く。ヒロインたちが抱える繊細な“怯え”は、大人の論理が強要する安易な成熟の拒否であり、無意識の抵抗だったのではないか。今日に至るまで連綿と受け継がれてきた“震え”や“怯え”の伝達装置としての〈純粋少女〉たちに、高度消費社会の諸矛盾を乗りこえる可能性をみる。巻末に「少女漫画の名作一覧」を収録。(カバー折り返しより)

柔らかな文体と考察で、この方の文章は好きだなーと思いながら読む。なんというか、少女漫画に
対して嫌悪感というか抵抗感があんまりないような見方をされている気がする。
でもタイトルにあるような話はほとんどないです。
序章「七〇年代少女漫画前史」では、七十年代少女漫画論でよく見る「成熟の拒否」が扱われているけれど、この本はその「読者の心」に強く言及するわけではなくて、大島弓子『バナナブレッドのプディング』、萩尾望都『トーマの心臓』、岡崎京子『ヘルタースケルター』を通して、少女漫画の主人公たる「少女」とその作家とは何かを探っていく感じで、ようはすごく私好みの一冊でした。大島弓子から萩尾望都、そして岡崎京子から現代少女漫画へ持っていくのが自然体で、嫌らしくなかったなあ!
飯沢さんは大島弓子さんがお好きなようで、それに多く割かれている印象。終章の「純粋少女と少女漫画のいま」がよかったなあ。好きだー。
巻末の少女漫画の名作一覧は完全に飯沢さんの趣味というかで、最後まで固くない感じが好きでした。
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