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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)
人々は皆、蛙、鼠など様々な動物の特徴を持つ、空に青い聖星が輝く世界。そこにただひとり、どんな種族の特徴も持ち得ず生まれたラブラック=ベルは、自らの由縁を探すために旅に出ることを決めた。旅の呪いを帯びながら、〈都市〉において剣士として、試練を受けることになったベルは、やがて世界と神を問うことになる。

オープニングからカタコームのティツィアーノ戦まで。
一番最初に読んだときは、私はシアンはベルによって死んだと思っていたなあ。それからアドニスには恋はしていないように思っていた。恋慕に近しい、強い思い入れだったわけで。
ベルが育ての両親と再会して、妹に会うシーンが好き。しかし一番の盛り上がりはやっぱりカタコーム戦だなあ。感応といえるのなら、きっとそれだと思う。戦いの思考に入り込んでいるような気分。
一巻はあんまり好きシーンがないかも。剣楽はかっこいいし、盛り上がるけれど、後の巻の方が盛り上がってる気が。
「オイレンシュピーゲル」と比べると、やっぱり最初期作なんだなあという感じ。こっちもかなり好きです。自分の頭の中で映像化して勝手に音楽を付けたりするのが楽しい。でも、オイレンの鋭さには敵わないなあと思う。
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蛇行する川のほとり (中公文庫 お 70-1)
憧れの存在だった上級生の香澄と芳野に誘われ、舞台背景画を描くために三人の合宿に参加することを決めた毬子。しかし合宿前に「九瀬に関わるのはよせ」と香澄に対する忠告を見知らぬ少年から受ける。待っていた合宿が始まり、三人だった香澄の家「船着場のある家」にやってきたのは、忠告をした少年月彦と、毬子に思いを寄せてくる暁臣。五人の合宿は、やがて夏の日に起こった二つの事件を暴こうとしていく。

恩田陸成分補給。久しぶりに底知れないところで怖かった。
少女たちの幻想というのか、一枚の絵を見ているような。ちょうど、表紙の酒井さんの作品のような、絵がずっと連続して続いている感じ。
恩田さんの視点みたいなのをずっと感じる作品だった。あとがきにもあるように、恩田さんの、少女たちを見た時の思いがずっと滲んでる。それが多分、一人称で語られながらも、第三者が見ているような、絵を見ているような不思議な感覚を引き起こすんだろう。
一番好きなのは芳野の章「ケンタウロス」。香澄の「愛してるわ」の意味がラストでぐっと迫ってきて良かった。少女から少女へ、という愛なので、少々倒錯的と言えるのだけれど、暗黒さはないので、とても良かった。
最初のページの文は、意思みたいなのが語りかけてる感じなのかな。
夏に読む童話的小説。でも読み終わるとやっぱり怖い感じ。
恋のドレスとつぼみの淑女―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
19世紀イギリスのロンドン郊外にある仕立て屋「薔薇色」のドレスは着る人の心を映す。人々には恋を叶えるドレスと噂されていた。その店主クリスの元に、公爵家の令息シャーロックがドレスを依頼しにくる。ドレスを身につけるのは、足が動かなくなった妹フローレンス。フローレンスの秘められた思いと、ドレスの物語。

とてもしっとりとした物語だった。これは人物みんなが英語で話して、字幕をつける映画みたいにしたら綺麗だなと思う。
話は、主人公のクリスの話というよりも、あとがきにあるように「ドレスが主役」の物語。これは絵や映像でみたらきらきらしてうっとりするだろうな……!
クリスがたいへん落ち着いた女の子で好感が持てる。シャーロックが貴族の坊ちゃんしていて、まだ子どもであんまり好きじゃないけれど、クリスを引っ張っていくのはこのくらいがいいのかな。でももうちょっとシャーロックに大人の魅力を!
19世紀イギリスのロマンチックさが出ている感じで、ファンタジーをひとつまみ入れた具合がいい感じでした。続き物らしいので、どうなるか気になるところです。
別冊図書館戦争 1 (1)
「当麻亡命事件」後の話を、郁と堂上の恋愛を中心に描いた「別冊」。激甘注意!

大変おいしゅうございました、というほどの激甘小説。バカップルすぎる。
爆笑したのが、『一、「明日はときどき血の雨が降るでしょう」』の、返り血浴びてイイ笑顔な郁のシーン。それに対する堂上の態度がかなりイイ。「もうな、俺はな」の言葉がかわいいと思ってしまった。そしてその後の台詞はやっぱり殺し文句だった。
『二、「一番欲しいものは何ですか?」』では堂上の家族に対面。いい人たちで良かった……。ラストが甘くて顔面を覆った。郁が一番欲しいのがキスとか! それに応える堂上とか!
『四、「こらえる声」』はいいのか、書いちゃっていいのか、という感じだった。大人だもんね二人ともそうか気持ちよかったのかタイトルから内容を察しろ! という感じ。「そして俺はムツゴロウさんか!」で大爆笑した。堂上教官、何気なくツッコミ上手くなってませんか。
柴崎と手塚の関係もいい感じだ。柴崎がなにげに気持ちを隠しつつ接近、手塚は完全意識しながらもウブイ。二人の展開もかなり気になるところ。
図書館革命
国内の原子力発電所でテロが発生。当麻蔵人の「原発危機」をなぞらえていると報道されていた。稲嶺司令の勇退によって、新たな時代を迎えようとしていた図書隊において、郁と堂上は急接近中。そこで現れたのは「原発危機」の著者、当麻。出版社の折口は、メディア良化委員会によって作家狩りの始まりになるであろう当麻の保護を求めてきたのだった。

にやにや、どきどきがたくさんだった。
メディア良化委員会との対決がどきどき。その合間に垣間見える郁と堂上の関係と、柴崎と手塚の距離具合がにやにや。陰謀具合と戦闘のバランスも良い。ただ、郁が本当に恋する女の子で、そんなこと考えてる暇ないでしょー! とにやにやしながら叱ってしまうところだった。
一番の功労者は大阪のおばちゃん。有川さんは本当に大阪のおばちゃんのノリ好きなんだろうな。
エピローグはにやにやにやの嵐だった。ここに至るまでに色々あったんだろうなと思うと、やっぱりにやにやが止まらない。
阪急電車
阪急今津線。それは阪急電車各線の仲でも全国的知名度が低いであろう線である。それを利用する人々の少しずつの関わりを描くオムニバス。

やっぱり有川さん好きだな。軽く読めて笑える。楽しい気分になれる。
一回目の「宝塚南口駅」が好きだ。好きだが、女の人ってこわー……。でも翔子さんの関わる話はかっこよくて好きだ。
それから「甲東園駅」のえっちゃんの話は面白い。みんなこうして喋ってるよな。実際、何話してもみんな突っ込んでくれるってちょう優しいと思います。
クジラの彼
ミリタリー恋愛もの。テンポが軽快でかなり面白かった!
「クジラの彼」で使った「クジラ」辺りの表現は結構あるものなんだろうか。見たことある。合コン→高物件の彼がある女の子の一言に惹かれるみたいな展開はありがちなのか? 合コン分からん。
「国防レンアイ」かっこよかった! 三池さんが檄飛ばしてその後「……ひどい!」と男性隊員たちが顔を覆うのが思い浮かんで噴いた。
「ファイターパイロットの君」は茜ちゃんが可愛かった……。そして高巳がいいパパで、ちょっとずれてる光稀がやっぱりかわいいのだった。
「国防レンアイ」、「クジラの彼」、「ファイターパイロットの君」と「脱柵エレジー」くらいがベスト3かな? 「ファイターパイロットの君」は、「空の中」を買ったので初読みしながら探しておきます。

アンケートからのおすすめでした。ありがとうございました!
「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6) (講談社文庫 お 83-6)
恩田さんちょうかわいいのだった。飛行機が本当に嫌いなんだなあ。
105ページからの話の創作についての話にすごく共感した。ここは丁寧にしておこうとかそんな勘が働いて、書いていく内に「あ、ここにつながるんだ」という感覚が起こる。「書いてみないと分からない」「なんとなく伏線を張っておいた」なんだよな、私も。一度書き終わってから直していくうちにここにつなげられるんじゃないかとやったりもする。
ロバートとかアルバートとか、爆笑した。
獣の奏者 II 王獣編
「えええ、そこで終わるの!!?」読んだ直後はその衝撃でいっぱい。黒幕は最初からあっさり分かっているのだけれど、もっともっと話を膨らませられた気がするのに! とそこだけ残念な気持ち。
らぶをと最初は思ったけれど、リランとの繋がりの方が濃くてそっちの方にどきどきしていた。やはり獣と人は繋がれない、という絶望があってどうなるのと思ったけれど。
 それでも、ずっと奏で合ってきた音は、こんなふうに、思いがけぬときに、思いがけぬ調べを聞かせてくれる……。

これに集約されている。美しい物語の結末。
リランとエリンは同じ場所にいて、リランもエリンと同じ気持ちだったのだろうと思うと涙が出る。心が通えないことが何故あるだろう。竪琴の音は心の音だ。空から天地に響くんだ。
上橋さんの描く歴史の強者と弱者は、まるで本物の伝承のようで大好きだ。
獣の奏者 I 闘蛇編
特殊な生まれの少女が貴重な獣と出会ったことで国の真実を見ていく話。
頭の良くて物静かな女の子、という人物はとても好きだ。考えて考えて、実行する力も備えている女の子というのは理想的。
自然が綺麗だなあと思う。蜂を飼う山も、闘蛇の池も処刑地の沼も綺麗だ。この一言に尽きる。
エリンが髪の長いの想像しちゃうんだよなー!(好きだから) 短いのも可愛いけど!
これを読んでいる時はらぶが欲しかったけれど、リランとどう関わるのかというのも気になってました。
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Author:月子
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