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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アダルシャンの花嫁 (角川ビーンズ文庫)
最強の誉れ高いカストリア帝国を、新興のアダルシャン王国が破った。予想を超えた幕切れに周辺諸国が騒然となる中、アダルシャン王弟にして常勝の英雄アレクシードのもとへ、和睦条件の政略結婚話が舞い込んできた。なんと花嫁ユスティニアは、先日まで対戦国だった大カストリア帝国の第6皇女。ところがこの姫君、まだたったの10歳で……!?
読者支持率No.1! 第2回角川ビーンズ小説賞〈読者賞〉受賞作!!(裏表紙より)

挿絵が苦手で読みたいなと思いながら避けてたのですが、最近政略結婚ものづいているので、読んでみようと手に取りました。
二十歳の普通の青年なアレクシード。妾腹ということで味方は少ない。政治は少し苦手で口もうまくない。ところが、彼は、とても子どもには優しいという……。ユスティニア登場のシーンの優しさ、滑らかな喋りは、どうしたお前!? という、彼の不器用さを払拭するくらい爽やかで王子様で、思わずにやにやしてしまいました。でも一転して、ユスティニアはアレクシードに敵意を持っていて、という王道。これがベタだけれど、ユスティニアの性格がよすぎてかわいくてとてもいい。
少女小説な一面もありつつ世界の中での政治も書かれていたりして面白かった。こんな小難しいこと考えられないよ! すごいな!
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死神姫の再婚 -私の可愛い王子様- (B’s‐LOG文庫)
アリシアの実家である”フェイトリンのお屋敷”を買い取りたい――。成り上がり貴族の集合体・フェイトリン五家の最下位であるロベル家が、招待状とともにもちかけてきた突然の相談事。珍しく心配顔になったアリシアときな臭い罠を感じたカシュヴァーンたちは一路、ロベル家へ。訪れた先ではなぜか華やかな舞踏会が開催されており……? しかも会場を仕切るのはカシュヴァーンの天敵・ジルカルド。王子様然とした完全無欠の美貌男は死神妻に魔の手をのばし、暴君夫と心理戦を繰り広げる――!?(裏表紙より)

舞踏会と心理戦と王子様がキーワード。オルガンが弾けるアリシアかわいい……とのっけからほわーんとする。ジスカルドはもう嫌な人のにおいぷんぷんで、カシュヴァーンがんばれーがんばれー!! とエールをおくってしまう。
アリシアが前進しているのに、やっぱり後退していくカシュヴァーン。そろそろ腹割りませんか! オイシイ! でももどかしい! このジレンマ。ダンスのシーンがいい。かわいい。
人妻王女様がいい人だ。新婚夫婦をもっと焚き付けてほしい。余計な知識をアリシアに与えてそれを使ったアリシアとカシュヴァーンのボケとツッコミを期待しています。
死神姫の再婚 -腹ぺこ道化と玩具の兵隊- (B’s‐LOG文庫)
死神妻と暴君夫、一風変わった新婚夫婦を訪れたのはアリシアの最初の嫁ぎ先、バスツール家の現当主・エリクス伯爵。切り出したのは妙なお願い事……。その少し前、いきなり屋敷に出現した少年のような少女・レネは『ふたりの夫婦生活を勉強したい』と無理難題を言い出してきた……。再び”おなかが痛く”なるアリシアをよそに、来訪者たちに眉をひそめるカシュヴァーン。そして、さらなる闖入者はルアークの兄という暗殺者で——!? 第9回えんため大賞ガールズ部門受賞作、圧巻の第3弾!!(裏表紙より)

ルアークの過去が垣間みれる話。井戸のルアークの話切ない。正直に「癇に障る」と言った彼に好感度が上がった。正直そういう時もあるよね、と人間っぽくて。「好きなんだ」という言葉も、小さな子どもみたいな叫びに聞こえて、切なかった。
レネがとても良いキャラ(新婚夫婦を焚き付ける意味で)。そして二人きりになると理性というか抑圧していたものが吹っ飛ぶカシュヴァーン。ばか、もっといちゃいちゃしろー! でも終章のあれはずがーんと恥ずかしかった……。アリシアはちょっとずつ前進してるみたいだけれど、後退するカシュヴァーンのばか。愛しい。
ディアナ・ディア・ディアス (徳間文庫)
 本来ならば《高貴なる血(ディア)》をひく者として王位に就く筈だった王女ディアナ。幼くして父の国王を失ったため、叔父のカイオスが暫定的に王に。ディアナが王位を継承するには同じディアを持つティークと結ばれる必要があった。《運命(ディア)》に導かれるように恋に落ちる二人。が、カイオスの陰謀によりディアナは将軍ムールの許へと嫁がされてしまう。ディアナがティークの不義の子を身籠ったことから悲劇が始まった……。(裏表紙より)

世界観続きの「扉を開けて」を読んだはずなんだけれど、扉の方の内容がちっとも思い出せないのですが、これ単体でも面白かったです。
この上記のあらすじを読んでから本編を読むのが正しいのかも。少女小説的なあれこれではなくて、ただ陰謀と悲劇みたいなことが描かれている感じ。後味が悪くてそれが良い。
トンデモな人物二人が主人公と言えるかもしれないけれど、そのトンデモな二人は主に不幸を負うことになったり、後味の悪い陰謀、歴史的悪になるという、最初から物語とマイナス方向へ進んでいく。とんでもない大きな時代の、ある一幕の話だった。
ディアナとトリューサのあれこれが書かれたらきっと少女小説だった。でもこれはこれで真っ暗でおいしい気がした。
死神姫の再婚 -薔薇園の時計公爵- (B’s‐LOG文庫)
『死神姫』と噂の天然系・アリシアの再婚相手は、悪名高くて誇り高い《強》公爵のカシュヴァーン・ライセン。一風変わった新婚生活(愛人メイドつき!?)は相変わらず甘いムードとは無関係……の、ように見えて微妙に進行中? ある日、夫婦揃って結婚報告をするためアズベルグの全領主・ディネロのお屋敷を訪れることに。初のお泊りに嬉々とするアリシアだが、その訪問には複数人の陰謀と、意外にも暴君夫の”焼きもち”が絡み合い——!? 第9回えんため大賞ガールズ部門受賞者作、会心の第2弾!!(裏表紙より)

爆笑した。やっぱり好きだこれー! これだけすっとぼけられると、あまーい時がものすごーくニヤニヤしてしまう。
複数人の陰謀のせいで、ただの訪問が色々慌ただしいものに。そこには普通の嫉妬があったりするんだけれど、それがまた面白い。ディネロとのシーンは早く来いカシュヴァーン! と思いながら、その後の「俺は、腹は、痛くならない」「……なんの話だ」に思わず声を出して笑った。
甘ーい一番のシーンはふたりきりの部屋かな! アリシアの反応かなり面白い。思わずニヤニヤ止まらない。
これ続きも読むー!
死神姫の再婚 (B’s‐LOG文庫)
没落貴族の娘で14歳のアリシアは、後見人の叔父により家名が欲しい金持ちへ嫁がされるが、なんと結婚式の途中新郎が急死してしまう! この「事件」がもとで『死神姫』と呼ばれるようになってしまったアリシアに、再婚話が持ち上がった。相手が新興貴族の成り上がり者でとかく噂のある〈強公爵〉ライセン。馬車に揺られて着いた先は、怪しい装飾を施された屋敷とライセンの愛人と主張するメイドのノーラ!?
第9回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞! の軽快コメディ!!(裏表紙より)

感想書くの忘れてたので今更ながら。
これかなり好きになってしまった。没落貴族の天然娘が、俺様な新興貴族に嫁がされるというコメディ。コメディでとても気持ちいい感じだった。ときめきポイントはきっちり押さえてあると思う! 夫になるカシュヴァーンとのちょっとのずれ具合とか、彼の影の部分とか、幼妻! とか、俺様が実はどっぷり……、とか!
なによりもオチがすごいと思った。すっごく良いシーンなのに、ゴッと転けた。
とてもオススメ! 続きも読む!
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はうzが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!(裏表紙より)

面白かった! 元気出るなあというテンポの良さと気持ちいいストーリー!
ひとつひとつが綺麗にはまっていくのがいいなあ。最後、本当にだめなの、だまされちゃうの、とどきどきしてしまったけれど、気持ちのいい終わり方をした。
楽しくて、なんかちょっと壊れてる人たち。というのは、素晴らしい才能を持っていたり、特に銀行強盗に罪悪を抱いていない様子だったりするから。そのネジの抜け具合が、読んでいて楽しいのかも。雪子さんが一番弱そうに見えてキレるとすごかった。あとの三人はなんとなく自分でやっていける感じがするけど、文中にもある通り、安定感の良い四角であることがとてもいいなと思った!
きのうの世界
水無月橋と呼ばれる橋がある、昨今流行のレトロな街並を維持するM町に殺人事件があった。市川吾郎というその男は不思議な力を持っていたらしい。偽名を使って、彼はM町で何を調べていたのか。そしてM町に立つ、二つの塔の意味は?

面白かった! 淡々と進むひとつの町の面を、様々な人の視点で見ていく。殺人事件がメインのミステリーというより、町というかひとつの「世界」を描きたかったのかなあと。
話は「きのう」という過去を探っていくもので、それが現在に進んで、未来への一歩を踏み出したのは、あの水柱のシーンじゃないのかなあ。過去から現在から未来へというのが私の考えたこの作品のテーマ。
締め方が恩田さんらしくて好きだなあと思った。偶然と、世界と、人、みたいな。
精霊の木
環境破壊で地球に住めなくなった人類は、さまざまな星へ移住した。
少年ヤマノシンの住むナイラ星も人類が移り住んでから二百年をむかえようとしていた。
ところが、シンの従妹リシアが突然、滅びたと伝えられるナイラ星の民「ロシュナール」の〈時の夢見師〉の力にめざめてしまう。

SFファンタジー。上橋さんのよく描かれる、淘汰される種族と征服者の現状がストレートに描かれている感じ。少年少女の冒険譚な要素もあり、少年少女の出生の秘密や、大人たちの思惑なんかもいっぱいに詰め込まれてる。時間とか、大人とか、思い通りにならない現実があって、それを越えて道を踏みしめて歩いていくシンとリシアがいいなあと思った。
ひとつのシーンを見たために、物語が姿を現すことってあるよね! と上橋さんのあとがきを読んでいつも思う。
銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)
 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった……。
 だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない”黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその”黄昏の子供たち”の一人だった。
 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。(カバーより)

切ない、と言うより、ラストの力強さが印象に残った物語だった。
文章はライトノベルというよりケータイ小説的かなと思う一文の短さで、さくさく読めるけれど、想像力を駆使しないとしんどいかも。最初のクラスメート女子の「あろはおえ〜」とか「なにを黄昏れちゃってるのかな?」など最初の、普通の生活、がどうも違和感でした。それくらい、そういう雰囲気がまったくない話だとあらすじでプロローグで思っていたので。
あらすじを読んだら人類の進化のカギというワードから陰謀ものかなと思うけれど全然そんなことはなくて、少年少女の出会いと一緒にいると決めることが書かれていたと思う。惜しいなーと思うのは、もうちょっと書き込みがほしかったからかも。ひとつひとつのエピソードはもっと膨らませがいがあると思うのになあと思ったり。

 これは僕の宣戦布告だった。この救いの無い理不尽な世界への。
「ここに」
 銀花がいる方角を指さし、微笑む。
「ここに女の子がいるんですよ、一人」


最初に書いた通り、終始漂う緊迫した危うさ、切なさと、ラストの力強さがとてもいいなと思いました。きゅん、というより、ふう……、だったと思います! オススメありがとうございました!
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Author:月子
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