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ディアナ・ディア・ディアス (徳間文庫)
 本来ならば《高貴なる血(ディア)》をひく者として王位に就く筈だった王女ディアナ。幼くして父の国王を失ったため、叔父のカイオスが暫定的に王に。ディアナが王位を継承するには同じディアを持つティークと結ばれる必要があった。《運命(ディア)》に導かれるように恋に落ちる二人。が、カイオスの陰謀によりディアナは将軍ムールの許へと嫁がされてしまう。ディアナがティークの不義の子を身籠ったことから悲劇が始まった……。(裏表紙より)

世界観続きの「扉を開けて」を読んだはずなんだけれど、扉の方の内容がちっとも思い出せないのですが、これ単体でも面白かったです。
この上記のあらすじを読んでから本編を読むのが正しいのかも。少女小説的なあれこれではなくて、ただ陰謀と悲劇みたいなことが描かれている感じ。後味が悪くてそれが良い。
トンデモな人物二人が主人公と言えるかもしれないけれど、そのトンデモな二人は主に不幸を負うことになったり、後味の悪い陰謀、歴史的悪になるという、最初から物語とマイナス方向へ進んでいく。とんでもない大きな時代の、ある一幕の話だった。
ディアナとトリューサのあれこれが書かれたらきっと少女小説だった。でもこれはこれで真っ暗でおいしい気がした。
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