読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めたいたことは——。記念碑的青春小説。(裏表紙より)
少女の抱えるもの。なんだか文章が好きだ。内容は好きだと言ったらちょっと引かれるかもしれないけれど。でも少女の抱える心の闇が小説として綺麗にされている気がした。
「洪水のあとに」は那由多の話。いくら「好き」と言われても心が響かない少女。ラストが衝撃的すぎる。
「地下を照らす光」は淑子。教師と付き合っている彼女。恋なのか溺れているのか、悪意なのか。
「廃園の花守りは唄う」は翠の話。心に兄を抱いている。少しずつ変化するもの。やがて生まれてくるものを意識する。寄り添いあっているような「廃園〜」の、那由多と翠の会話がとてもいいと思った。
解決していない要素はあるものの、やっぱり綺麗だなという印象。
PR
この記事にコメントする