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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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手相 (図解雑学)
主立った線をメインと特殊な相を解説したもの。図解になっているので、照らし合わせながら見ることができる。感じとしては基礎的なこと、みたいに思えた。結構分かりやすい気がする。
ただ、やっぱり専門家に見てもらった方がはっきりするよなあと思うのは、他人の目での断定が、占いには心地いいからなのかもしれない。
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小川未明童話集 (新潮文庫)
人間はこの世の中で一番やさしいものだと聞いている——北海の海底に一人寂しく過ごした人魚が、夢と希望を託して人間界に生み捨てた美しい娘の運命を描く『赤いろうそくと人魚』。ある夜中、おばあさんの家を風変わりなお客が訪れる『月夜と眼鏡』。旅人を眠らせてしまう不思議な町をめぐる少年の冒険『眠い町』等全25編を収録。グリム、アンデルセンにも比肩する児童文学の金字塔。(裏表紙より)

「赤いろうそくと人魚」を友人たちが課題に出されていて、読ませてもらったら面白かったので買ってみた。
「赤い〜」がやっぱりいいなあと。人間をこの世で一番優しいと聞いていると信じて娘を陸に生んだ人魚自身の本当の優しさや、娘が絵を描いた蝋燭を売れば儲かると考えた人間たちの欲。しかし蝋燭を灯せば無事に航海できるという純粋な信仰と、純粋さ故に絵を描いている誰かを思い当たらないこと。寂しくて、冷たい、ひとりの寂しさを感じていたのは、娘が大勢の人がいる場所で一人で絵を描き続けたからかもしれない。
幾年もして町が滅んだというのは、神様の存在があるのではと思ったりしました。その神様を航海の神様としてたたえたり、今度は嵐を呼ぶ神だと遠ざけたり。他者を思いやる心がなければ滅んでいくだけだ、と神様の存在を描いたようにも思えます。
色々綺麗で素敵な童話ばかりなのですが、国境を守る老人と青年の交流を描いた「野ばら」も好きです。すごく優しかった。
訪問者
山中にひっそりとたたずむ古い洋館——。
三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。
千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。
晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。
「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」
孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?
一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!
冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。
数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた……。
果たして「訪問者」とは誰か? 千沙子と昌彦の死の謎とは?
そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った——。
嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー!(カバー折り返しより)

面白かった! 恩田陸成分をいい感じに補給しました。
視点となる人物は、昌彦について話を聞きたい、と館を訪れた記者。館には五人の老人たちとお手伝い、預けられている子どもがおり、記者はカメラマンを連れて、彼らから昌彦の話を聞き出そうとする。しかし、次々と明かされる謎の答えと嵐の訪れ、そして「訪問者」の存在で、全員が疑心暗鬼に陥っていく。
大きな謎がいくつかあって、小さな謎から始まってそれが解決して、でも次の謎のせいで疑心が芽生えて、という密室ならではのミステリーだった。
老人たちのおしゃべりや、頭の良い人の存在、映画というモチーフなど、恩田陸さんが好きそうなものを結構取り込んである感じがしました。老人たちの中で、千次さんが好きだ! 老人という部分がなんだかとてもいい。
種明かしはすごく面白かった。すごく、らしかったと思う。締めの言葉も!
はるがいったら (集英社文庫)
両親が離婚し、離れて暮らす姉弟。完璧主義の姉・園は、仕事もプライベートも自己管理を徹底しているが、婚約者のいる幼なじみと不毛な恋愛を続けている。体が弱く冷めた性格の弟・行は、寝たきりの愛犬・ハルの介護をしながら高校に通い、進路に悩む。行が入院し、ハルの介護を交代した園。そんな二人に転機が訪れ——。瑞々しい感性が絶賛された、第18回小説すばる新人賞受賞作。(裏表紙より)

完璧主義の姉と、病弱な弟という設定に惹かれたので、表紙買いしてみた。
瑞々しいとあるように、とても澄んだ印象の物語でした。でも内容は結構現実的でリアルだ。
完璧主義の描写がなるほどなあと思うくらいリアルだった。書くのが女性だけあって、園の話は特に、二十代くらいの若い女性らしい話だったように思う。女のどろどろ恐い。思い込み恐い。レストランのシーン、すごかった。
解決していないところもあるけれど、それが納得できる。それがタイトルからも伝わってきたし、これは転機なんだなと思いました。いい季節の話でした。
カオス レギオン05 聖魔飛翔篇 (富士見ファンタジア文庫)
「進むべき道を選べ——ノヴィア」
 ジークは、淡々と言い放った。
 波の音が、空の青さが、迷うノヴィアへと静かに語りかける。
 お前はどこへ向かうんだ——?
 彼女はある決断をする。
 ジークと別れて旅を続けることを。そして、レオニスに会うために、聖地へと向かうことを——。
 ある激突へ向けて、闇の中、静かに動き出すドラクロワ、それに対抗すべく血に染まりながら前に進むジーク。戦う魂たちが、ひとつの戦場に集う!
 伝説の円環がいまここに閉じられる。大人気ファンタジー書き下ろし長編!(カバー折り返しより)

最終巻ではありますが、ここから無印に繋いでエンドマークとなります。
冒頭のほのぼの(「すまん。つい」)ににやにやしている暇はなく、物語は環の閉じるための階段を駆け上っていく。民衆の狂気が、今までの敵の中で一番痛かった。だからか、毅然と立ち向かっていくジークも、ノヴィアも、レオニスも、トールも、たくさんの人々がとても素晴らしく格好良かった。
萌えポイントとしては、ノヴィアとレオニスがそれぞれの立場からそれに相応しい言葉遣いで、意志を告げるシーンだと思う。それからジークの到着! 「ただ一人の——軍団(レギオン)……」の盛り上がり方は異常だ。
とても楽しかった。いい戦いの物語だった!
カオス レギオン04 天路哀憧篇 (富士見ファンタジア文庫)
「ノヴィア、そんなに吠えると、ジークに嫌われるぞ。蔵の番犬みたいだぞ」
「い、犬……。泥棒猫みたいな人が、何を言うのっ!」
 あの頃の私たちは喧嘩ばかりだった。今ならその理由がわかる。キリが私にないものをたくさん持っていたからだ。自由で、強くて、誰とでも仲良くなれて。それでも、私にとって初めての同い年の仲間だったし、本当はキリと一緒に行ってみたかった。
 ジーク様が言っていた「全てが終わり、全てが始まる場所」——そう、海へ……。
 大幅加筆で生まれ変わった、大人気ファンタジー長編!!(カバー折り返しより)

ガールミーツガールの04。一方でのレオニスの狂気が恐ろしいです。
レオニスは何らかの形で弾圧されるんだ、と思って読んでいて……こう書くのが冲方さんなんだろうなあ……すごいなあ……。
ノヴィアとキリのやり取りは微笑ましかった。女の子同士の喧嘩調ってあんまり見ない気がするので。それを「放っておけ」と言うジークは、言葉だけでは冷たいように見えるけれど、実際気付かないところでにっとしてそう。
そしてやっぱりジークとドラクロワの絆が泣けて仕方がない。
だからかなあ。エピローグに少しだけ描かれた、ノヴィア、アリスハートとレオニス、トールとキリの遠くで、ジーク、ドラクロワ、シーラの三人が語らっていて……というシーンで、何故だか分からないけれど涙腺が崩壊した。ぼろっぼろに泣いた。絶対……な時間だからかなあ。多分全編を通して一番好きなところだと思う。
カオス レギオン03 夢幻彷徨篇
 赤き騎士は、ふと目覚めた。
 だが、頭の中に白い靄でもかかっているようで、何も思い出せない。手には鞘のない剣。辺りは静まり返り、花の甘い香りが微かに漂っている。
(斬らなければならない——)
 ふいに強い決意が胸をつく。誰を? なぜ? その時、男は壁に刻まれた名前を見つけた。
「……ノヴィア」
 騎士——ジーク・ヴァールハイトは一人立ち尽くすのだった。
 霧深い古城。レオニスの刺客によって、ジークとその従士のヴィアは離れ離れに。しかも、お互いに記憶を失って……忘却の果てに二人が辿り着くのは!?
 追憶が遠い過去を呼び醒ます——。
 書き下ろし大巨編第三弾!!(カバー折り返しより)

この巻もものすごい濃かった! 敵を打ち砕く時の爽快感がたまらなくよかった巻でした。もちろんそうだということは、物凄い困難があるわけで。
魔術とかではなくて、絶対的にも思える香りの力で記憶をなくす。でもそれをどうやって打ち砕くんだろう、とどきどきしながら読み進めました。
カオスレギオンは、ジークが秘めた深い悲しみと思慮があるのに、とても力強く大地を歩み勧めている気がしていいなあと思う。
ティアに対してのジークの宣言が、震えが走るほどの強さに満ちていて、うるっとしてしまった。
カオス レギオン02 魔天行進篇
 どこまでも荒れ果てた大地が広がっていた。大地は人々が踏み締める足音でいつまでも揺れていた。
 二万人の民衆たちが荒野を進んでいた。
 永遠に消え去った故郷を胸に。
 遥かなる新天地へ向かって。
 彼らを守るため、赤き黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークは孤軍奮闘の戦いを続ける。それはかつての友ドラクロワと共に抱いた理想を証明するため。だが、行く手には忌まわしき過去の残像が立ちはだかる。その果てに待つものとは!?
 失われた故郷を夢見て、全ての終わりが始まる——。
 書き下ろし軍勢ファンタジー巨編!!(カバー折り返しより)

二万人の群集と共に歩き続けるのがこの巻。
難民とも言える人々が、各地で受ける扱いと、襲撃から身を守りながら進む。襲撃を指示しているのは、あの少年なのだけれど。
どっしりと歩んで行く印象で、とても面白い巻だった。これ下手すると単調でつまらない気がするのだけれど、やっぱり冲方さんだなあ……!
そういう、長く険しい道程を辿り着いた先にある未来は、セグレブの民の受け入れによって明るい光が射したんじゃないかな。セグレブの民の代表の言葉がなんだか染みる。
なんだか不穏な気配、刺客が三人集結したところで幕。
カオス レギオン01 聖双去来篇
 少女は思わず、言葉を発していた。
「あなたが、歩いている姿が、見えます(・・・・)」
 一度も会った事のない相手だった。だが、奇妙なことに懐かしさを感じていたまるで過去の自分と再会したような。
 すると、車椅子に乗った少年は返す。
「見える(・・・)んだな」
 彼は生まれつき、足が不自由だった。それでも、何度も立ち上がろうとしていた。世界を自分の手にするために。
 領主継承に揺れる聖地シャイオン。その地で、黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークと旅を続ける聖女——ノヴィアは一人の少年と出会う。それは遠く失われたはずの絆と、新たなる戦いを呼び醒ますのだった……。
 書き下ろし長編に連作短編を収録した、衝撃の新章突入!!(カバー折り返しより)

記録から洩れていたので日付変えて突っ込む。
短編が一本と長編が一本。
短編は、ノヴィアが称号をもらうための試験の話。目上の人に対するジークの態度がなんだかかわいい。きっちりした好青年なんだなあ。
対決の話は胸の中にぶわあっと波が押し寄せたみたいに感動した。ノヴィアの覚悟の矢と、その決意。ジークならもしかしたら。そうでなくとも。と考えるのは、ノヴィアがジークを信頼している証なんだな。
長編では、まさか新しく、それも少年が登場するなんて思わなかったのでびっくりした。なんとなく、ジークとノヴィアの道行きには、出会いと別れがあって、こうして深く交流を深めるとは思わなかったから。
レオニスの並々ならない力が濃く描かれていて、愚かに見えることはあんまりなかった。何か大きな流れを作り出す予感があったからかもしれない。ロムルスの「これが命だ」にはぞくぞくした。かっこよかった。
トールとアリスハートの交流は、お約束っぽいけれどなんだか凄惨な印象の話を少しだけ慰めてくれて、和んだ。
カオス レギオン0 招魔六陣篇 (富士見ファンタジア文庫)
 少女は待ち焦がれていた。閉ざされた視界の向こう側に祈りの歌を捧げながら。
 戦乱が続く混沌(カオス)の大地で、盲目の聖女ノヴィアは、ただ一心に願い続ける。
 亡き母が全てを託した男——自分の目を開かせてくれるかもしれない、最後の希望が訪れることを。
 だがそんな少女の前に現れたのは、シャベルを担ぐ一人の墓掘り人だった!
「貴方様のお名前を……お聞かせ下さい」
「黒印騎士団(シュワルツ・リッター)ジーク・ヴァールハイト」
 無垢な魂と孤独な騎士が出会う時、二人の運命は激しく動き始める!
 書き下ろしを含む初の短編集!!(カラー折り返しより)

この0が、発行順に関係なくした場合、本編第一巻に当たる。短編集と書かれるとややこしくて。
盲目の少女ノヴィアがずれてるんですがたいそうかわいいです。ジークもぶっきらぼうで無口だけれど優しい雰囲気があって。ジークの戦闘シーンでの格好よさが異常すぎて滾りました。それに対して、ジークの力に驚く敵、あるいはそれに答える誰かの『レギオン』という言葉が痺れる。
純粋に楽しかったです。熱かった。
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Author:月子
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