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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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クレオパトラの夢 (双葉文庫)
シリーズ第一作『MAZE』で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手の追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つ重大な目的があった。それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の夢幻のイマジネーション! 解説・三浦しをん(裏表紙より)

なんの偶然か解説がしをんさんだった。びっくりした。
恩田陸を夏以来読んだ。この文章がすぐ馴染んできて、成分補給した。
「MAZE」をもうほとんど覚えていないので、恵弥の頭の良さにびっくりする。恩田さんは女性たちが喋りあっている、というのが好きだとどこかで読んだ気がするので、男で女な恵弥が主人公でもとんとん進む会話に性差の違和感はない感じ。
そういえば「冷凍みかん」の話を聞いたことがあるんだよなあと思っていたら、この本で読んだのか! 「冷凍みかん」は「朝日のようにさわやかに」に収録。今見たら記事にしていなかったみたいだったので上げておいた。
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とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!? ——圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる! 蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。(裏表紙より)

表紙が好きで買っていた。表紙のファナは本当に凛々しく麗しい。
夏の恋、ファンタジー編という感じ。結構分厚いけれど、あまり厚いものを読んだ気はしない。さらさらっと読めて、うん面白かったという感じ。一冊読み切りとしてはとても素敵だと。
男の子と女の子のパートは狙ってる感が若干あった気もするけれど、空戦パートが面白かった。プロペラ戦闘機というとなんだか真っ赤のイメージがあって、それに付随して空戦の派手さも某アニメ映画の感じで再生されるから、ビーグルとの決着はかっこいいなあと思って読んでいた。
ラストはとても綺麗だった。思わず表紙を見た。ラストらしいラストというのが本当にとても好きなので、青空と金色の夏が綺麗で嬉しかった。
海の底
桜祭りの行われる横須賀基地より謎の巨大甲殻類が襲来した。泊していた潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ二人の実習幹部・夏木と冬原、そして高三から小学一年生までの子どもたち。閉じ込められた空間での衝突、地上での防衛戦。六日間を乗り越える、大人と子どもたちの行方は。

全編シリアスな空気で息が詰まりました。特に狭い空間での圭介と望たちの話はハラハラ。地上での警察側の話は結構わくわくする感じで、二つが交代して進むので引き込まれていった感じだった。
夏木が始終熱血で、冬原が重大な時はにこやかに絞めるので、いいコンビだと思ったり。それから望は冬原の言った通り良い子だ……。「クジラの彼」で確か恋愛面の話があるんだよな。「クジラの彼」もう一回読みたいわー。
「やっぱり俺は、お前らが来なければよかったって一番初めに思ったんだ。お前らが来なかったら艦長は死なずに済んだって。そんな風に思われたのが最初なんて嫌だろ。どうせなら幸せに出会って幸せに始まった方がいいだろ」

印象としてはライトなミリタリもので、ちょっと軽めの読書したいわーと思ったときにいくといいかもしれない。
ラブコメ今昔
突っ走り系広報自衛官の女子が鬼の上官に情報開示を迫るのは、「奥様とのナレソメ」。双方一歩もひかない攻防戦の行方は!?「ラブコメ今昔」他六つの、自衛官たちが登場する恋愛短編集。

いやいやごちそうさまですという短編集。
最近の若者(二十代から三十代)の恋愛をこういう明るい文体で書くものになかなか出会ったことがないので、とても楽しく読める有川さんの本。
常々書かれているのが「有事の際は」ということ。これは「クジラの彼」でも書かれていたことだけれど、生半可な覚悟で国防はできないということ。これらは全部恋愛に焦点が当たっているし、平和な時代をメインにしているけれど。そういう点で「秘め事」はいろいろと重たかった。
「秘め事」は上官の娘と付き合うようになった自衛官の話。しかし何が起こるのか分からないのが自衛官で、主人公手島は彼女に別れようと言う。しかし、後悔に耐えきれず上官に全てを話して。
「そこそこいい打撃くれるようになりやがって」
「あなたが上官でしたから」

しかし上記の男の格闘はにやにやしてしまった。
空の中 (角川文庫 あ 48-1)
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは——すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント!!(裏表紙より)

面白かった! 有川さんがいう「大人ライトノベル」というものなんだなと思った一冊。生物を拾って育てるというのは子どものロマンだし、航空機や未知の生物というのは大人のロマンかな、と。
有川作品は、人が人に向ける思いの書き方が独特な気がする。計算高い思考がぱっと出てくるのって、あまり見ないような。
にやにや大賞は高巳と光稀で、じんわり大賞は宮じいだな。それから大人対子供には不覚にも燃えた。ディックとの対話の部分はちょっとしんどかったけれど、でも面白かった。瞬と佳江、真帆の子供サイドも良かった。子供サイドの、特に真帆のキャラクターはライトノベル的。しかしやっぱり大人サイドのにやにやはすごいなーと思う。エピローグ良かった。彼らの続きは「クジラの彼」の一編なんだよな。もう一度読んでこよう。
死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
①CDショップに入りびたり苗字が町や市の名前であり③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろうとしない——そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。解説・沼野充義(裏表紙より)

伊坂さんのイメージは淡々とした語り口なんですが、これもやはりそんな感じ。でも淡々としているのは語りだけで、実際の物語は結構いろんな事象があって読むのが楽しい。語りと物語の差が面白いのかな?
死神・千葉が、「ミュージック」が関わると目の色が変わるのが面白い。すぐに口に出すところが、すごい好きなんだなと思わせる。
「恋愛で死神」と「死神対老女」が好き。「恋愛で死神」は最後やるせない気持ちになって、揺らがない死神がちょっと憎らしくなるけれど、「死神対老女」では救いが見れて良かったなと。でもやっぱり全部いいなと思う。少しずつリンクしているのがとても好きなので嬉しい。この短篇六つも少しずつリンクしているけれど、伊坂作品でもリンクがあって、「旅路を死神」で出てくる絵描きの人は、もしかして『重力ピエロ』の弟か? と思っていたらやっぱりそうだったらしい。
これ確か映画化していたと思うのだけれど、評判はどうだったんだろう。
オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)
あらゆるテロや犯罪が多発する国際都市ミリオポリス。そこに「黒犬」「紅犬」「白犬」と呼ばれる三人の少女で構成される警察組織MBPの〈ケルベルス〉遊撃小隊がいた。「なんか世界とか救いてぇ――……」呟く「黒犬」涼月、スナイパー「紅犬」陽炎、歌い踊る「白犬」夕霧らによる、”死に至る悪ふざけ(オイレンシュピーゲル)”

かなり面白かった……。なんというテンポ。ぐいぐい引力を感じて、一気読み。
出てくるのはまさに表紙裏のあらすじ通り、クールでキュートでグロテスク。プラス、かなりブラックジョーク連発。しかしそれが妙に物語を彩っていて愉快。しかし三人それぞれの過去にはトラウマを覚えそうだった。
それでも格好良く強い三人の少女。貶し合っているようで、その実、絶対的な信頼関係で結ばれている辺り、とてもわくわくする要素だった。
ビジュアル的に三人ともかなり好みです。でも今後一番成長具合が大きく見られそうなのは涼月かな、と。でもやっぱりみんなが好きだー!
ばいばい、アース 4 (4) (角川文庫 う 20-4)
アドニスとの最終決戦、エピローグ。
「そんなに多くの人間は乗れないんだよ、あの船は!」

ベルの最初の記憶にある、悲しみみたいなもの。神代に何があったのか分かる気がする。

最終決戦後のアドニスが異様に優しくて泣ける。
この作品で好きなのは、言葉遊びみたいなもの。当て字、ルビ振りが、別の世界を見ているようでわくわくする。想像するのが楽しかった物語だった。
ベルがどんな種族の特徴も持ち得ない、という辺りにどんな姿かすぐに見当がつくけれど、それがどうしてこうなったのだろう、と探す物語だったのかなとか。とにかく、物語の今の「世界の形」を見る、という物語だったように思う。
濃い物語だった。しかしやっぱり鈍器に近いハードカバーも欲しかったなあと思うのだった。
ばいばい、アース 3 (3) (角川文庫 う 20-3)
ジンバックの弔いから、神の樹内部のガフ戦まで。
ベルの居場所が作られているのが分かるけれど、ベルがどうしても旅に出るのはちょっと分からない。でも、もう由縁を探すと決めているんだなあと思うと、ベルの心の強さが分かってベルがますます好きになる気がする。
見所は、仲良しと、ローハイド王戦、アドニスとの戦闘、〈唸る剣〉の破損、飢餓同盟の〈牙〉との戦いかな。
〈牙〉との戦いは、ギネス、ベネット、ベルの三人が、一度ずつそれぞれ試みられる戦いで、その辺りがとても漫画らしい。
しかしローハイド王戦の、幼いベルが漏らすカタカナ混じりの言葉が、物語の世界をがっと表していてぞくぞくする。「ここがどこなのかわかる」から。
ばいばい、アース 2 懐疑者と鍵 (角川文庫 (う20-2))
シェリーとの出会いからベネディクティンとの別れまで。
好きなんだよなあ、キール戦とその前後。
「確かに私は介者だ。粗にして野ではあるが、しかし卑ではない。覚えておけ」

から始まって、ベルが飾り立てられる辺りが乙女心をくすぐる。言い寄ってくる人間に対して、「喰い殺すよ」と笑えるベルが本当にかっこいい。
そしてキティ=ザ・オールが大好きだ。あのベルをエスコートできる唯一の人間だと思われる。踊るシーンはときめき度数がぐーんと上がった。
シェリーが神言を口にして「ラブラック=ベル、ただ一名のみ!」と告げてから「逃げてベル、逃げてーっ!」と言う辺りが何故かとても好きだ。
しかしその盛り上がり(私の)に反して、後のアドニスとのことがベルを深く沈めて「ああああ」となる。アドニスは肝心なところでへたれで、だめなやつだ。
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Author:月子
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