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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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阪急電車
阪急今津線。それは阪急電車各線の仲でも全国的知名度が低いであろう線である。それを利用する人々の少しずつの関わりを描くオムニバス。

やっぱり有川さん好きだな。軽く読めて笑える。楽しい気分になれる。
一回目の「宝塚南口駅」が好きだ。好きだが、女の人ってこわー……。でも翔子さんの関わる話はかっこよくて好きだ。
それから「甲東園駅」のえっちゃんの話は面白い。みんなこうして喋ってるよな。実際、何話してもみんな突っ込んでくれるってちょう優しいと思います。
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クジラの彼
ミリタリー恋愛もの。テンポが軽快でかなり面白かった!
「クジラの彼」で使った「クジラ」辺りの表現は結構あるものなんだろうか。見たことある。合コン→高物件の彼がある女の子の一言に惹かれるみたいな展開はありがちなのか? 合コン分からん。
「国防レンアイ」かっこよかった! 三池さんが檄飛ばしてその後「……ひどい!」と男性隊員たちが顔を覆うのが思い浮かんで噴いた。
「ファイターパイロットの君」は茜ちゃんが可愛かった……。そして高巳がいいパパで、ちょっとずれてる光稀がやっぱりかわいいのだった。
「国防レンアイ」、「クジラの彼」、「ファイターパイロットの君」と「脱柵エレジー」くらいがベスト3かな? 「ファイターパイロットの君」は、「空の中」を買ったので初読みしながら探しておきます。

アンケートからのおすすめでした。ありがとうございました!
「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6) (講談社文庫 お 83-6)
恩田さんちょうかわいいのだった。飛行機が本当に嫌いなんだなあ。
105ページからの話の創作についての話にすごく共感した。ここは丁寧にしておこうとかそんな勘が働いて、書いていく内に「あ、ここにつながるんだ」という感覚が起こる。「書いてみないと分からない」「なんとなく伏線を張っておいた」なんだよな、私も。一度書き終わってから直していくうちにここにつなげられるんじゃないかとやったりもする。
ロバートとかアルバートとか、爆笑した。
獣の奏者 II 王獣編
「えええ、そこで終わるの!!?」読んだ直後はその衝撃でいっぱい。黒幕は最初からあっさり分かっているのだけれど、もっともっと話を膨らませられた気がするのに! とそこだけ残念な気持ち。
らぶをと最初は思ったけれど、リランとの繋がりの方が濃くてそっちの方にどきどきしていた。やはり獣と人は繋がれない、という絶望があってどうなるのと思ったけれど。
 それでも、ずっと奏で合ってきた音は、こんなふうに、思いがけぬときに、思いがけぬ調べを聞かせてくれる……。

これに集約されている。美しい物語の結末。
リランとエリンは同じ場所にいて、リランもエリンと同じ気持ちだったのだろうと思うと涙が出る。心が通えないことが何故あるだろう。竪琴の音は心の音だ。空から天地に響くんだ。
上橋さんの描く歴史の強者と弱者は、まるで本物の伝承のようで大好きだ。
獣の奏者 I 闘蛇編
特殊な生まれの少女が貴重な獣と出会ったことで国の真実を見ていく話。
頭の良くて物静かな女の子、という人物はとても好きだ。考えて考えて、実行する力も備えている女の子というのは理想的。
自然が綺麗だなあと思う。蜂を飼う山も、闘蛇の池も処刑地の沼も綺麗だ。この一言に尽きる。
エリンが髪の長いの想像しちゃうんだよなー!(好きだから) 短いのも可愛いけど!
これを読んでいる時はらぶが欲しかったけれど、リランとどう関わるのかというのも気になってました。
博士の本棚
図書館と本棚、博士の本棚、ちょっと散歩へ、書斎の本棚の4章に分けられた数多くのエッセイ。2007年7月25日発行。
本の話、小川さん自身の話が盛り込まれていて、面白く読んだ。

『犬が星を見た』あとがきより。
 夕暮れ時、私が窓からこっそりのぞいているのに気づかず、彼はポーチに座り、やや首を傾げ、じっと夕焼けを見つめていた。巣に帰ってゆく鳥の群れや、風にそよぐ木々の気配にも惑わされず、何かを考えていた。普段私の前で魅せるおばかな表情は消え、哲学者の風情を漂わせていた。人間には見えないが、確かにそこにあるらしい真理について、考察を巡らせているようだった。


『時間と空間を宙に浮かんだ塊に彫刻してゆくような小説の数々』より。
 つまり私にとって、短編小説とはこういうものなのだ。ありきたりの世界の、そこだけが特別な光に照らされ、くっきりと浮き上がってくるような感じ。その光に導かれ足を踏み入れてゆくと、底知れぬ空間が隠れていて、恐れにも似た気持ちが湧いてくるような感じ……とでもいうのだろうか。


『閉ざされた徒労感』より。正常と異常、現実と虚構などさまざまな境界線を見るようになってから。
 境界線を意識的に踏み越え、あるいはその上に留まり、現実を異化してゆく試みから、わたしの小説はスタートした。


なんかきらきらしてるなあと思う。静かに光っているという印象。紹介の本は難しそうで何だか手が出ないけれど、でもいつか読んでみたい。小川さんの作品も読み返そうと思った。
チョコレートコスモス
すごく面白かった! 舞台っていい。
で、余談だけどこの前に「中庭の出来事」を読んでいたので、舞台っていう設定に繋がりがないかなーと思ったんだがそんなことなかった。
響子と飛鳥が光ってる。暗い舞台の中で、二人が向き合っているのがポスターとかだとかっこいいなあと思うのだ。やっぱりオーディションの「欲望という名の電車」はそれぞれに面白かった。
最後、飛鳥がどこか吹っ切れて楽しそうなのがすごーく良かった。きらきらしてた。
本を持っていた時に「チョコレートコスモスって花言葉は愛の別れなんだよ」と人に言われてそうなんだーと思って関係あるのかなとわくわくしながら読み進めていたので、ラスト、花が出て来たのはおおっと思った。コスモスは宇宙とかけてあるんだな。
鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)

連作短編集。一つの話は短いもので2ページ、長いもので20ページくらいか。
『はてしない物語』『モモ』『ジムボタンの機関車大旅行』を読んだ身としては、こういうグロテスクで不可思議な話ばかりが続いていると驚いてしまう。ここには子どもが望むような明るい夢ではなくて、永遠に続く悪夢を描いているかのよう。
この物語の中は、生と死というより、永遠の夢、生死の中間地点であるように思う。「湿地のように暗いのは母の顔だ」が恐ろしかった。永遠に続く、というのが表されている気がして。
「手に手をとって、ふたりが道を」では、子どもが授業という形で、楽園を見てきたという男に出会う。子どもが出て来ると、物語が華やぐような印象を持った。
「黒い空のした、ひとの住めない国が」で魔術師がエンデと名乗り、少年が「ミヒャエル」と名付けられ、二人が暮らせるような世界を探しに行こうと言い出すのは、物語を書き進めている作者の姿が浮かんでくる。子どもの心と大人の心を持った自分、そうして自分が望む世界を探しているように思えて、わくわくしつつも少し寂しい気分になった。
いのちのパレード
早川書房の異色作家短編集に影響を与えられた著者による「奇想短編シリーズ」14編に一編の書き下ろしを加えた15編。
場所は秘密、参加者も抽選、逸話があるW村の観光旅行に参加した「私」たちは、地面から生えてくる石の手を見る。「観光旅行」
彼女の人生とロボットとスペインの苔に関する「スペインの苔」など。

すごく良かった! 翻訳小説っぽい雰囲気、暗くてユーモアに満ちていて、この表紙がしっくり来るまさに「奇想短編」。あちこちで見る評価がすごく良かったというのと合わなかったというので極端に別れていたので、気になっていたのに私にはすごく合った。シリーズ物好きの母は、「上手い。実力のある作家の作品はやっぱり面白い。けれどもっと膨らましてくれーと思う」とのこと。
「あなたの善良なる教え子より」はテーマが重たくて、でも文学的な感じ(いつもの偏見)がして好きだった。ラストの展開もぞくっとする。
一番好きな「夜想曲」。芸術の神々から祝福を受けたのはロボットの青年という設定、その淡々とした雰囲気が余計興奮させる。
誰かが、恩田陸は振り返った瞬間のぞくぞくっとしたものを書くのが上手いと書いていた(という風に覚えている。全く違う表現だったはず)、その言葉がよく分かる作品集でした。
朝日のようにさわやかに
五年ぶりの短編集。「水晶の夜、翡翠の朝」「ご案内」「あなたと夜と音楽と」「冷凍みかん」「赤い毬」「深夜の食卓」「いいわけ」「一千一秒殺人事件」「おはなしのつづき」「邂逅について」「淋しいお城」「楽園を追われて」「卒業」「朝日のようにさわやかに」

「水晶の夜、翡翠の朝」はアンソロジーの方に載っていた麦海のヨハンの話。どれも面白い一話完結。「赤い毬」や「卒業」はちょっと分からなかったけれど。
好きなのは「冷凍みかん」。これは短編にふさわしくテーマが笑えるものだし、恩田さんの特徴として底にある恐怖がある。ミステリーとしては「あなたと夜と音楽と」が良い。ラジオ形式っていいな。「おはなしのつづき」はじんわりする。結局どうなったのかというのがちょっと分かりにくかったかな。一番好きなのは「楽園を追われて」だ! 友人の死に遺稿を託された四人は一堂に会してその作品を読む。この大人の疲れた感じが漂っているのに、最後にはみんなこっそり原稿を持ち帰って何かやろうとする希望が良い。
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Author:月子
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